工場用語辞典

工数 【よみ】 こうすう 【英語】 man-hours

ある仕事や作業を完了するために必要な時間を、という単位で表したものです。例えば、「このプロジェクトを完成させるには、10人月(10人×1ヶ月)の工数が必要」といったように使われます。
工数は、プロジェクト管理において非常に重要な要素です。正確な工数見積もりを行うことで、プロジェクトの成功確率を高めることができます。ただし、工数見積もりはあくまでも予測であり、実際の作業時間と異なる場合があります。そのため、定期的に見直しを行い、柔軟に対応することが重要です。

なぜ工数を測るのか?

工数を測ることで、以下のメリットが得られます。

  • 計画の立案: プロジェクトのスケジュール作成や、必要なリソースの算出に役立ちます。
  • 進捗管理: 実際の作業時間と計画との比較を行い、プロジェクトの遅延や進捗状況を把握できます。
  • コスト見積もり: 人件費を算出し、プロジェクト全体の費用を把握できます。
  • 生産性向上: 作業効率を分析し、改善点を見つけることで、生産性を向上させることができます。

工数の種類

工数には、大きく分けて以下の種類があります。

  • 直接工数: 製品やサービスを直接作り出すために必要な作業時間。
    • 例:プログラミング、設計、製造など
  • 間接工数: 直接工数をサポートする作業時間。
    • 例:会議、報告書作成、資料整理など

工数の算出方法

工数を算出する方法は、プロジェクトの種類や規模によって様々ですが、一般的には以下の方法が用いられます。

  • 過去のデータに基づく見積もり: 過去の類似プロジェクトの工数を参考に、今回のプロジェクトの工数を推定します。
  • 作業分解構造(WBS)を用いた見積もり: プロジェクトを小さなタスクに分解し、各タスクの工数を積み上げて、全体の工数を算出します。
  • 専門家の意見に基づく見積もり: プロジェクトに携わる専門家の経験や知識に基づいて、工数を見積もります。

工数見積もりの注意点

工数見積もりは、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。正確な工数見積もりを行うためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 詳細な作業内容の定義: どの作業を指すのか、明確に定義する必要があります。
  • 不確実性の考慮: 予測できない要因(トラブル、仕様変更など)を考慮し、余裕を持たせる必要があります。
  • 定期的な見直し: プロジェクトが進行するにつれて、状況は変化するため、定期的に工数を見直す必要があります。

工数管理ツール

工数を管理するためのツールとして、以下のものが挙げられます。

  • プロジェクト管理ツール: GanttチャートやPERTチャートを用いて、タスクの進捗状況を可視化し、工数を管理します。
  • タイムトラッキングツール: 作業時間を記録し、実際の工数を測定します。
  • スプレッドシート: シンプルな表計算ソフトを用いて、工数を管理することも可能です。