工場用語辞典

直送品 【よみ】 ちょくそうひん 【英語】 Direct shipment

物流や流通業、小売業において使われる「直送品」という言葉は、商品管理や配送の仕組みを理解するうえで非常に重要です。直送品とは、商品が販売業者を経由せず、メーカーや仕入先などの出荷元から直接、顧客や納品先に配送される商品のことを指します。これは、在庫管理の効率化やリードタイム(納期)の短縮を目的として導入されることが多く、近年ではECサイトなどでも一般的な配送形態となっています。

直送品の仕組みと特徴

中間在庫を持たない配送形態

通常の流通では、商品は一度、小売業者や販売会社の倉庫に納入され、そこからエンドユーザーへ配送されるのが一般的です。しかし、直送品の場合、販売者が注文を受けた後、メーカーや卸売業者が商品を直接、購入者のもとへ出荷します。販売者は実際には商品を保有していない、いわば「仲介」だけを行っている形です。

このような仕組みは、**ドロップシッピング(drop shipping)**とも呼ばれ、在庫を抱えるリスクを軽減できるため、特にネット通販やカタログ販売などでよく活用されています。

販売者にとってのメリット

直送品の主なメリットは以下の通りです:

  • 在庫リスクの軽減:販売者は在庫を持たないため、売れ残りや保管コストのリスクがなくなる。
  • コスト削減:倉庫運営や物流管理にかかる費用が削減できる。
  • 納期短縮:メーカーから直接出荷されるため、配送時間が短縮される可能性がある。

特に商品の種類が多く、需要が予測しにくい商材(家具、家電、アパレルなど)では、この方式が有効に機能します。

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直送品のデメリットと課題

品質管理と顧客対応の難しさ

直送品には多くの利点がある一方で、次のような課題もあります:

  • 品質・納期のコントロールが難しい:販売者が実物を確認することなく出荷されるため、不良品や誤配送が発生するリスクがあります。また、メーカーや仕入先の都合で配送が遅れることもあります。
  • 返品対応が煩雑:購入者が商品に問題を感じた場合、返品や交換の処理が販売者にとって複雑になることがあります。仕入先やメーカーと連携しながら対応しなければなりません。
  • ブランド管理の難化:直送品は複数のメーカーや物流会社が関与するため、梱包や配送品質が一貫せず、ブランドイメージに影響することがあります。

販売者はこうしたリスクを認識し、信頼できる仕入先と提携したり、品質管理の仕組みを整備する必要があります。

具体的な直送品の事例

ECサイトにおける直送

たとえば、Amazonマーケットプレイスでは、出品者が自社で在庫を持たず、注文が入った時点でメーカーやサプライヤーに依頼し、商品を直接購入者に発送させることが一般的です。これも直送品の典型例で、特に小規模な出品者が低コストで商売を始められる仕組みとして普及しています。

また、家具店のオンライン販売では、ソファやベッドなどの大型商品が、販売会社を経由せずに、製造工場から顧客宅に直接配送されるケースも多く見られます。この場合、商品が大きいため倉庫に保管するスペースを取らずに済み、物流コストの大幅な削減にもつながります。

BtoB(企業間取引)における直送

業務用機器や建材なども、商社を通さず、メーカーから建設現場や工場に直接配送されるケースが多くあります。これにより納期の短縮や運搬手間の削減が実現され、効率的な取引が可能になります。