工場用語辞典

個別受注生産 【よみ】 こべつじゅちゅうせいさん 【英語】 Individual order production

 

個別受注生産(こべつじゅちゅうせいさん)とは、顧客からの個別の注文を受けてから、その顧客の要求仕様に合わせて製品を設計・製造する生産方式のことです。「一品一様(いっぴんいちよう)」とも呼ばれ、大量生産のように標準化された製品を事前に製造し、在庫として保有するのではなく、あくまで顧客のニーズに特化した製品を提供することを目的としています。

この生産方式の最大の特徴は、顧客の細かな要望や仕様変更に柔軟に対応できる点です。顧客は、製品の機能、性能、デザイン、材質、数量、納期など、自身のニーズに合わせて細かく注文することができます。製造業者は、これらの要望に基づいて個別に設計を行い、必要な部品を調達し、組み立て、検査といった一連の製造プロセスを実行します。

個別受注生産の特性

  • 高付加価値製品: 顧客の 必要なニーズに応えることで、製品に高い付加価値をつけることができます。
  • 少量多品種生産: 多種多様な製品を少量ずつ生産する必要がある場合、効率的な生産体制を構築できます。
  • 技術集約型製品: 高度な技術や専門知識が必要とされる製品で、顧客との密な連携を通じて最適な製品を提供します。
  • プロジェクト型製品: 建設物、船舶、航空機、プラント設備など、大規模で個別性の高いプロジェクトにおいて、顧客の要求に合わせて設計・製造が行われます。
  • カスタムメイド製品: 顧客の個人的な要望に応じたオーダーメイドの製品(高級家具、美術品、特殊車両など)が該当します。
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個別受注生産の主なメリット

  • 顧客満足度の向上: 顧客のニーズに完全に合致した製品を提供できるため、高い満足度を得られます。
  • 高収益性: 顧客の特殊な要求に応える製品には、高い価格設定が可能な場合があります。
  • 技術力の向上: 個別の要求に対応するために、高度な設計・製造技術やノウハウが蓄積されます。
  • 市場の変化への柔軟な対応: 顧客のニーズや市場の動向に合わせて、製品仕様を柔軟に変更できます。
  • 長期的な顧客関係の構築: 顧客との密なコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築し、長期的な取引につながる可能性があります。

個別受注生産の主なデメリット

  • 生産効率の低さ: 製品ごとに設計や製造プロセスが異なるため、標準化された大量生産に比べて生産効率が低くなります。
  • リードタイムの長期化: 注文を受けてから設計、部品調達、製造を行うため、製品の完成までに時間がかかる傾向があります。
  • コスト高: 個別の設計、少量生産、特殊な部品調達などにより、製品あたりのコストが高くなる場合があります。
  • 品質管理の難しさ: 製品ごとに仕様が異なるため、品質管理が複雑になり、均一な品質を維持することが難しくなる場合があります。
  • 在庫管理の複雑さ: 多種多様な部品や材料を管理する必要があり、在庫管理が煩雑になります。
  • 計画の難しさ: 受注状況によって生産量が大きく変動するため、生産計画や人員配置が難しくなります。