工場用語辞典

ハロゲンランプ 【よみ】 はろげんらんぷ 【英語】 Halogen lamp

白熱電球の一種でありながら、より高効率で長寿命な特性を持つ照明器具です。主に自動車のヘッドライトや舞台照明、スポットライトなどで使用されています。ここでは、ハロゲンランプの仕組みや特徴、具体的な用途などについて詳しく解説します。

ハロゲンランプの仕組み

白熱電球との違い

ハロゲンランプは、基本的には白熱電球と同じように、電流を通すことでフィラメント(タングステン)が熱せられ、光を発する構造になっています。しかし、通常の白熱電球と異なるのは、内部に「ハロゲンガス」(主にヨウ素や臭素などのハロゲン元素を含む)を封入している点です。このガスが、フィラメントから蒸発したタングステンと化学反応を起こし、タングステンを再びフィラメントに戻す「ハロゲンサイクル」という現象を起こします。

このハロゲンサイクルにより、フィラメントの寿命が延び、電球内部が黒くなる現象(黒化)も抑えられます。これによって、より長期間にわたって明るさを保つことが可能となります。

高温と小型化の利点

ハロゲンランプは、フィラメントの温度を高く保つことができるため、発光効率が高く、より白色に近い明るい光を放ちます。また、内部圧力が高く、ガラス部分も石英ガラス(石英管)を使うことで、より小型化が可能となっています。これにより、設計の自由度が広がり、狭い場所への設置にも適しています。

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ハロゲンランプの特徴とメリット

明るく自然な光

ハロゲンランプは、色温度が約2800〜3200ケルビンと高く、自然光に近い明るく白い光を出すのが特徴です。そのため、物体の色を忠実に再現できる「演色性」に優れており、展示照明や美術館、料理撮影などの用途にも最適です。

スイッチオンですぐに点灯

ハロゲンランプは点灯までの立ち上がり時間が不要で、スイッチを入れた瞬間にフルの明るさで点灯します。LEDや蛍光灯のようにウォームアップの時間がいらないため、瞬時に明かりが必要な場所でも重宝されます。

調光が可能

ハロゲンランプは調光機能にも対応しており、光の強さをスムーズに変えることができます。このため、舞台照明やシアタールーム、ホテルの照明など、雰囲気づくりが求められる空間にも適しています。

ハロゲンランプの用途と具体例

自動車のヘッドライト

もっとも身近な使用例の一つが、自動車のヘッドライトです。ハロゲンランプは、明るく遠くまで届く光を持ちながら、コストが比較的安価であることから、多くの車両で長らく標準装備されてきました。近年ではLEDやHIDに置き換わりつつありますが、交換のしやすさや互換性の高さから、依然として需要があります。

舞台照明・スポットライト

演劇やコンサート会場、美術館などでは、ハロゲンランプの「自然な光」「高い演色性」「調光対応」の特性が活かされています。例えば、展示作品の色味を正確に見せる必要がある場面では、蛍光灯よりもハロゲンランプの方が適していると言えるでしょう。

家庭やオフィスの間接照明

インテリアにこだわる家庭やオフィス空間では、ハロゲンスポットライトやダウンライトが使われることがあります。照射方向が明確で、柔らかく温かみのある光を演出できるため、間接照明やアクセント照明として人気があります。