工場用語辞典
チップ抵抗器 【よみ】 チップ抵抗器 【英語】 chip resistor
表面実装(SMD)方式で基板に直接取り付けられる小型・長方形の抵抗器です。一般的なリード付きの抵抗と同じく、電流を制限したり、電圧を分圧したり、信号の調整や安定化などの目的で電子回路内に使用されます。
電子回路では、抵抗器はもっとも基本的で重要な受動部品です。中でもチップ抵抗器は、非常に小型で量産に向いており、スマートフォン、PC、自動車、医療機器など、ほぼすべての電子機器に組み込まれています。
チップ抵抗器の構造と種類
1. 構造
チップ抵抗器は、セラミック基板の上に抵抗体(炭素系や金属皮膜)を塗布し、両端に電極を設けた構造になっています。これに保護膜を重ねて外気から守り、はんだ付けに適した金属端子で外部と接続します。
見た目は小さな茶色や黒の長方形で、表面に数値(抵抗値)が3桁または4桁のコードで表示されていることがあります(例:103=10kΩ)。
2. サイズと形状
チップ抵抗器にはさまざまなサイズがあります。たとえば次のような規格です:
| 表示(JIS) | 寸法(mm) | 用途例 |
| 1608 | 1.6×0.8 | 一般的な電子機器 |
| 1005 | 1.0×0.5 | 小型モバイル機器 |
| 0603 | 0.6×0.3 | 超小型器機、IoT |
サイズが小さいほど、実装密度が高くできる一方で、手作業では取り扱いにくくなります。
3. 抵抗値と許容誤差
チップ抵抗器には以下のような特性があります:
- 抵抗値:数Ω〜数MΩまで幅広い範囲から選択可能
- 定格電力:通常は1/16W〜1/4W程度
- 許容誤差:±0.1%、±1%、±5%などの種類があり、用途に応じて選びます
チップ抵抗器の使用例とメリット・注意点
1. 使用例:LEDの電流制限
たとえば、3.3Vの電源からLEDを点灯させる回路で、LEDの順方向電圧が2.0V、定格電流が20mAの場合、必要な抵抗値は次のように求められます。
抵抗値 = (3.3V – 2.0V) ÷ 0.02A = 65Ω
この場合、68Ωのチップ抵抗器を1個使えば、LEDが適正に光るように電流を制限できます。
また、マイコン回路では、プルアップ抵抗や電圧の分圧回路、信号ラインの終端処理など、抵抗器はさまざまな役割で頻繁に登場します。
2. メリット
- 小型・軽量で高密度実装が可能:スマートフォンやIoT機器に最適
- 自動実装に対応し、量産性に優れる
- 機械的に丈夫で信頼性が高い
- 種類・規格が豊富で、設計の自由度が高い
3. 注意点
- サイズが小さく取り扱いが難しい:手ではんだ付けするにはスキルが必要
- 過電流・過熱に弱い:定格を超えると容易に破損する
- 識別が難しい場合がある:小さなサイズのものは数字が印刷されていないことも
