工場用語辞典

デザイン・イン 【よみ】 でざいん・いん 【英語】 design in

製品やシステムの開発初期段階において、特定の部品・材料・ソリューションを設計に組み込んでもらう営業・技術支援活動を指します。特に電子部品業界や材料メーカーでよく使われる用語で、顧客の設計段階から関与し、自社製品の採用を目指す戦略です。

このプロセスに成功すれば、量産に至るまで継続的な採用・供給が見込めるため、企業にとって非常に重要なビジネス活動といえます。

デザイン・インと従来型営業の違い

従来の営業活動では、「顧客が必要とする部品を提案・納品する」ことが中心でした。これに対し、デザイン・インは顧客の製品開発段階から深く関与する点が大きく異なります。

項目従来の営業デザイン・イン
関与のタイミング購買・調達段階設計仕様への組み込み
アプローチ見積・納品中心技術提案・共同開発型
ゴール受注・納品設計・開発初期

設計段階で部品が採用されれば、その後の変更は難しく、**長期的な採用(ロックイン)**につながる可能性が高くなります。

デザイン・インの対象となる製品

デザイン・インは特に次のような分野・製品で多く見られます。

  • 電子部品(IC、センサー、コネクタなど)
  • 半導体製品(マイコン、パワーデバイスなど)
  • 材料・素材(高性能樹脂、フィルムなど)
  • 精密部品(モーター、光学素子、レンズなど)
  • ソフトウェア開発ツール(SDK、API、ミドルウェアなど)

これらは製品の性能・品質に大きく影響するため、設計者が慎重に選定します。デザイン・インに成功すれば、他社製品に置き換えられにくくなるのが大きなメリットです。

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デザイン・イン活動の流れ

デザイン・インは、単なる営業活動ではなく、技術提案・課題解決・サンプル評価・カスタマイズなどを含む総合的なプロセスです。おおまかな流れは以下のとおりです。

  1. ターゲット選定
    顧客やプロジェクトの情報収集。新製品や新規案件を見極める。
  2. 課題の把握とヒアリング
    顧客の技術的課題や要件(サイズ・性能・コスト)を理解する。
  3. 提案・サンプル提供
    自社の最適な製品・技術を提案し、サンプルや技術資料を提供。
  4. 技術サポート・評価支援
    実装テストや性能評価を支援し、顧客設計者と課題を解決。
  5. 設計仕様への組み込み(デザイン・イン完了)
    顧客が開発中の製品設計に正式採用することで、デザイン・インが完了。
  6. 量産・供給段階(デザイン・ウィン)
    採用された部品が量産で使用され、安定した供給・売上につながる。

デザイン・インのメリット

1. 長期的な安定受注につながる

設計段階で採用された部品は、製品ライフサイクル中ほとんど変更されません。そのため、長期にわたる受注と継続的な売上が期待できます。

2. 高付加価値で差別化が可能

単なる価格勝負ではなく、技術力・サポート力で採用を勝ち取るため、利益率の高いビジネスが可能になります。

3. 顧客との関係強化

技術者同士の協力を通じて、深い信頼関係や情報共有の基盤が築けます。

デザイン・インの課題と成功のカギ

デザイン・インには専門的な知識と長期的な視点が求められます。

・技術力と提案力の強化

設計者と対等に会話できる技術営業(FAE)やアプリケーションエンジニアの育成が重要です。

・案件発掘の情報力

どの顧客がいつ開発を始めるか、タイミングを逃さずキャッチする情報網が不可欠です。

・継続的なフォロー体制

設計反映後も、部品変更や不具合対応への素早いフォローが信頼につながります。