工場用語辞典
間接材 【よみ】 かんせつざい 【英語】 Indirect material
間接材とは、製品そのものになる原材料や部品といった直接材とは異なり、生産活動や業務を行う上で間接的に必要となる資材の総称です。言い換えれば、製品そのものには組み込まれませんが、生産プロセスを円滑に進めるために不可欠なものです。
直接材と間接材を比較すると、以下の表のように特徴が異なります。
区分 | 直接材 | 間接材 |
製品との関係 | 製品の一部となる | 製品には直接組み込まれない |
コスト配分 | 製品原価に直接計上 | 製造間接費に計上 |
原材料、部品 | 原材料、部品 | 工具、潤滑油、燃料、事務用品、消耗品、包装資材など |
間接材の種類と例
間接材は、その種類によって様々なものがあります。代表的なものを以下に挙げます。
- 消耗品: インクカートリッジ、コピー用紙、電池など、繰り返し使用される消耗品。
- 工具: ドライバー、レンチ、ハサミなど、作業を行うために必要な工具。
- 潤滑油: 機械の動きをスムーズにするための潤滑油。
- 燃料: 発電機やフォークリフトなどの燃料。
- 包装資材: 製品を梱包するためのダンボール、緩衝材など。
- 事務用品: ペン、ノート、ファイルなど、事務作業に必要な用品。
- 清掃用品: 掃除用具、洗剤など。
間接材の重要性と管理の難しさ
間接材は、直接材に比べて単価が低く、一つ一つの金額は大きくないため、管理が後回しになりがちです。しかし、間接材の総額は決して少なくなく、企業のコストに大きな影響を与えます。
- コスト削減の余地: 間接材は、種類が多く、仕入先も多岐にわたるため、適切な管理を行うことで、コスト削減の大きな可能性を秘めています。
- 在庫管理の難しさ: 間接材は、種類が多く、消費量も一定ではないため、最適な在庫レベルを把握することが難しいです。
- 調達の効率化: 多数の仕入先との取引が発生するため、調達の効率化が課題となります。
間接材管理のポイント
間接材を効果的に管理するためには、以下の点に注意する必要があります。
- 正確なデータの収集: 消費量、仕入先、価格などのデータを正確に収集し、分析することが重要です。
- 在庫の最適化: 過剰在庫や不足在庫を防ぎ、最適な在庫レベルを維持します。
- 標準化: 使用する間接材の種類を標準化し、仕入先を絞り込むことで、交渉力を高め、コスト削減につなげます。
- システムの活用: ERPシステムなどの導入により、間接材の管理を効率化することができます。
間接材は、製品そのものにはならないものの、生産活動や業務を円滑に進めるために不可欠なものです。間接材の適切な管理は、企業のコスト削減や業務効率化に大きく貢献します。
間接材を効果的に管理することで、企業はより競争力のある体質へと変革することができます。