工場用語辞典
蓄熱機暖房式 【よみ】 ちくねつきだんぼうしき 【英語】 Heat storage unit heating type
電気などのエネルギーを利用して深夜のうちに熱を蓄え、昼間にその熱を放出して室内を暖める暖房方式です。主に「蓄熱暖房機」と呼ばれる専用機器を用い、深夜電力を活用することで暖房費を抑えながら、効率的に部屋を暖める仕組みです。
この方式は、特に寒冷地や電気料金の安い深夜電力プランがある地域で広く利用されています。日本ではオール電化住宅の普及とともに注目され、電力会社が夜間の需要を安定させる目的でも導入を推奨されてきました。
蓄熱機暖房の構造と使い方
1. 蓄熱材に熱をためる
蓄熱暖房機の内部には、耐熱性の高い「蓄熱レンガ(蓄熱体)」が組み込まれており、夜間(一般的には午後11時〜午前7時)にヒーターで加熱して熱を蓄えます。これには、割安な深夜電力を利用することで、経済的な運用が可能になります。
2. 昼間に熱を放出して暖房
朝以降、機器は内部に蓄えた熱をゆっくりと放出して室内を暖めます。熱放出の方法には自然放熱とファンによる強制放熱があります。室温が下がった際にファンを作動させることで、効率的に暖気を供給することができます。
3. 24時間持続的な暖房効果
蓄熱機は一度の蓄熱で数時間〜丸1日分の暖房能力を確保できるため、間欠運転のエアコンや石油ストーブとは異なり、温度変化が少なく、快適な室内環境を保ちやすいという利点があります。
蓄熱機暖房式のメリット・デメリットと導入例
メリット
①電気代の節約
深夜電力(通常の1/2〜1/3程度の料金)を活用できるため、ランニングコストが抑えられます。
②室温が安定
一日中放熱し続けるため、急激な室温変化がなく、快適な住環境を維持できます。
③燃焼による空気汚れがない
石油ストーブやガスヒーターのように燃焼がないため、CO₂や臭い、結露が発生しにくく、空気を清潔に保てます。
④メンテナンスが少ない
燃料補給や点火の手間が不要で、ファンとヒーター以外の可動部が少ないため、故障リスクが低いです。
デメリット
①初期費用が高い
本体価格(数十万円)と設置費用がかかるため、初期投資がやや高めです。
②重くて移動不可
内部に蓄熱レンガがあるため、重量が数百kgに達し、設置場所の補強が必要になることもあります。
③柔軟な温度調整が苦手
一度蓄熱すると急に加熱・停止できないため、気温の急変や外出時の制御が難しいという欠点があります。
④夏場は無用の長物
冷房機能はなく、冬季以外は使い道がないため、スペースを取るだけになることも。
導入事例:北海道の住宅
北海道などの寒冷地では、蓄熱暖房機の導入が進んでいます。特にオール電化住宅で、電力会社の「深夜電力割引プラン(eライフプランなど)」を活用して、冬の電気代を抑えつつ24時間暖房を実現しています。
例:
・家族4人の一戸建て
・深夜23時〜翌朝7時に蓄熱
・昼間〜夜間に放熱して暖房
→ ガス・灯油の購入が不要になり、家中の空気もきれいな状態に。
