工場用語辞典

制御盤 【よみ】 せいぎょばん 【英語】 control panel

機械、設備、プロセスなどを自動的または手動で制御・監視するために必要な電気機器や電子機器を集約し、保護する箱状の設備です。工場やビル、公共施設など、様々な場所で私たちの生活を支える不可欠な存在と言えます。

制御盤の主要な役割

制御盤の主な役割は以下の通りです。

  • 集中制御・監視: 複数の機器やプロセスを一つの場所で集中管理し、オペレーターが効率的に操作・監視できるようにします。
  • 安全確保: 機器の誤動作や異常状態を検知し、安全に停止させたり、警報を発したりすることで、人身事故や設備損傷のリスクを低減します。
  • 安定稼働: 機器の状態を常時監視し、異常が発生する前に適切な制御を行うことで、システムの安定稼働を維持します。
  • 配線保護: 内部の電気配線や機器を外部の物理的衝撃、埃、湿気などから保護し、故障を防ぎます。
  • メンテナンス性向上: 機器が整理されて配置されているため、点検や修理作業を効率的に行うことができます。

制御盤の構成要素

一般的な制御盤は、以下のような要素で構成されています。

  • 筐体(きょうたい): 内部の機器を保護する金属製または樹脂製の箱。防塵、防水、防爆などの機能を持つものもあります。
  • 操作・表示機器: スイッチ、ボタン、ランプ、表示灯、タッチパネル、メーターなど、オペレーターが機器を操作したり、状態を確認したりするための機器。
  • 制御機器: シーケンサ(PLC:Programmable Logic Controller)、リレー、タイマー、カウンター、インバータ、サーボアンプなど、機器の動作を制御するための主要な機器。
  • 保護機器: ブレーカー、ヒューズ、漏電遮断器など、過電流や短絡などから回路や機器を保護するための機器。
  • 端子台: 外部からの配線や内部の機器間の配線を接続するための部品。
  • 配線材: 機器間の電気信号や電力を伝達するためのケーブルや電線。
  • 冷却装置: 内部の発熱機器を冷却するためのファンやエアコンなど。特に大型の制御盤や発熱量の大きい機器を収容する場合に必要となります。

制御盤の種類と応用例

制御盤は、その用途や規模によって多種多様な種類があります。

  • 動力制御盤: モーターなどの動力源を制御する盤。ポンプ、ファン、コンベアなどの駆動制御に用いられます。
  • 監視制御盤: 各種センサーからの情報を集約し、プロセス全体を監視・制御する盤。生産ラインの自動化などに用いられます。
  • 分電盤: 受電した電力を各機器に分配する盤。ビルや工場などの電力供給の要となります。
  • 計装盤: 温度、圧力、流量などのプロセス量を計測し、制御するための盤。化学プラントなどで用いられます。
  • 操作盤: オペレーターが直接機器を操作するための盤。機械の前面などに設置されます。