工場用語辞典
ネゴ 【よみ】 ねご 【英語】 negotiation
ビジネスや日常会話において使われるカタカナ語で、**交渉(ネゴシエーション / negotiation)**を略した表現です。主に仕事や取引、人間関係の場面で「意見のすり合わせ」や「条件の調整」といった意味合いで使われます。
日本語の「交渉」とほぼ同じ意味ですが、より実務的でフランクな印象を与える言葉として用いられることが多いです。
2. ネゴの目的
ネゴ(交渉)の目的は、利害の異なる当事者どうしが納得できる形で合意を得ることです。単に「相手に勝つ」のではなく、双方が妥協点や共通の目的を見つけることが重要です。
ネゴの目的は次のような場面で現れます:
- 条件の調整(価格・納期・仕様など)
- 意見や立場のすり合わせ
- 問題やトラブルの解決
- 長期的な信頼関係の構築
3. ネゴが使われる具体的な場面
(1)ビジネスの現場
ビジネスにおける「ネゴ」は非常に一般的です。営業、調達、プロジェクト管理、国際取引など、あらゆる職種で必要とされます。
▶ 例1:営業担当者と顧客
- 顧客:「この商品、もっと安くなりませんか?」
- 営業:「数量をまとめていただければ、価格を調整できます」
ここでは価格や納期などを「ネゴ」して、双方が納得する条件で契約に至ることが目的です。
▶ 例2:社内のリソース調整
- プロジェクトマネージャー:「開発チームの人をもう1人、来月から貸してもらえませんか?」
- 開発部門:「ただし、別のプロジェクトの納期は1週間延ばしてもらう必要があります」
こうした社内の調整もネゴの一種です。
(2)労使関係・労働交渉
企業の労働組合と経営側との間で行われる賃金や労働条件の交渉も「ネゴ」に含まれます。
▶ 例:賃金交渉
- 労働組合:「物価高騰を踏まえて、ベースアップを希望します」
- 経営側:「業績も考慮し、一定の昇給は認めますが、金額については再協議しましょう」
このような話し合いも、正式には「労使交渉」ですが、ビジネスの場面では「ネゴに入った」と表現されることがあります。
(3)国際ビジネス・外交
グローバルな交渉の現場では、「ネゴ」は日常的に使われる用語です。国際取引の契約、関税協定、軍事・外交交渉など、多国間での調整にもネゴは欠かせません。
▶ 例:輸入取引の条件交渉
- 輸入業者:「港での積み下ろし費用はそちら持ちでお願いできませんか?」
- 海外サプライヤー:「その代わりに納期を1週間延ばしてもらえれば可能です」
このように、文化や立場の違いを超えて折り合いをつけることがネゴの要点です。

4. ネゴの進め方とスキル
ネゴをうまく行うには、以下のようなスキルが必要です。
● 準備力
事前に相手の立場・事情・制約を把握しておくことが重要です。代替案や妥協点も複数用意しておきます。
● コミュニケーション力
相手の話を**正確に聞く力(傾聴)**と、自分の要求を論理的に説明する力が求められます。
● 感情のコントロール
交渉は対立が前提になる場面もあるため、冷静さを保ち、感情的にならずに対話を進めることが大切です。
● ウィンウィンの思考
自分だけが得するのではなく、相手にもメリットがある形を考える姿勢が、長期的な信頼関係につながります。
5. 「ネゴる」「ネゴ案件」などの使い方
実際のビジネス会話では、「ネゴ」は次のように略語やスラングとして使われます。
- ネゴる(動詞):「取引先と価格をネゴった」
- ネゴ案件:調整が必要なプロジェクトや契約
- ネゴ中:「いま先方と納期をネゴ中です」
カジュアルな社内用語として広く定着していますが、正式な書類やフォーマルな場では「交渉」や「協議」などの日本語表現を使うのが一般的です。