工場用語辞典
アンドン 【よみ】 あんどん 【英語】 Andon (Error indicator light)
アンドン:目で見る管理で生産性を向上させる
アンドンは、製造業の生産ラインにおいて、ラインの状態や異常をランプや表示板を使って「見える化」する管理ツールです。トヨタ生産方式の要素の一つであり、日本語で「行灯」を意味します。
アンドンは、主に以下の目的で使用されます。
- ラインの異常を早期に発見し、速やかに対応する
- 生産進捗状況を把握し、生産計画に基づいて生産を調整する
- 作業員のモチベーションを高め、品質向上につなげる
アンドンには、大きく分けて3種類があります。
- 個別アンドン: 各作業者に設置されたランプや表示板。作業者の作業内容や進捗状況などを表示する。
- 総合アンドン: ライン全体の状態を表示する大型の表示板。生産進捗状況、異常発生状況、品質情報などを表示する。
- 運搬アンドン: 運搬指示や運搬状況を表示するランプや表示板。
アンドンの具体的な表示内容は、ラインや工場によって様々ですが、一般的には以下の情報が表示されます。
- 生産進捗状況: 生産目標に対する進捗状況を百分率やグラフなどで表示する。
- 異常発生状況: 機械の故障や品質問題などの異常発生状況をランプの色で表示する。
- 品質情報: 不良品の発生率や検査結果などを表示する。
- 作業指示: 次にすべき作業内容を指示する。
- 運搬指示: 運搬すべき部品や数量を指示する。
アンドンを効果的に活用するためには、以下の点に注意する必要があります。
- ラインや工場の状況に合ったアンドンシステムを導入する
- アンドン表示の内容をわかりやすく、簡潔にする
- アンドン表示を常に最新の状態に保つ
- 作業員にアンドン表示の意味を理解させ、適切な対応を促す
アンドンは、生産現場の見える化を促進し、生産性向上や品質向上に効果的なツールです。ラインや工場の状況に合ったアンドンシステムを導入し、効果的に活用することで、より効率的な生産体制を構築することができます。
生産状態を示す表示灯・異常表示盤のこと。
異常が発生した時などに作業者がアンドンのひもを引くと点灯して知らせるしくみなどがある。
生産ラインなど伝達が困難な現場で、機械の異常を即座に他者に伝え、不良品の発生を防ぐために設置される。