工場用語辞典

感光 【よみ】 かんこう 【英語】 exposure to light

光によって物質の性質が変化する現象、またはその変化を起こさせることを指します。より具体的には、光エネルギーを吸収することで、物質が化学反応を起こしたり、物理的な性質が変化したりする現象を指します。

感光が起こるメカニズム

感光現象は、物質に含まれる光感受性物質が光エネルギーを吸収することによって起こります。光エネルギーは、物質内の電子を励起させ、化学結合を切断したり、新しい結合を作ったりします。この化学変化が、物質の性質を変化させる原因となります。

感光を利用する主な分野と例

感光は、様々な産業分野で利用されています。

  • 写真化学:
    • 写真フィルム: ハロゲン化銀などの光感受性物質が光によって黒化し、画像を形成します。
    • 印刷版: 光硬化樹脂などが光によって硬化し、印刷版を作成します。
  • 電子部品製造:
    • フォトリソグラフィ: 光によって感光剤を硬化させ、半導体回路パターンを形成します。
    • プリント基板: 感光レジストを用いて回路パターンを形成します。
  • 高分子材料:
    • 光硬化樹脂: 光によって迅速に硬化するため、3Dプリンティングや接着剤など、様々な用途に利用されます。
  • 医療:
    • 光線力学療法: 光感受性物質と光を組み合わせて、がん細胞を殺滅する治療法です。

感光に影響を与える要因

感光の程度は、以下の要因によって影響を受けます。

  • 光の波長: 感光物質は、特定の波長の光に対して感度が高いことがあります。
  • 光の強度: 光の強度が強いほど、感光反応は速く進行します。
  • 照射時間: 照射時間が長いほど、感光反応は進行します。
  • 温度: 温度が高いほど、感光反応は速く進行することがあります。
  • 感光物質の種類: 感光物質の種類によって、感度や反応性が異なります。