工場用語辞典
決裁 【よみ】 けっさい 【英語】 Approval
申請・起案内容に対して許可(合意)もしくは不許可(却下)という最終的な判断を下すこと。
組織内で何かしらの提案や申請が行われた際に、その内容に対して最終的な許可または不許可を与える行為、あるいはその結果を指します。言い換えれば、組織における意思決定のプロセスにおいて、最も重要な判断を下すステップと言えるでしょう。
決裁の目的と役割
決裁には、以下の目的と役割があります。
- 責任の明確化: 誰がどのような判断を下したのかを明確にすることで、責任の所在を明らかにし、組織全体の意思決定の透明性を高めます。
- 組織全体の意思統一: 上司や経営層が最終的な判断を下すことで、組織全体の意思を統一し、円滑な業務遂行を促します。
- リスク管理: 提案内容が組織全体に与える影響を評価し、リスクを最小限に抑えるための判断を行います。
- 資源の有効活用: 予算や人員など、組織の限られた資源を最も効果的に活用するための判断を行います。
決裁の流れ
決裁は、一般的に以下の流れで行われます。
- 稟議書の提出: 担当者が、提案内容をまとめた稟議書を作成し、上司に提出します。
- 関係部署への回覧: 稟議書は、関係部署に回覧され、意見や修正を求められます。
- 決裁者の審査: 稟議書が最終的な決裁者に回され、内容が審査されます。
- 決裁: 決裁者が、許可または不許可の判断を下します。
決裁の種類
決裁には、以下の種類があります。
- 単独決裁: 一人の決裁者が最終的な判断を下す場合。
- 連名決裁: 複数の決裁者が共同で判断を下す場合。
- 承認決裁: 上司が部下の提案を承認する場合。
- 却下決裁: 上司が部下の提案を却下する場合。
決裁における注意点
- 明確な権限の委譲: 決裁権限は、組織の規程で明確に定められている必要があります。
- 迅速な処理: 決裁が遅延すると、業務の進捗が遅れ、機会損失につながる可能性があります。
- 記録の保存: 決裁に関する記録は、後々のトラブル防止のためにしっかりと保存しておく必要があります。
- 電子決裁の活用: 近年では、紙の書類ではなく、電子システムを活用した決裁が普及しています。電子決裁は、ペーパーレス化や業務効率化に貢献します。
決裁と関連する用語
- 稟議: 決裁を受けるための申請書。
- 決裁権: 決裁を行う権限。
- 決裁者: 決裁を行う者。
- ワークフロー: 決裁を含む、業務の流れを可視化したもの。