工場用語辞典

仕損品 【よみ】 しそんひん 【英語】 junk

仕損品(しそんひん)とは、製造業などの生産活動において、不良品として発生した製品や部品のうち、修理や手直しをしても良品として販売・使用できないものを指します。これは、品質管理の過程で発見されることが多く、規格外の寸法、材質不良、機能不全など、様々な原因によって発生します。仕損品は、企業にとって直接的な損失となるだけでなく、生産効率の低下や資源の無駄遣いにも繋がるため、その発生を抑制し、適切に処理することが重要です。

仕損品と不良品・手直し品の区別

仕損品は、広義には不良品の一種として捉えられますが、不良品の中でも特に「手直し不能」なものを指します。これに対し、不良品の中には、修理や手直しを行うことで良品として販売・使用できるものがあり、これらは「手直し品」と呼ばれます。仕損品と手直し品を区別することは、原価計算や品質管理の観点から重要です。仕損品の発生は、直接的な損失として認識され、その原因分析や再発防止策が求められます。一方、手直し品は、追加のコストはかかるものの、最終的には良品として活用できる可能性があります。

仕損品がもたらす影響

コスト面への影響

仕損品の発生は、企業にとって直接的なコスト増を招きます。投入した原材料費、労務費、製造間接費などが無駄になるだけでなく、仕損品の処理費用(廃棄費用など)も発生します。また、仕損品が発生した分の生産能力が無駄になるため、機会損失も考慮する必要があります。特に、高価な原材料や高度な技術を要する製品の場合、仕損品の発生によるコスト負担は大きくなります。

生産性への影響

仕損品の発生は、生産ラインの効率を低下させる要因となります。不良品の検査や仕分け、廃棄といった作業に時間と労力が費やされるため、本来の生産活動が阻害されます。また、仕損品の発生原因を特定し、対策を講じるための調査や会議なども、生産性低下に繋がる可能性があります。不良率が高い状態が続くと、従業員のモチベーション低下にも繋がりかねません。

信用面への影響

顧客に不良品が流出した場合、企業の信頼を大きく損なう可能性があります。特に、仕損品が最終製品に混入してしまった場合、顧客からのクレームや返品に繋がり、企業のブランドイメージを悪化させる恐れがあります。品質管理体制の不備が露呈することは、取引先からの信用失墜にも繋がりかねません。

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仕損品の管理と対策

仕損品の管理

発生した仕損品は、種類、数量、発生原因などを正確に記録し、適切に管理する必要があります。これにより、仕損品の発生傾向を分析し、効果的な対策を講じることが可能になります。また、仕損品の保管場所や処理方法を明確にすることで、二次的な問題の発生を防ぎます。

仕損品の処理

仕損品は、原則として再利用が不可能であるため、適切な方法で処理する必要があります。多くの場合、廃棄物として処理されますが、素材によってはリサイクルが可能な場合もあります。環境負荷を低減するためにも、可能な限り資源の再利用を検討することが望ましいです。また、仕損品の処理にかかるコストも考慮し、経済的な処理方法を選択する必要があります。

発生予防策

最も重要な対策は、仕損品の発生を未然に防ぐことです。そのためには、製造プロセスの見直し、作業標準の徹底、設備のメンテナンス、従業員の教育訓練、品質管理体制の強化などが不可欠です。統計的な品質管理手法(QC七つ道具など)を活用し、不良発生の要因を特定し、根本的な対策を講じることが重要です。また、サプライヤーからの原材料の品質管理も、仕損品発生の抑制に繋がります。