工場用語辞典
書面の保存期間 【よみ】 しょめんのほぞんきかん 【英語】 document retention period
会社文書関連書類には法律で定められた保存しておかなければならない期間があります。
書面の保存期間とは?
書面の保存期間とは、法律や社内規定などによって定められた、作成または受領した書面(書類、帳簿、電磁的記録を含む)を一定期間保管しておかなければならない期間のことです。この期間は、書面の種類やその内容、関連する法律によって異なり、数年から永久にわたるものまで存在します。
企業や個人が日々の活動を行う中で作成・受領する様々な書面には、法的な義務や証拠としての役割があります。そのため、必要な期間、適切に書面を保管しておくことは、法令遵守はもちろんのこと、後々のトラブルを避けるためにも非常に重要です。
単に紙の書類だけでなく、近年では電子データとして作成・保存される書面も増えていますが、これらの電子データにも同様に保存期間が定められています。電子帳簿保存法のように、電子データでの保存方法が規定されている場合もあります。
書面の保存期間が定められる理由
なぜ、様々な書面に保存期間が定められているのでしょうか。主な理由としては、以下の点が挙げられます。
法令遵守
多くの法律では、特定の帳簿や書類について、作成・保管義務とその期間が明記されています。例えば、会社法、税法(法人税法、所得税法、消費税法など)、労働基準法、建設業法、宅地建物取引業法など、多岐にわたる法律で保存期間が定められています。これらの法律に違反した場合、罰則が科せられる可能性があります。
証拠としての必要性
取引や契約の内容、会計処理の記録など、過去の事実を証明するために書面が必要となる場合があります。訴訟や税務調査など、万が一の事態が発生した際に、適切な書面が保管されていれば、有力な証拠となり、自身の主張を裏付けることができます。保存期間を経過してしまうと、これらの証拠としての価値を失ってしまう可能性があります。
業務の効率化と内部統制
過去の記録が適切に保管されていることで、業務の経緯や意思決定の過程を遡って確認することができます。これは、業務の改善や効率化、内部統制の強化に繋がります。必要な時に必要な情報にアクセスできることは、スムーズな業務遂行の基盤となります。
消費者保護
製品の安全性に関する記録や、契約内容に関する書面などが適切に保管されていることは、万が一の製品事故や消費者とのトラブルが発生した際に、原因究明や責任の所在を明らかにする上で重要となります。これは、消費者を保護する観点からも重要な意味を持ちます。
主要な書面の保存期間の例と注意点
様々な種類の書面がありますが、ここでは代表的な書面の保存期間の例と、保存期間に関する注意点について解説します。
主要な書面の保存期間の例
- 会社法関連:
- 会計帳簿および事業に関する重要な書類:10年間
- 株主総会議事録:10年間
- 取締役会議事録:10年間
- 税法関連:
- 帳簿書類(総勘定元帳、仕訳帳など):原則7年間(繰越欠損金が生じた事業年度は10年間)
- 請求書、領収書、契約書など:原則7年間
- 労働基準法関連:
- 労働者名簿、賃金台帳、出勤簿:5年間(当分の間は3年間)
- 雇用契約書、解雇予告関係書類:5年間
- 建設業法関連:
- 請負契約に関する注文書、請書、見積書など:5年間
- 施工体制台帳、安全衛生に関する記録:5年間
- 宅地建物取引業法関連:
- 媒介契約書、重要事項説明書、売買契約書など:5年間
保存期間に関する注意点
- 法律改正への注意: 書面の保存期間は、法律の改正によって変更されることがあります。常に最新の情報を確認するようにしましょう。
- 起算日の確認: 保存期間の起算日は、書面の種類によって異なります。一般的には、作成日や取引日、事業年度の末日などが起算日となります。
- 電子データの保存: 電子データで書面を保存する場合は、電子帳簿保存法などの関連法規を遵守し、データの改ざん防止措置や検索性の確保など、適切な保存方法を採用する必要があります。
- 社内規定の確認: 法律で定められた期間よりも長く保存することが社内規定で定められている場合もあります。自社の規定を確認しましょう。
- 重要書類の長期保存: 法的な保存期間が過ぎたとしても、重要な契約書や権利関係を示す書類などは、念のため長期間保存しておくことが望ましい場合があります。
- 廃棄時の注意: 保存期間が満了した書面を廃棄する際には、機密情報が含まれている場合は、シュレッダー処理や溶解処理など、適切な方法で廃棄する必要があります。
