工場用語辞典
コック方式 【よみ】 こっくほうしき 【英語】 Cook method Cock system
水道の蛇口をひねるように、必要な時に必要なだけ資材を調達できるという、非常にシンプルな仕組みを持った取引方法です。具体的には、サプライヤーが顧客の指定した場所に、顧客が自由に使えるように資材を保管し、顧客は必要な時にその資材を自由に利用する、というものです。
コック方式は、顧客とサプライヤーが協力して、より効率的なサプライチェーンを構築するための有効な手段の一つです。しかし、導入にあたっては、メリットだけでなくデメリットも十分に考慮し、自社の状況に合わせて慎重に検討する必要があります。
コック方式の特徴
- 自由度が高い: 顧客は、自分のペースで、必要な分だけ資材を利用できます。
- 在庫管理の負担軽減: 顧客は、自社で資材を保管する必要がないため、在庫管理の負担が軽減されます。
- 迅速な調達: 必要な時にすぐに資材を利用できるため、生産の遅延を防ぐことができます。
コック方式のメリット
- 顧客:
- 在庫管理コストの削減
- 迅速な生産が可能
- 小ロットでの調達が容易
- サプライヤー:
- 顧客との関係を密接化できる
- 顧客の生産計画を把握し、生産計画の安定化に繋がる
- 顧客への迅速な対応が可能
コック方式のデメリット
- サプライヤー:
- 在庫リスクの増加
- 顧客の需要変動に対応するための柔軟性が求められる
- 管理コストの増加
- 両者:
- 資材の不正利用や紛失のリスク
- 契約内容の解釈の相違によるトラブル
コック方式の適用事例
コック方式は、特に以下の業界で活用されています。
- 自動車部品業界: 部品を小ロットで頻繁に必要とする自動車メーカーに適しています。
- 電子部品業界: 電子部品の在庫管理に活用することで、生産の柔軟性を高めることができます。
- 化学品業界: 化学薬品を小ロットで頻繁に必要とする企業に適しています。
コック方式の課題と今後の展望
コック方式は、そのメリットから多くの企業で採用されていますが、一方で、在庫管理の複雑化や不正利用のリスクなど、いくつかの課題も抱えています。これらの課題を解決するために、IT技術を活用した在庫管理システムの導入や、両者の信頼関係構築のための取り組みなどが求められています。