工場用語辞典

工程内不良品 【よみ】 こうていないふりょうひん 【英語】 In-process defective product

製品の製造工程において、最終製品として出荷される前に発見された不良品のことを指します。つまり、製品が完成するまでの間に、設計図面や品質基準から外れてしまった製品のことです。

工程内不良品が発生する原因

工程内不良品が発生する原因は様々ですが、大きく分けて以下の要因が考えられます。

  • 人的要因:
    • 作業者のミス(誤操作、部品の取り違えなど)
    • 技能不足
    • 注意散漫
  • 機械要因:
    • 機械の故障や摩耗
    • 機械の設定ミス
  • 材料要因:
    • 材料の不良(異物混入、寸法誤差など)
    • 材料の劣化
  • 環境要因:
    • 温度、湿度などの環境変化
    • 静電気など
  • 管理要因:
    • 工程管理の不徹底
    • 品質管理体制の不備
    • 作業手順書の不足や誤り

工程内不良品の影響

工程内不良品は、企業に様々な悪影響を与えます。

  • コスト増: 不良品の再加工、廃棄、顧客への補償など、多額のコストがかかります。
  • 納期遅延: 不良品の発生により、生産スケジュールが遅延し、納期に間に合わない可能性があります。
  • 顧客クレーム: 不良品が出荷されてしまうと、顧客からのクレームに繋がり、企業のイメージダウンにつながります。
  • ブランドイメージの低下: 品質に対する信頼を失い、顧客離れにつながる可能性があります。

工程内不良品を減らすための対策

工程内不良品を減らすためには、以下の対策が有効です。

  • 5Sの徹底: 整理、整頓、清掃、清潔、しつけの5Sを徹底することで、作業環境を改善し、ミスを減らすことができます。
  • 標準作業手順書の作成: 標準作業手順書を作成し、作業者が正確な手順で作業できるようにします。
  • 教育・訓練の強化: 作業者のスキルアップを図り、ヒューマンエラーを防止します。
  • 設備の定期点検: 機械設備の故障を未然に防ぎ、安定した生産を確保します。
  • 品質管理体制の強化: 品質管理体制を強化し、不良品を早期に発見し、原因究明を行います。
  • 統計的品質管理: 統計的手法を用いて、不良発生の原因を分析し、改善策を検討します。
  • ポカヨケの導入: ヒューマンエラーを防止するための仕組みを導入します。
  • サプライチェーン全体の品質管理: 外部からの部品や材料の品質にも注意を払う必要があります。