工場用語辞典

税関の事後調査 【よみ】 ぜいかんのじごちょうさ 【英語】 Customs post-investigation

法令に沿った申告をしているのか?]

課税価格や率は間違っていないか?

などを税関職員が事業所に訪問して、関係する帳簿や書類などの確認を行い指導をします。

輸入者が輸入申告を行い、貨物が税関を通過し、関税や消費税などの納税が完了した後に行われる税関による調査のことです。輸入申告時に提出された書類や申告内容が、実際の取引や会計記録と合致しているか、また関税関係法令が正しく適用されているかを、企業を訪問するなどして確認する監査(税務調査)の一種です。

これは、輸入申告時の水際検査(現物検査や書類審査)だけでは確認しきれない、より詳細な情報や複雑な取引内容を検証するために行われます。特に、通関手続きの迅速化が進む現代において、水際で全てをチェックすることは物理的に困難であり、輸入者の自己申告と事後調査による確認という二段階の仕組みが、国際貿易の円滑化と適正な課税の両立を図る上で非常に重要な役割を担っています。

事後調査の目的と対象

税関の事後調査の主な目的は、輸入申告の適正性を検証し、適正な関税・消費税の徴収を確保することにあります。具体的には、以下の項目に焦点が当てられます。

  • 課税価格の適正性: 貨物の輸入申告価格(課税価格)が、関税評価に関する法令に基づき適正に算出されているかを確認します。例えば、特殊関係者間取引における価格調整、ロイヤルティやデザイン料などの加算要素の有無、仕入れ割引やリベートの処理などが詳細に scrutinize されます。
  • 品目分類(HSコード)の適正性: 輸入された貨物の品目分類(HSコード)が正しく適用されているかを確認します。HSコードの適用ミスは、関税率の誤りや、輸出入規制の誤適用につながる可能性があります。
  • 原産地の適正性: 関税の軽減・免除措置が適用される特恵関税制度を利用している場合など、申告された原産地が実際の規則に基づいて適正であるかを検証します。
  • 減免税制度の適用要件: 特定の用途に供される貨物など、関税の減免税制度を利用している場合、その適用要件が満たされているかを確認します。

事後調査の対象となる企業は、特定の業種や取引形態に偏るわけではなく、無作為抽出、あるいは過去の申告履歴や情報分析によりリスクが高いと判断された企業が選定されます。申告件数の多い企業、高額な関税・消費税を申告している企業、特殊な取引を行っている企業などが対象となる傾向があります。

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事後調査の流れと対応

税関の事後調査は、一般的に以下のような流れで進められます。

事前通知: まず、税関から企業に対して、事後調査を実施する旨の事前通知が行われます。この通知には、調査の目的、期間、準備してほしい資料などが記載されています。

資料準備・事前説明: 企業は、通知された内容に基づき、輸入申告関連書類(輸入許可通知書、インボイス、船荷証券など)、会計帳簿、契約書、価格決定に関する資料などを準備します。必要に応じて、事前に税関担当者と打ち合わせを行い、疑問点の解消や調査の進め方を確認することもあります。

実地調査: 税関職員が企業を訪問し、提出された資料を精査するとともに、担当者へのヒアリングを通じて、取引の実態や会計処理、社内体制などを確認します。必要に応じて、工場や倉庫の視察が行われることもあります。

結果通知・処分: 調査の結果、申告漏れや過誤が判明した場合には、追徴税額や過少申告加算税、重加算税などの行政処分が課されることがあります。場合によっては、関税法違反として告発される可能性もあります。一方で、調査の結果、問題がなかった場合には、その旨が通知されます。

企業としては、事後調査への対応として、日頃から正確な記帳と関連書類の整理を徹底することが最も重要です。また、税関からの通知があった際には、速やかに専門家(税理士や通関士)に相談し、適切な対応を行うことが望ましいです。誠実かつ協力的な姿勢で調査に臨むことが、スムーズな調査と早期解決に繋がります。