工場用語辞典
バリ 【よみ】 ばり 【英語】 Bari
金属やプラスチックなどの部品を加工する際に、切削・成形・打ち抜きなどの工程で意図せずに発生する余分な突起やギザギザのことを指します。英語では「burr(バー)」と呼ばれ、製造業や機械加工の現場では非常に一般的な用語です。
バリは加工時に素材が変形したり、切削工具が材料を完全に切り離さなかったりすることで生じます。見た目が小さくても、機能や安全性に悪影響を与えることがあるため、多くの製造現場では「バリ取り(デバリング)」という工程が不可欠です。
バリの種類と発生原因
バリは、加工方法や材料によって形状や発生メカニズムが異なります。ここでは、主なバリの種類とその発生原因について解説します。
1. 切削バリ(切削加工時)
旋盤やフライス盤などで金属を削る際、切削工具の通過後に材料の端部にできる薄く鋭い突起が「切削バリ」です。工具の切れ味や送り速度が不適切な場合にできやすくなります。
- 発生例:アルミ板をフライス盤で加工した際、角部に細いバリが残る。
2. プレスバリ(打ち抜き加工時)
金属板を金型で打ち抜く際に、せん断面の下部に発生するのが「プレスバリ」です。打ち抜き方向に向かって金属が押し出されるため、微細な段差やギザギザができることがあります。
- 発生例:ステンレス板を打ち抜いた際、穴の縁にギザギザのバリができる。
3. 成形バリ(射出成形や鋳造時)
プラスチックや金属の射出成形、ダイカストなどで、金型の合わせ面から溶けた材料がわずかに漏れ出して固まることがあります。これが「成形バリ」です。
- 発生例:プラスチック部品の接合部に、フィルム状の薄い突起ができる。
バリの影響とバリ取りの必要性
バリは見た目には小さなものですが、放置すると重大なトラブルにつながることがあります。以下に、バリが与える代表的な影響を紹介します。
1. 製品の安全性への悪影響
バリが鋭利な場合、作業者が手を切る危険性があります。また、組み立て時に他の部品に引っかかったり、傷をつけたりすることもあります。特に医療機器や精密部品では、安全性の観点からバリの除去が厳しく求められます。
- 例:金属部品のバリが指に刺さり、作業員がけがをした。
2. 機能不良や寸法不良の原因に
バリが残った状態では、製品の寸法精度が狂ったり、部品のかみ合わせが悪くなったりすることがあります。また、バリが剥がれて異物として内部に混入し、機械の故障や異音の原因になることもあります。
- 例:バリが内部ギアに入り込み、モーターが停止した。
3. 製品の見た目・品質の低下
バリがあると、製品の見た目が悪くなり、「仕上がりが粗い」という印象を与えることになります。顧客の信頼を損なう要因にもなり得るため、外観品質が重視される製品では特に注意が必要です。
- 例:成形品のバリが目立ち、商品クレームにつながった。
バリ取り(デバリング)の方法と実例
バリを除去する作業は「バリ取り(デバリング)」と呼ばれ、製品の品質と安全性を確保するための重要な工程です。以下は、代表的なバリ取りの方法です。
1. 手作業による除去
やすりやカッター、バリ取り専用工具などを使って、手作業でバリを削り取ります。小ロット製品や複雑形状の部品に適しています。
- 例:機械加工したアルミ部品の角を、手作業でやすりがけして滑らかにする。
2. 機械的バリ取り(自動化)
バフ研磨機、ベルトサンダー、ブラスト処理などを用いて機械的にバリを除去します。大量生産ラインでは自動化が進んでいます。
- 例:プレス加工品をベルトコンベア上で研磨してバリを一括除去する。
3. 熱的・化学的バリ取り
熱や化学薬品を使って、微細なバリを溶かして除去する方法もあります。電子部品や精密機器などで利用されます。
- 例:電子基板の微細バリをプラズマ処理で除去する。
