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発光ダイオード(LED) 【よみ】 はっこうだいおーど 【英語】 light emitting diode

発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)は、半導体材料を使って電気エネルギーを光に変換する電子部品です。通常のダイオードと同様に電流を一方向に流す性質を持ちながら、特定の条件下で発光するという特徴があります。

LEDは主にp型半導体とn型半導体を接合したpn接合構造でできており、順方向に電圧をかけると、電子と正孔(ホール)が接合部で再結合し、その際にエネルギーの一部が光として放出されます。この光の色は、使用される半導体の材料や結晶構造によって決まります。

従来の白熱電球が熱で光を出すのに対して、LEDは電気エネルギーの多くを直接光に変えるため、省エネかつ長寿命であるという大きな利点があります。

発光ダイオードの種類と用途

LEDの色と種類

LEDは発光する色の違いにより、赤色、緑色、青色、黄色など様々な種類があります。特に青色LEDの開発は画期的で、これが可能になったことで白色LEDの実用化が進みました。

  • 赤色LED:信号機やリモコンの赤外線LEDに使われることが多い。
  • 緑色LED:ディスプレイの表示や信号灯に用いられる。
  • 青色LED:高輝度の照明や液晶ディスプレイのバックライトに利用。
  • 白色LED:青色LEDに黄色蛍光体を組み合わせて作られ、現在の照明器具の主流。

主な用途例

LEDは、さまざまな分野で使われています。

  • 照明器具:家庭用照明、街灯、車のヘッドライトなどに省エネで長寿命の白色LEDが広く使われています。
  • ディスプレイ表示:スマートフォンやテレビのバックライト、広告看板の表示に利用。
  • 信号機・交通表示:視認性が高く寿命も長いため交通信号機の標準光源に。
  • 電子機器のインジケーター:電源のオンオフ表示や動作状態の確認に使われる小型LED。

具体例:

最近のスマートフォンは液晶や有機ELディスプレイに加え、通知ランプとして小型LEDを内蔵しているものが多く、着信やメール受信を光で知らせます。

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LEDのメリット・デメリットと今後の展望

LEDのメリット

LEDは多くの利点があります。

  • 省エネルギー:消費電力が白熱電球や蛍光灯に比べて非常に少ない。
  • 長寿命:数万時間以上の使用が可能で、交換頻度を大幅に減らせる。
  • 発熱が少ない:熱によるエネルギーロスが少なく、周囲温度の上昇を抑える。
  • 小型・軽量:コンパクトな設計が可能で、多様な機器に組み込みやすい。
  • 耐衝撃性・耐振動性:固体素子なので割れにくく、衝撃にも強い。

LEDのデメリット

一方、いくつかの課題もあります。

  • 初期投資が高い:高品質なLED照明は初期費用が蛍光灯などより高め。
  • 光の拡散が難しい:点光源であるため、広範囲を均一に照らすには工夫が必要。
  • 温度管理が重要:高温になると寿命が短くなるため、放熱設計が不可欠。

今後の技術動向と展望

LED技術は急速に進歩しています。例えば、

  • 高輝度・高効率化:より明るく、さらに消費電力を抑えたLEDが開発されている。
  • 色の多様化:RGBフルカラーLEDの進化で、映像表示や照明の色調整が自在に。
  • 有機LED(OLED):柔軟で薄型、発色が良い新型LEDの普及も進んでいる。

また、スマート照明やIoTと連携したLED照明システムの普及により、快適性や利便性の向上が期待されています。