工場用語辞典

チップ抵抗器 【よみ】 チップ抵抗器 【英語】 chip resistor

表面実装(SMD)方式で基板に直接取り付けられる小型・長方形の抵抗器です。一般的なリード付きの抵抗と同じく、電流を制限したり、電圧を分圧したり、信号の調整や安定化などの目的で電子回路内に使用されます。

電子回路では、抵抗器はもっとも基本的で重要な受動部品です。中でもチップ抵抗器は、非常に小型で量産に向いており、スマートフォン、PC、自動車、医療機器など、ほぼすべての電子機器に組み込まれています。

チップ抵抗器の構造と種類

1. 構造

チップ抵抗器は、セラミック基板の上に抵抗体(炭素系や金属皮膜)を塗布し、両端に電極を設けた構造になっています。これに保護膜を重ねて外気から守り、はんだ付けに適した金属端子で外部と接続します。

見た目は小さな茶色や黒の長方形で、表面に数値(抵抗値)が3桁または4桁のコードで表示されていることがあります(例:103=10kΩ)。

2. サイズと形状

チップ抵抗器にはさまざまなサイズがあります。たとえば次のような規格です:

表示(JIS寸法(mm)用途例
16081.6×0.8一般的な電子機器
10051.0×0.5小型モバイル機器
06030.6×0.3超小型器機、IoT

サイズが小さいほど、実装密度が高くできる一方で、手作業では取り扱いにくくなります。

3. 抵抗値と許容誤差

チップ抵抗器には以下のような特性があります:

  • 抵抗値:数Ω〜数MΩまで幅広い範囲から選択可能
  • 定格電力:通常は1/16W〜1/4W程度
  • 許容誤差:±0.1%、±1%、±5%などの種類があり、用途に応じて選びます
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チップ抵抗器の使用例とメリット・注意点

1. 使用例:LEDの電流制限

たとえば、3.3Vの電源からLEDを点灯させる回路で、LEDの順方向電圧が2.0V、定格電流が20mAの場合、必要な抵抗値は次のように求められます。

抵抗値 = (3.3V – 2.0V) ÷ 0.02A = 65Ω

この場合、68Ωのチップ抵抗器を1個使えば、LEDが適正に光るように電流を制限できます。

また、マイコン回路では、プルアップ抵抗や電圧の分圧回路、信号ラインの終端処理など、抵抗器はさまざまな役割で頻繁に登場します。

2. メリット

  • 小型・軽量で高密度実装が可能:スマートフォンやIoT機器に最適
  • 自動実装に対応し、量産性に優れる
  • 機械的に丈夫で信頼性が高い
  • 種類・規格が豊富で、設計の自由度が高い

3. 注意点

  • サイズが小さく取り扱いが難しい:手ではんだ付けするにはスキルが必要
  • 過電流・過熱に弱い:定格を超えると容易に破損する
  • 識別が難しい場合がある:小さなサイズのものは数字が印刷されていないことも