工場用語辞典
バーコードリーダー 【よみ】 ばーこーどりーだー 【英語】 Barcode reader
商品や書類などに印刷されたバーコードを読み取り、そこに記録された情報をデジタルデータとして取り込む装置です。
商品管理、在庫管理、POSレジ、物流、医療現場など、さまざまな分野で利用されており、効率的な情報処理やトレーサビリティの確保に欠かせないツールです。
読み取ったデータは、コンピューターや専用のシステムに送信され、自動的に商品情報や個体識別情報として活用されます。
バーコードリーダーの仕組みと種類
バーコードの仕組み
バーコードとは、複数の太さや間隔の異なる線(バー)と空白(スペース)を組み合わせて作られた図形です。これにより数字や文字、記号などの情報を表現しています。
バーコードリーダーは、これらのバーとスペースのパターンを光学的に読み取り、コンピューターが理解できるデジタルデータへ変換します。
バーコードリーダーの主な種類
1. ペン型(接触型)スキャナ
ペンのような形状をしており、バーコードに直接接触させて読み取ります。軽量で安価ですが、正しい角度・速度でなぞらないと読み取り精度が低くなります。現在では使用頻度は減少傾向です。
2. CCD(電荷結合素子)スキャナ
バーコードにLED光を当て、反射光をセンサーで読み取る方式。接触または近距離から読み取りが可能で、レジや倉庫業務で多く使用されています。耐久性が高く、コストパフォーマンスにも優れています。
3. レーザースキャナ
レーザー光を使ってバーコードを読み取る方式。読み取り距離が長く、広範囲のバーコードにも対応できるため、倉庫や物流現場など、広い場所での使用に適しています。
4. 2次元コード(QRコード)リーダー
縦と横の情報を持つ2次元コード(QRコードやDataMatrixなど)を読み取るためのリーダーです。文字情報、URL、ロット番号、顧客情報など、1次元バーコードよりも多くのデータを保持できます。
スマートフォンのカメラにもこの機能が搭載されています。
5. ハンディターミナル型(携帯端末一体型)
バーコードリーダーに小型のコンピューターや通信機能を内蔵したタイプで、現場での情報確認や登録が可能です。物流倉庫や流通、検品作業などで使われます。
バーコードリーダーの主な用途と活用シーン
1. 小売業(POSシステム)
レジで商品をスキャンすると、バーコードリーダーが商品情報と価格を読み取り、POS(販売時点情報管理)システムにデータを送ります。迅速な会計と在庫管理を可能にし、ミスを防ぐ役割を果たします。
2. 製造・物流現場
部品や製品の入出庫、棚卸、仕掛品の移動管理などにバーコードリーダーを活用。トレーサビリティ(追跡可能性)を確保し、生産効率の向上と誤出荷の防止に貢献します。
3. 医療現場
患者のリストバンドや薬品ラベルにバーコードを付け、バーコードリーダーで読み取ることで、誤投薬や取り違いを防止。医療の安全性向上に役立っています。
4. 図書館・教育機関
貸出・返却の管理や図書の検索など、図書館業務の効率化にバーコードリーダーが使われています。学校や大学の資料管理でも同様です。
5. オフィス文書管理
書類やファイルにバーコードを貼り付け、読み取って登録・検索・履歴管理を行うことで、文書の所在や履歴を迅速に把握することができます。
バーコードリーダーの導入メリットと注意点
メリット
1. 業務の効率化と省力化
バーコードをスキャンするだけで情報が瞬時に読み取れるため、作業時間の短縮と人手の削減が可能になります。手入力の手間も不要です。
2. ミスの削減
人間の目視や手書きでは起こりやすいミスも、バーコードリーダーを使えば正確な情報取得ができ、作業ミスや入力ミスを大幅に減らせます。
3. 在庫や履歴のリアルタイム管理
読み取ったデータが即座にシステムに反映されるため、在庫管理や履歴追跡がリアルタイムで行えます。結果として、業務の見える化と分析にもつながります。
注意点
1. バーコードの印字状態
バーコードが汚れていたり、破損していたりすると読み取りができません。ラベルの品質管理も重要です。
2. デバイスの選定と互換性
業務内容に合ったバーコードリーダーを選ばないと、読み取り距離や精度が不足することがあります。システムとの互換性も事前確認が必要です。
3. 運用教育が必要
バーコードリーダーを有効に使うには、使用者への基本操作やトラブル対応の教育も重要です。慣れない現場では導入初期に混乱が生じることもあります。
●関連ワード
●POS ●POP ●VMI
