工場用語辞典
アルミダイカスト 【よみ】 あるみだいがすと 【英語】 aluminum die casting
アルミダイカストとは、アルミニウム合金を金型に高速で充填し、高圧で鋳造する技術です。自動車部品、家電製品、OA機器など、様々な分野で広く利用されています。
アルミダイカストの特徴
- 高精度・高品質な製品の製造が可能: 金型形状を忠実に再現できるため、寸法精度が高く、表面も滑らかな仕上がりになります。
- 複雑な形状の製品にも対応: 高速充填と高圧により、肉薄で複雑な形状の製品も製造できます。
- 大量生産に適している: 短時間で大量生産できるため、コストを抑えることができます。
- 優れた放熱性・軽量性: アルミニウム合金は、熱伝導性と軽量性に優れているため、自動車や航空機など、軽量化が求められる分野に適しています。
- リサイクル性: アルミはリサイクル性に優れた素材です。環境負荷を抑えることができます。
アルミダイカストの製造工程
- 合金溶解: アルミニウム合金を高温で溶解します。
- 金型へ充填: 溶解した合金を金型に高速で充填します。
- 加圧: 金型に高圧をかけ、合金を凝固させます。
- 冷却・取り出し: 金型を冷却し、凝固した製品を取り出します。
- 仕上げ: 製品を必要に応じて研磨や塗装などの仕上げ加工を行います。
アルミダイカストの種類
- 高圧ダイカスト: 最も一般的なアルミダイカスト。複雑形状の製品にも対応できます。
- 低圧ダイカスト: 高圧ダイカストよりも低圧で鋳造するため、肉厚な製品や巣(空気孔)の少ない製品の製造に適しています。
- 重力鋳造: 金型に溶解した合金を流し込み、重力によって凝固させる方法。比較的簡単な形状の製品の製造に適しています。
アルミダイカストの用途
- 自動車部品: エンジン部品、ボディ部品、内装部品など
- 家電製品: 洗濯機、冷蔵庫、エアコンなど
- OA機器: パソコン、プリンター、複合機など
- 産業機械: ロボット、工作機械、精密機器など
- その他: 建築金物、スポーツ用品、レジャー用品など
アルミダイカストのメリット・デメリット
メリット
- 高精度・高品質な製品の製造が可能
- 複雑な形状の製品にも対応
- 大量生産に適している
- 優れた放熱性・軽量性
- リサイクル性
デメリット
- 金型製作コストが高い
- 鋳巣(空気孔)が発生しやすい
- 薄肉部分の強度が低い