工場用語辞典
一括決済方式 【よみ】 いっかつけっさいほうしき 【英語】 Lump sum payment method
一括決済方式とは、企業間の取引において、複数の債務(買掛金など)をまとめて、期日までに一括して支払う方法です。従来の手形決済に代わる手段として、近年注目されています。
一括決済方式の仕組み
- 債務の確定: 支払企業(債務者)と納入企業(債権者)の間で、取引内容や金額が確定します。
- 支払通知: 支払企業は、支払金額や期日などを金融機関に通知します。
- 一括支払い: 期日になると、金融機関は支払企業の口座から、複数の納入企業への支払いをまとめて行います。
- 支払い通知: 金融機関は、納入企業に支払い完了の通知を送ります。
一括決済方式のメリット
- 支払企業のメリット
- 事務処理の効率化:手形発行や支払い処理の手間が省けます。
- 資金管理の効率化:複数の支払いを一括で行うことで、資金繰りが楽になります。
- コスト削減:手形発行コストや印紙税などの費用が削減できます。
- 支払遅延の防止:期日までに確実に支払うことで、納入企業からの信頼を得られます。
- 納入企業のメリット
- 早期資金化:手形割引に頼る必要がなく、早期に資金を回収できます。
- 事務処理の効率化:手形管理の手間が省けます。
- 支払い遅延リスクの軽減:支払企業からの支払いが遅延するリスクを軽減できます。
一括決済方式のデメリット
- 支払企業のデメリット
- 導入コスト:システム導入や運用にコストがかかる場合があります。
- 支払い期日の厳守:期日までに支払いを完了する必要があります。
- 納入企業のデメリット
- 情報共有:支払企業との間で、支払い情報や期日などを共有する必要があります。
- システム対応:金融機関のシステムに対応する必要がある場合があります。
一括決済方式の種類
一括決済方式には、主に以下の3つの種類があります。
- ファクタリング方式: 納入企業が売掛債権を金融機関に譲渡し、早期に資金化する方式です。
- 債権譲渡担保方式: 納入企業が売掛債権を担保に、金融機関から融資を受ける方式です。
- 併存的債務引受方式: 金融機関が支払企業の債務を引き受け、納入企業に直接支払う方式です。
一括決済方式の導入事例
一括決済方式は、自動車業界や建設業界など、多くの業界で導入されています。例えば、自動車メーカーは、部品メーカーへの支払いを一括決済方式で行うことで、事務処理の効率化やコスト削減を実現しています。
まとめ
一括決済方式は、企業間の取引を効率化し、資金繰りを改善する有効な手段です。導入にあたっては、メリットだけでなく、デメリットや種類についても理解しておくことが重要です。