工場用語辞典

板バネ：しなやかに支える、金属の弾性力

板バネは、金属板の弾性を利用して力を蓄えたり、衝撃を吸収したりする部品です。主に、自動車のサスペンションや、家電製品の振動吸収装置などに使用されています。

板バネの構造と種類

板バネは、一枚または複数の金属板を重ねて作られます。板厚、板幅、板長、曲げ形状などの要素を組み合わせることで、様々な特性のバネを作ることができます。

板バネの種類としては、主に以下のものがあります。

• ストレート板バネ: 最も基本的な形状の板バネです。板を曲げずに重ねたものです。
• リーフレール式板バネ: 複数の板を束ねてU字または半楕円形に曲げたものです。自動車のサスペンションなどに広く使用されています。
• 皿ばね: 円盤状の板バネです。圧縮方向に強い力を発揮します。
• 波形ばね: 波形に曲げた板バネです。コンパクトな設計が可能で、精密機器などに使用されます。

板バネの特性

• 高い弾性率: 金属の弾性力を利用しているため、高い弾性率を持っています。
• 大きな荷重に対応できる: 板厚や板数を増やすことで、大きな荷重に対応することができます。
• 疲労強度が高い: 金属疲労に対して強い性質を持っています。
• シンプルな構造: 構造がシンプルで、製造しやすいというメリットがあります。
• 比較的安価: 他のバネの種類に比べて、比較的安価に製造することができます。

板バネの欠点

• かさばる: 他のバネの種類に比べて、かさばる構造をしています。
• 振動吸収性が低い: 振動吸収性が低いため、乗り心地が悪くなる場合があります。
• 騒音が発生しやすい: 振動により、騒音が発生しやすい場合があります。
• 腐食しやすい: 金属製であるため、腐食しやすいという欠点があります。

板バネの用途

• 自動車のサスペンション: 自動車のサスペンションとして、路面からの衝撃を吸収し、車体の揺れを抑えます。
• 家電製品の振動吸収装置: 洗濯機や冷蔵庫などの家電製品の振動を吸収し、静音性を向上させます。
• 精密機器の振動防止装置: 計測機器や光学機器などの精密機器の振動を防止し、精度を向上させます。
• 建築物の耐震構造: 建築物の耐震構造の一部として、地震などの衝撃を吸収します。

板バネの設計と製造

板バネの設計には、材料力学や振動工学などの知識が必要です。板厚、板幅、板長、曲げ形状などの要素を組み合わせることで、必要な特性を持つバネを設計します。

板バネの製造方法は、主にプレス加工や焼き入れ・焼き戻しなどの熱処理が用いられます。プレス加工で板材を曲げ、熱処理で金属組織を変化させて必要な強度と弾性を持たせます。

板バネの注意点

• 許容荷重を超えないように使用する: 許容荷重を超えて使用すると、板バネが破損する可能性があります。
• 定期的に点検・整備を行う: 定期的に点検・整備を行い、異常がないことを確認する必要があります。
• 腐食対策を行う: 腐食しやすい金属を使用している場合は、腐食対策が必要です。

まとめ

板バネは、金属の弾性を利用したシンプルな構造のバネです。高い弾性率、大きな荷重への対応力、疲労強度などの特性を持つ一方で、かさばる、振動吸収性が低い、騒音が発生しやすいなどの欠点もあります。自動車のサスペンション、家電製品の振動吸収装置、精密機器の振動防止装置、建築物の耐震構造など、様々な用途に使用されています。

物を押さえる、挟む、固定、圧をかける等の目的で使用されている。

バネの中でも板状の物。電池の電流をつなぐ箇所などを指す。