工場用語辞典
緩衝材 【よみ】 かんしょうざい 【英語】 cushioning material
緩衝材とは、外部からの衝撃や振動を和らげ、内部の品物を保護するために使用される材料の総称です。壊れやすい物や精密機械などを輸送する際、梱包材として欠かせない存在です。
緩衝材の役割
緩衝材の主な役割は以下の3点です。
- 衝撃吸収: 外部からの衝撃を吸収し、内部の品物に伝わる力を軽減します。
- 振動減衰: 輸送中の振動を吸収し、品物の揺れを抑えます。
- 隙間埋め: 梱包箱と品物の間の隙間を埋め、品物の動きを制限します。
緩衝材の種類
緩衝材には様々な種類があり、素材や形状、用途によって使い分けられます。代表的な種類とその特徴を以下に紹介します。
1. 気泡緩衝材(プチプチ)
- ポリエチレン製のシートに空気を閉じ込めたもので、軽量で柔軟性があり、様々な形状の品物に対応できます。
- 衝撃吸収性に優れており、割れ物や精密機械の梱包によく使用されます。
- 一般的な緩衝材として広く普及しており、手軽に入手できるのも特徴です。
2. 発泡スチロール
- ポリスチレン樹脂を発泡させたもので、軽量で加工しやすく、様々な形状に成形できます。
- 衝撃吸収性、断熱性に優れており、家電製品や食品の梱包によく使用されます。
- 比較的安価に入手できるのも魅力です。
3. ウレタンフォーム
- ポリウレタン樹脂を発泡させたもので、柔軟性があり、形状に合わせてフィットします。
- 衝撃吸収性、振動減衰性に優れており、精密機械や家具の梱包によく使用されます。
- 耐久性があり、繰り返し使用できるのも特徴です。
4. 紙緩衝材
- 紙を加工したもので、環境に優しく、リサイクル可能です。
- 紙パッキン、段ボールシート、クラフト紙など、様々な種類があります。
- 軽量でかさばらず、小物や雑貨の梱包によく使用されます。
5. その他
- エアークッション:空気を注入した袋状の緩衝材で、衝撃吸収性に優れています。
- ミラーマット:ポリエチレン製のシートで、表面に凹凸があり、滑り止め効果があります。
- 不織布:繊維を織らずに絡み合わせたシートで、柔らかく、傷つきやすい品物の保護に適しています。
緩衝材の選び方
適切な緩衝材を選ぶためには、以下の点を考慮する必要があります。
- 梱包する品物の種類: 割れ物、精密機械、家具など、品物の種類によって必要な緩衝材は異なります。
- 品物のサイズ・重量: 品物のサイズや重量に合わせて、適切な大きさや厚さの緩衝材を選ぶ必要があります。
- 輸送方法: 輸送距離や輸送手段によって、必要な緩衝強度や梱包方法が変わります。
- 環境への配慮: リサイクル可能な素材や、繰り返し使用できる緩衝材を選ぶことも重要です。
- コスト: 緩衝材の種類によって価格が異なるため、予算に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
緩衝材の使い方
緩衝材の効果を最大限に引き出すためには、以下の点に注意して使用する必要があります。
- 品物を包む: 品物を気泡緩衝材やウレタンフォームなどで包み、衝撃から保護します。
- 隙間を埋める: 梱包箱と品物の間の隙間を紙パッキンやエアークッションなどで埋め、品物の動きを制限します。
- 固定する: 必要に応じて、品物を紐やテープなどで固定し、輸送中に動かないようにします。
- 外装を強化する: 梱包箱を段ボールシートやテープなどで補強し、外部からの衝撃に強くします。