工場用語辞典
発注リードタイム 【よみ】 はっちゅうりーどたいむ 【英語】 order lead time
企業が商品や資材を外部の仕入先に発注してから、その商品が自社に納品されるまでにかかる時間のことを指します。別名「調達リードタイム」とも呼ばれ、在庫管理や生産計画において非常に重要な指標です。企業がスムーズに業務を遂行するためには、正確なリードタイムの把握と、それに基づいた在庫調整が不可欠です。
発注リードタイムは、一般的に以下のようなプロセスで構成されています:
- 発注準備期間:社内で必要な品目や数量を決定し、発注書を作成するまでの時間
- 発注伝達期間:発注書を仕入先へ送信するまでの時間
- 仕入先処理期間:仕入先が注文を確認し、出荷準備を行うまでの時間
- 配送期間:仕入先から商品が発送され、自社に到着するまでの時間
このすべてを合計したものが、発注リードタイムとなります。
発注リードタイムの重要性
発注リードタイムは、企業の在庫管理・資金繰り・顧客満足度など、あらゆる業務に影響を与えるため、その管理は非常に重要です。以下に主な影響を示します。
1. 在庫管理への影響
リードタイムが長い場合、企業は欠品を防ぐために多めの在庫を抱える必要があります。これにより、余分な在庫コストや保管スペースの確保といった問題が発生します。一方、リードタイムが短ければ、必要なときに必要な分だけ仕入れる「ジャスト・イン・タイム方式(JIT)」が可能になり、在庫の最適化が進みます。
2. 生産計画との連携
製造業では、部品や原材料のリードタイムを考慮して生産スケジュールを立てる必要があります。リードタイムのずれが発生すると、納期遅延や生産ラインの停止といったトラブルにつながるため、正確な把握が不可欠です。
3. 顧客対応力の強化
顧客からの注文に迅速に対応するためにも、発注リードタイムの短縮は重要です。特にBtoC業界においては、納期の早さが競争力の大きな要因となるため、短いリードタイムは企業の強みになります。
発注リードタイムの具体例
発注リードタイムを理解するために、以下に具体的な例を挙げます。
例1:アパレルショップでのTシャツ発注
あるアパレルショップが、人気商品のTシャツを補充するため、取引先の縫製業者に発注をかけたとします。
- 発注準備期間:2日(在庫確認・発注数決定・上司承認)
- 発注伝達期間:即日(オンラインで発注)
- 仕入先処理期間:5日(製造・検品・梱包)
- 配送期間:3日(国内配送)
この場合、発注リードタイムは 2日 + 0日 + 5日 + 3日 = 合計10日 となります。したがって、ショップは最低でも10日分の販売予測を考慮して在庫を調整する必要があります。
例2:電子機器メーカーの半導体部品調達
電子機器を製造する企業が、海外のサプライヤーから半導体部品を調達するケースでは、さらにリードタイムが長くなります。
- 発注準備期間:3日(技術部門との仕様確認を含む)
- 発注伝達期間:1日(仕様書とともに発注)
- 仕入先処理期間:10日(生産ライン調整と製造)
- 配送期間:7日(国際輸送+通関)
この場合、リードタイムは合計 21日。天候や国際情勢によってさらに遅れる可能性もあるため、安全リードタイム(バッファ)を加えて25〜30日と見込むのが現実的です。
