工場用語辞典

従業員持株会 【よみ】 じゅうぎょういんもちかぶかい 【英語】 Employee stock ownership plan

従業員持株会は、従業員が勤める会社の株式を、会社が定めた一定額を給与から天引きしてまとめて購入する制度です。

この制度は、会社と従業員の双方にメリットがあり、多くの企業で導入されている福利厚生の一環です。ただし、デメリットも存在するため、従業員持株会に加入する際には、入会申込書をよく確認する必要があります。条件や金額は企業によって異なりますので、注意が必要です。

メリット

1. 少額から株式を購入できる
従業員持株会では、毎月一定額を積み立てることで、少額から株式を購入することができます。通常の株式取引では、まとまった資金が必要となることや、自分で銘柄を選んだり、売買のタイミングを計ったりする必要があるので手間がかからず、初心者でも安心して投資することができ、無理のない資産形成を進めることができます。

2、割引価格で購入できる 
従業員持株会で購入する株式は、通常よりも割引価格で購入することができる。
(割引率は会社によって異なるが、一般的には額面の80%程度で購入が可能)

 3、奨励金を得られる
従業員持株会で購入した株式は奨励金を受け取ることができます。
また、株価が上昇すれば、売却益も得ることもできます。

4、従業員のモチベーション向上
従業員持株会制度を導入することで、従業員が会社の経営に参画しているという意識を高めることができ、モチベーション向上につながります。

5、企業の安定経営
従業員持株会を通じて多くの従業員が株式を保有することで、安定株主を確保することができます。これにより、企業の経営が安定する効果が期待できます。

6、従業員の離職率低下
従業員持株会制度を導入している企業は、従業員の離職率が低い傾向にあります。これは、従業員が企業の株式を保有することで、会社に対する愛着が高まるためと考えられます。

デメリット

1、換金が制限される 
従業員持株会で購入した株式は、一定期間換金が制限されます。この期間は会社によって異なりますが、通常1年~5年程度です。この期間は、インサイダー情報が古くなり、市場に公開されるまでの期間を想定しています。
※従業員持株会で購入した株式は、割引価格で購入できるため、インサイダー情報に基づいて安く購入し、その後高値で売却するということが考えられるので制限期間を設けています。
(インサイダー取引の防止措置)

2. 売却手続きの手間
売却する際、手続きに時間がかかるため好きなタイミングで資産の引き出しができません。具体的には、以下の手順が必要です。(約1ヶ月ほど要する)

  • 売却の申し込み : 従業員持株会事務局に、売却の申し込みを行う必要があります。
  • 株式の振替 : 証券会社を通じて、自社株を証券口座に振替える必要があります。
  • 売却注文 : 証券会社を通じて、売却注文を出す必要があります。
  • 売却代金の受け取り : 株式の売却代金は、証券口座に入金されます。

上記の手続きには、それぞれ数日~1週間程度の日数がかかります。