工場用語辞典

焼成 【よみ】 しょうせい 【英語】 firing

焼成とは、土や粉などの材料を高い温度で加熱して、形をしっかり固めたり、性質を変えたりする作業のことです。主に陶器やレンガ、セラミックなどを作るときに使われます。たとえば、粘土をこねて形を作っただけでは、まだ柔らかくて使えませんが、焼成を行うことで固くなり、壊れにくくなります。

この焼成という工程は、昔から人類のものづくりに欠かせない技術でした。今日でも、食器やタイル、電子機器の部品など、身の回りのたくさんのものが焼成によって作られています。

焼成の目的

焼成には、大きく分けて3つの目的があります。

1つ目は、材料を硬くすることです。たとえば、陶器を作るとき、粘土を焼くと水分が飛んで、粒子がぎゅっとくっつき、カチカチに固まります。

2つ目は、材料の性質を変えることです。加熱することで、粘土の中にある成分が化学反応を起こし、より丈夫で、水を通さないような性質になります。

3つ目は、見た目をよくすることです。器などに「釉薬(ゆうやく)」とよばれるガラスのような液体をかけて焼くと、ツヤのあるきれいな表面になります。色も変わるので、芸術的な作品を作るときにも焼成はとても大切です。

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焼成の種類

焼成の方法には、いくつか種類があります。材料や作るものによって使い分けます。

酸化焼成と還元焼成(かんげんしょうせい)

酸化焼成は、空気(酸素)がたくさんある中で焼く方法です。明るい色の作品になりやすく、安定した焼き上がりになります。

一方、還元焼成は、空気を少なくして焼く方法です。炎の中に炭素が多くなり、色が深くなったり、特別な模様が出たりします。陶芸作品などでよく使われます。

一回焼成と二回焼成

一回焼成は、成形から釉薬まで一度に焼いて完成させる方法です。時間が短くて済みますが、温度調整が難しいという点もあります。

二回焼成は、まず「素焼き」といって低めの温度で一度焼きます。その後に釉薬をかけて、もう一度高温で焼いて仕上げます。こちらの方がきれいに仕上がりやすく、多くの陶芸で使われています。

焼成で変わること

焼成によって、材料は大きく変わります。

たとえば、粘土はもともと水を吸いやすいですが、焼くことで水をはじく性質に変わります。また、重ねて焼くことで、色や模様もさまざまに変化します。これにより、実用品としての強さだけでなく、美しさも手に入れることができます。