工場用語辞典

クレーン 【よみ】 くれーん 【英語】 crane

巨大なものや重いものを吊り上げて運ぶ機械のことです。建設現場で高層ビルの建設や橋の架け替えなど、様々な場面で活躍しています。また、港湾でのコンテナの積み下ろしや工場での部品の運搬など、私たちの生活を支える多くの場所で利用されています。

近年では、環境への配慮から、電気駆動のクレーンや、省エネ型のクレーンが開発されています。また、IoT技術の導入により、遠隔操作や自動運転が可能なクレーンも登場しています。

クレーンの種類と特徴

クレーンには、その構造や用途によって様々な種類があります。

  • 固定式クレーン:
    • 天井クレーン: 工場内などで天井にレールを設置し、その上を移動するクレーン。
    • ジブクレーン: 一端にアーム(ジブ)を持つクレーンで、ジブの長さを変えたり、回転させたりすることで作業範囲を調整できる。
    • 橋形クレーン: レールの上を橋のように移動するクレーンで、港湾などでコンテナの積み下ろしに使用される。
  • 移動式クレーン:
    • トラッククレーン: トラックに搭載されたクレーンで、移動が容易。
    • ホイールクレーン: タイヤで移動するクレーンで、トラッククレーンよりも機動性が高い。
    • クローラークレーン: キャタピラで移動するクレーンで、不整地での作業に適している。
    • 鉄道クレーン: 鉄道車両に搭載されたクレーンで、線路沿いの作業に使用される。
    • 浮きクレーン: 船に搭載されたクレーンで、港湾や海上での作業に使用される。

クレーンの仕組み

クレーンの主な構成要素は以下の通りです。

  • 起重機本体: クレーンの基幹部分で、動力源、制御装置、構造体などが組み込まれている。
  • ブーム: 荷物を吊り上げるためのアーム部分。
  • ワイヤーロープ: 荷物を吊り上げるための鋼索。
  • フック: ワイヤーロープの先端に取り付けられ、荷物を吊り上げるための金具。
  • カウンターウェイト: クレーンのバランスを取るための重り。

クレーンは、これらの部品が連動して動作することで、荷物を上下させたり、水平に移動させたりすることができます。

クレーンの仕組み

クレーンは、油圧、電気、空圧などの動力源によって動作します。近年では、コンピュータ制御による自動化が進み、より安全かつ効率的な作業が可能となっています。

クレーンの安全性

クレーンは、その構造上、非常に大きな重量物を扱うため、安全対策が非常に重要です。クレーン操作には、資格を持ったオペレーターが従事し、定期的な点検や整備が行われています。また、クレーン等安全規則が定められており、これに基づいて安全な作業が行われるよう厳しく管理されています。

クレーンの活用事例

クレーンは、建設現場だけでなく、様々な分野で活用されています。

  • 建設業: 高層ビルの建設、橋の架け替え、ダムの建設など
  • 製造業: 重量物の搬送、組立作業
  • 港湾: コンテナの積み下ろし、船舶の修理
  • 災害復旧: 建物の解体、物資の搬送