工場用語辞典

インジェクタ 【よみ】 いんじぇくたー 【英語】 injector

インジェクタは、液体を噴射するための装置です。燃料噴射装置、医療機器、工業用機器など、様々な分野で幅広く使用されています。インジェクタの主な役割は、以下の3つです。

  • 液体を霧状にする: 液体を細かい粒子に霧状にすることで、燃焼効率を高めたり、薬剤を体内に吸収しやすくしたりすることができます。
  • 液体を高圧で噴射する: 液体を高圧で噴射することで、洗浄効果を高めたり、動力源として利用したりすることができます。
  • 液体を正確に計量する: 液体を一定量ずつ噴射することで、燃料の噴射量を制御したり、薬剤の投与量を調整したりすることができます。

わたしたちの身近なものに自動車の部品があります。

車において、インジェクタは燃料を霧状にして燃焼室へ噴射する重要な部品です。従来のキャブレターに代わる燃料噴射システムの一部として、1980年代頃から多くの車種に搭載されるようになり、現在ではガソリン車、ディーゼル車問わず主流となっています。

インジェクタの役割

  1. 燃料の霧化: ガソリンや軽油などの燃料を細かい粒子に霧化することで、空気との混合を促進し、燃焼効率を向上させます。
  2. 最適な噴射量: エンジン回転数や負荷に応じて、必要な量の燃料を正確に噴射します。これにより、燃費向上や排ガス低減に貢献します。
  3. 噴射タイミングの制御: エンジンの状態に合わせて、最適なタイミングで燃料を噴射します。これにより、スムーズな加速や安定したアイドリングを実現します。

インジェクタの種類

  • ポート噴射式インジェクタ: 燃料を吸気ポートに噴射するタイプです。構造がシンプルで比較的安価ですが、燃焼効率にやや劣ります。
  • 直噴式インジェクタ: 燃料を直接燃焼室に噴射するタイプです。燃焼効率が高く、燃費や排ガス性能の向上に効果的ですが、構造が複雑で高価です。

インジェクタは、精密機械であるため、定期的な点検と清掃が必要です。インジェクタが汚れたり詰まったりすると、燃料噴射量や噴射タイミングが乱れ、エンジン不調や燃費悪化の原因となります。そのため、車検時などにインジェクタの点検・清掃を行うことをおすすめします。

インジェクタの故障の兆候としては、以下のようなものがあります。

  • エンジン始動不良
  • アイドリング不安定
  • 加速不良
  • 燃費悪化
  • 排ガス悪化

上記のような症状が現れた場合は、早めに整備工場で点検・修理を受けることが大切です。

インジェクタは、車の性能や燃費に大きく影響を与える重要な部品です。インジェクタを適切にメンテナンスすることで、愛車の調子を維持し、快適なドライブを楽しむことができます。

ちなみに、

【インジェクター】の呼び方も間違いではないが日本工業規格(JIS)ではイメージセンサと表記されている。