工場用語辞典
移動平均法 【よみ】 いどうへいきんほう 【英語】 moving average method
移動平均法とは、主に以下の2つの分野で用いられる計算方法です。
1. 会計・簿記における移動平均法
- 棚卸資産(在庫)の評価方法の一つです。
- 商品を仕入れるたびに、その時点での在庫商品の平均単価を算出し、その平均単価を売上原価や期末の棚卸資産の評価額として用います。
- 常に最新の平均単価で在庫を評価できるため、より実態に近い在庫評価が可能となります。
2. 金融・統計における移動平均法
- 過去の一定期間のデータ(株価、気温など)の平均値を計算し、それを時系列的に繋ぎ合わせることで、データの変動を平滑化し、トレンドを把握するために用いられます。
- 短期的なノイズ(偶然の変動)の影響を抑え、長期的な傾向を捉えやすくなります。
- 株価分析におけるテクニカル分析などでよく用いられます。
それぞれの移動平均法の詳細
- 会計・簿記における移動平均法
- 仕入れのたびに平均単価を計算するため、手間がかかりますが、より正確な在庫評価が可能です。
- インフレ・デフレなどの影響を受けにくいという特徴があります。
- 総平均法(一定期間の仕入れをまとめて平均単価を計算する方法)と比較されます。
- 金融・統計における移動平均法
- 単純移動平均、加重移動平均、指数平滑移動平均など、様々な種類があります。
- 分析対象や目的によって、適切な移動平均の種類を選択する必要があります。
- 過去のデータに基づいて計算するため、将来の予測には限界があります。
移動平均法は、それぞれの分野で異なる目的で使用されますが、いずれも平均値を用いることで、データの変動を平滑化し、より分かりやすい情報を提供するための手法です。