工場用語辞典

クリーンスーツ 【よみ】 くりーんすーつ 【英語】 Clean suit

クリーンルームで着る作業衣。

クリーンルームと呼ばれる、空気中の塵や埃、微粒子を極限まで取り除かれた清浄な環境で着用する専用の作業服です。人体から出る髪の毛、皮膚のフケ、繊維など、様々な発塵源となるものを外部に漏らさないように設計されており、クリーンルーム内の清浄度を維持する上で非常に重要な役割を果たしています。

なぜクリーンスーツが必要なのか?

  • 製品の品質を守る: 半導体、医薬品、食品など、微細な異物の混入が製品の品質に大きく影響する分野では、クリーンルームで製造が行われます。クリーンスーツは、これらの製品を汚染から守り、高品質な製品を生み出すために欠かせません。
  • 作業者の安全を守る: 一部のクリーンルームでは、有害な物質を取り扱う場合もあります。クリーンスーツは、作業者を有害物質から保護する役割も担っています。

クリーンスーツの構造と特徴

クリーンスーツは、一般の作業服とは異なり、以下の特徴を持っています。

  • 素材: ポリエステルやテフロンなど、発塵量が少なく、静電気を起こしにくい素材が使用されています。
  • 縫製: 縫い目から塵埃が漏れないよう、特殊な縫製方法が採用されています。
  • 形状: 全身を覆うタイプや、上半身のみを覆うタイプなど、作業内容に合わせて様々な形状があります。
  • 機能: 防塵性だけでなく、静電気防止、耐薬品性、耐熱性など、様々な機能が備わっています。

クリーンスーツの種類

クリーンスーツは、その用途や清浄度レベルによって、様々な種類に分類されます。

  • 清浄度クラス: クリーンルームの清浄度クラスに合わせた、異なるレベルの防塵性能を持つクリーンスーツが用意されています。
  • 素材: ポリエステル、テフロン、綿など、様々な素材のクリーンスーツがあります。
  • 形状: 全身タイプ、上半身タイプ、フード付き、フードなしなど、様々な形状があります。
  • 機能: 静電気防止、耐薬品性、耐熱性など、様々な機能を持つクリーンスーツがあります。

クリーンスーツの選び方

クリーンスーツを選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 作業内容: どのような作業を行うかによって、必要な防塵性能や機能が異なります。
  • 環境: クリーンルーム内の温度、湿度、汚染物質の種類などを考慮する必要があります。
  • 快適性: 長時間着用するためには、快適性が重要です。
  • コスト: クリーンスーツの価格帯は幅広いため、予算に合わせて選ぶ必要があります。

クリーンスーツの着脱方法

クリーンスーツの着脱は、クリーンルーム内の清浄度を維持するために、厳密な手順で行われます。一般的には、エアーシャワーと呼ばれる装置を通過した後、クリーンベンチ内でクリーンスーツを着用します。脱ぐ際も、同様の手順で行います。

まとめ

クリーンスーツは、クリーンルームにおける重要な防護服であり、製品の品質向上や作業者の安全確保に貢献しています。様々な種類があり、作業内容や環境に合わせて最適なクリーンスーツを選ぶことが重要です。