工場用語辞典
有給休憩 【よみ】 ゆうきゅうきゅうけい 【英語】 Paid break
「有給休憩」という用語自体は、法律上明確に定義されておらず、一般的には1. 時間単位の有給休暇を利用した休憩の意味と2. 企業独自の制度としての休憩の2つの意味として使われています。
1. 時間単位の有給休暇を利用した休憩とは?
労働基準法では、労働者が自由に取得できる時間単位の有給休暇について定めています。時間単位の有給休暇は、1時間単位で取得することができ、休憩時間と同様に、自由に時間帯を選ぶことができます。
そのため、時間単位の有給休暇を利用して休憩をとることを「有給休憩」と呼ぶことがあります。
例えば、1日のうち2時間だけ仕事を休んで、リフレッシュしたい場合に、時間単位の有給休暇を2時間取得して「有給休憩」をとることができます。
勤務時間が8時出社で17時退社という場合、拘束時間は合計9時間です。この9時間のうち昼食時間として12時から13時までを休憩と定めているならば、休憩時間の1時間が労働時間から控除され労働時間は8時間と計算されます。
この休憩を時間単位の「有給休憩」を使って、休憩時間を1時間延長の2時間とし実働時間を7時間勤務にすることができます。このように、時間単位の有給休暇を使って休憩時間を延長することで、休憩時間を確保しながら、短時間勤務を実現することが可能となります。
ただし、時間単位の年次有給休暇は、企業によって任意で導入されており、制度が存在しない場合もあります。(導入は労使協定の締結などによる)
※休憩時間は法律で決まっています。
労働基準法第34条で、労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない、と定めています。
2. 企業独自の制度としての休憩とは?
一部の企業では、従業員に労働時間より控除されない休憩時間を与える独自の制度を設けている場合があります。
※法的な休憩時間は、労働時間から控除されます。一方、この制度で付与される休憩時間は、労働時間より控除されないため、従業員は 自由に 利用することができます。
2-1、具体的な活用方法
例1:集中力向上のための短時間休憩
- 午前と午後の勤務時間中に、それぞれ15分~30分の休憩時間を設ける。
- 休憩時間は、仮眠、ストレッチ、読書など、自由に過ごせるようにする。
例2:気分転換のためのリフレッシュタイム
- 1時間に1回、5分程度の短い休憩時間を設ける。
- 休憩時間は、社内カフェでコーヒーを飲んだり、同僚と談笑したり、自由に過ごせるようにする。
例3:業務の合間の集中リフレッシュ
- 集中力を要する作業を行う前に、10分程度の集中リフレッシュ時間を設ける。
- 休憩時間は、瞑想、音楽鑑賞、軽い運動など、集中力を高めることができる方法で過ごす。
まとめ
労働基準法では、休憩時間は「労働時間の途中に置かれた、労働者の権利として労働から離れることを保証された時間」と定義されています。 つまり、休憩時間は「労働から離れた状態」であるため、労働者に賃金は発生しないのです。
しかし、近年、一部の工場では、15分程度の小休憩を複数回取ることで、従業員の疲労やストレスが軽減され、モチベーションが向上し、生産性が向上することが分かっています。そのため、有給休憩制度を導入する企業が増えています。有給休憩制度は従業員に優しい制度だと言えるでしょう。工場によっては導入されていないケースもありますので、確認することをおススメします。