工場用語辞典
デバイス 【よみ】 でばいす 【英語】 device
一般的に「装置」や「機器」などを意味する言葉で、特定の目的を達成するために設計された道具のことを指します。特に現代では、電子機器や情報機器に関連して使われることが多く、コンピュータやスマートフォン、家電製品、医療機器などに組み込まれた電子的な構成要素や装置のことを「デバイス」と呼びます。
デバイスという言葉は、幅広い分野で用いられます。たとえば、ITの分野では「入力デバイス」「出力デバイス」「記憶デバイス」「ネットワークデバイス」など、用途や機能に応じて分類されます。一方、医療や工学の分野でも、治療や測定に用いる機器を「医療デバイス」「計測デバイス」と呼ぶことがあります。
コンピュータ分野におけるデバイスの分類
入力デバイス
入力デバイスとは、人間からの情報をコンピュータに伝える役割を持つ装置です。たとえば、パソコンに文字を入力する「キーボード」や、画面上のカーソルを操作する「マウス」があります。また、スマートフォンやタブレットに搭載されている「タッチパネル」も入力デバイスの一種です。最近では、音声を認識して命令を伝える「マイクロフォン」や「音声認識装置」も重要な入力手段となっています。
主な入力デバイスの例:
- キーボード
- マウス
- タッチパネル
- マイク
- スキャナー
- ゲームコントローラー
出力デバイス
出力デバイスは、コンピュータが処理した情報を人間に伝えるための装置です。もっとも一般的なのは「ディスプレイ(モニター)」で、映像や文字を表示する役割を担っています。また、「プリンター」は文書や画像を紙に出力するための装置であり、企業や学校などで広く利用されています。「スピーカー」は音声データを再生する出力装置であり、音楽や音声案内などの形で情報を提供します。
主な出力デバイスの例:
- ディスプレイ(モニター)
- プリンター
- スピーカー
- プロジェクター
記憶装置(ストレージデバイス)
記憶装置は、データやプログラムを保存・保持するためのデバイスです。コンピュータ本体に内蔵されている「ハードディスクドライブ(HDD)」や「ソリッドステートドライブ(SSD)」が代表例です。また、持ち運びが可能な「USBメモリ」や「SDカード」も記憶装置の一種で、データのやり取りに使われます。クラウドと連携して動作する記憶デバイスも増えており、ユーザーの利便性が高まっています。
主な記憶装置の例:
- HDD(ハードディスクドライブ)
- SSD(ソリッドステートドライブ)
- USBメモリ
- SDカード
- 外付けハードディスク
通信デバイス(ネットワークデバイス)
通信デバイスは、コンピュータやスマートフォンなどの機器が他の機器やインターネットと接続してデータをやり取りするための装置です。家庭やオフィスでよく使われる「ルーター」や「モデム」は、インターネット接続に欠かせない機器です。また、「Wi-Fiアダプター」や「Bluetoothモジュール」など、無線通信を行うためのデバイスも重要です。
主な通信デバイスの例:
- ルーター
- モデム
- LANカード
- Wi-Fiアダプター
- Bluetoothモジュール
デバイスの身近な例と社会への影響
私たちの身の回りには、数多くのデバイスが存在しています。例えば、スマートフォンは、カメラ(入力デバイス)、タッチスクリーン(入力・出力を兼ねる)、スピーカー、マイク、GPSセンサー、加速度センサーなど、さまざまなデバイスが集約された複合的な装置です。これらのデバイスが連携することで、通話、撮影、位置情報の取得、音声アシスタント機能など多くのサービスが実現されています。
また、医療の現場でも「デバイス」の活躍は目覚ましいものがあります。例えば、心拍数や血圧を常にモニタリングする「生体センサー」や、患者の状態を記録する「電子カルテ端末」などは、いずれも医療用デバイスの一種です。こうした装置は診断の精度向上や、迅速な治療判断に貢献しています。
今後は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)と連携したスマートデバイスがより多く普及することで、家庭、産業、医療、教育などあらゆる分野においてさらなる利便性と効率化が期待されています。たとえば、スマートスピーカーは家庭内の照明やエアコンを音声で制御できるようになり、生活の質の向上に寄与しています。
