工場用語辞典

コンバイン 【よみ】 こんばいん 【英語】 combine

コンバインとは:穀物収穫を一台で完結させる革新的機械

コンバインは、穀物の収穫(刈り取り)、脱穀、選別という、かつては別々の作業だった工程を一台の機械で連続して行うことができる、非常に効率的な農業機械です。「結合する」という意味の英語「combine」が示す通り、複数の機能を統合することで、収穫作業の大幅な省力化と時間短縮を実現し、現代農業において不可欠な存在となっています。

コンバインの基本的な仕組みと種類

コンバインは、圃場を走行しながら、まず刈取部で穀物の茎を刈り取ります。刈り取られた作物は輸送部を通って機体内部へと送られ、脱穀部で穀粒が茎や葉から分離されます。その後、選別部で穀粒と藁くずなどの不要物が選り分けられ、きれいになった穀粒は穀粒処理部のグレンタンクに貯蔵されたり、排出オーガを通じて機外へ排出されたりします。脱穀後の藁は、排藁処理部で細かく切断されて圃場に散布されるか、ベーラーで梱包されるなどして処理されます。

コンバインは、収穫する作物の種類や作業方法によっていくつかの種類に分類されます。日本で主流の自脱型コンバインは、主に稲や麦の穂先のみを刈り取り脱穀・選別を行うため、湿田での作業に適しており、穀粒へのダメージが少ないのが特徴です。一方、欧米で広く用いられる普通型コンバインは、作物の全茎を刈り取り、麦、大豆、トウモロコシなど、多様な穀物の収穫に対応できる汎用性を持っています。

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コンバインの導入効果と今後の展望

コンバインの導入は、労働力不足の解消作業時間の短縮、そして収穫効率の向上に大きく貢献します。特に大規模な穀物栽培においては、コンバインなしでは効率的な収穫は困難と言えるでしょう。近年では、GPSを利用した自動操舵システムや、収穫量や水分含有率をリアルタイムに計測する機能、さらにはICTを活用したデータ管理システムなど、最新技術が搭載された高機能なコンバインが登場しています。

今後の展望としては、さらなる自動化・無人化スマート農業との連携環境への配慮、そして多様な作物への対応などが挙げられます。AIやIoT技術の進展により、より精密で効率的な収穫作業が実現し、持続可能な農業の発展に貢献することが期待されています。コンバインは、これからも農業の未来を拓く重要な役割を担い続けるでしょう。