工場用語辞典

直接材 【よみ】 ちょくせつざい 【英語】 direct materia

企業が製品を製造する際に使用する原材料には、「直接材」と「間接材」という区別があります。直接材とは、製品の一部として最終的に組み込まれる材料であり、その使用量やコストを個別に追跡することが可能なものを指します。製造原価の中でも、材料費の中心を占める重要な要素です。本記事では、直接材の定義、特徴、具体例、そして間接材との違いについて詳しく解説します。

直接材の定義と特徴

製品の構成要素としての材料

直接材(direct materials)とは、最終製品に物理的に組み込まれる材料や部品のことです。製造現場では、これらの材料が何個使用され、いくらのコストがかかったかを明確に把握できます。そのため、製品ごとの製造原価を算出する際に、直接材のコストは個別に計上されます。

たとえば、自動車メーカーが車を製造する際に使用する「タイヤ」「エンジン」「ガラス」などは、そのまま製品に組み込まれ、最終製品の一部になります。これらは明確に数量や価格が管理できるため、直接材とされます。

原価計算との関係

直接材は、「製品原価三要素」のひとつである「材料費」に含まれます。製品原価三要素とは、①材料費、②労務費、③経費を指し、この中で直接材は材料費の中核を担います。正確な原価管理や利益計算を行うためには、直接材コストの把握が不可欠です。

間接材との違い

製品に直接関与しない材料

対義語として「間接材」があります。間接材とは、製品の一部とはならないが、製造過程で必要とされる材料を指します。たとえば、「潤滑油」「清掃用の洗剤」「工具の消耗品」などは、製造工程で使われるものの、製品に含まれないため間接材に分類されます。

管理方法の違い

直接材は数量やコストが個別に管理されるのに対し、間接材は一括して管理されることが多く、コスト配賦という形で間接費として処理されます。このため、直接材は原価計算上も製品単位で詳細に追跡可能なのに対し、間接材は全体費用の中で処理される点に違いがあります。

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具体的な例と業界ごとの違い

製造業における具体例

  • 家具製造業:木材、釘、ねじ、塗料などのうち、木材やねじは製品に直接組み込まれるため直接材です。一方、塗装に使用するブラシや養生テープは間接材になります。
  • アパレル業:シャツの製造であれば、生地、ボタン、糸などは製品の構成要素であり、すべて直接材です。

飲食業や建設業では?

製造業以外にも直接材は存在します。たとえば飲食業であれば、料理に使用する食材(肉、野菜、調味料など)が直接材にあたります。建設業では、建物に使う木材、コンクリート、鉄骨などが直接材です。いずれの業界でも「最終成果物に物理的に含まれるかどうか」が判断基準となります。