工場用語辞典

間接貿易 【よみ】 かんせつぼうえき 【英語】 indirect trade

間接貿易とは、輸出入を行う際、自社と相手国との間に第三者(通常は商社)を介して行う貿易のことです。つまり、自社が直接相手国とやり取りをするのではなく、商社などの専門業者に取引を委託する形になります。

間接貿易の仕組み

間接貿易では、一般的に以下の流れで取引が行われます。

  1. 自社が商社に商品を販売: 自社は、自社で製造した製品や仕入れた商品を、国内の商社に販売します。
  2. 商社が海外の顧客に販売: 商社は、自社が仕入れた商品を、海外の顧客に販売します。
  3. 代金決済: 商社は、海外の顧客から代金を受け取り、自社に販売した商品に対する代金を支払います。

間接貿易のメリット

  • 専門知識やノウハウの活用: 商社は、貿易に関する専門知識やノウハウを豊富に持っています。そのため、貿易に関する手続きやリスク管理などを商社に任せられるため、自社は自社の事業に集中することができます。
  • 販路開拓: 商社は、世界中に広範なネットワークを持っています。そのため、自社で販路を開拓するよりも、短期間で多くの国に商品を販売することができます。
  • 小ロットでの輸出が可能: 商社は、複数の企業から商品を集めて一括で輸出するため、小ロットでの輸出が可能です。
  • リスクの分散: 為替変動リスクや信用リスクなどの貿易リスクを、商社と分担することができます。

間接貿易のデメリット

  • 利益率の低下: 商社に手数料を支払うため、自社の利益率が低下する可能性があります。
  • 価格交渉力の低下: 商社を介するため、価格交渉力が低下する可能性があります。
  • 情報の非対称性: 商社を介するため、海外市場に関する情報が不足する可能性があります。

間接貿易と直接貿易の違い

区分間接貿易直接貿易
取引相手商社海外のバイヤー
貿易手続き商社が行う自社で行う
リスク商社と分担自社で負う
コスト商社への手数料がかかる手数料はかからないが、人件費や時間コストがかかる

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間接貿易が選ばれるケース

  • 貿易経験が少ない企業: 貿易に関する知識や経験が不足している企業。
  • 小ロットの輸出をしたい企業: 小ロットでの輸出を効率的に行いたい企業。
  • 海外市場への参入を検討している企業: 海外市場への参入を検討しているが、リスクを最小限に抑えたい企業。

まとめ

間接貿易は、自社で直接海外と取引を行うのではなく、商社などの専門業者に取引を委託する貿易方式です。商社が持つ専門知識やネットワークを活用することで、効率的に海外市場へ進出することができます。しかし、利益率の低下や情報不足などのデメリットも存在するため、自社の状況に合わせて、直接貿易と間接貿易のどちらを選ぶべきかを検討する必要があります。