工場用語辞典

工場用語における「カッティング」は、材料を切断したり、切り分ける加工工程を指します。より広義には、形状を形成するために材料から不要な部分を切り取る行為全般を指すこともあります。

カッティングの目的と役割

カッティングの目的は、大きく分けて以下の3つに分類できます。

1. 形状形成: 製品や部品の最終的な形状に仕上げる。
2. 分離: 材料を必要な大きさに切り分ける。
3. 加工準備: 他の加工工程（溶接、曲げなど）を行うための準備として、材料の形状を整える。

カッティングの種類と方法

カッティングには、使用する工具や材料、切断方法によって様々な種類があります。代表的なものをいくつか紹介します。

• 機械加工によるカッティング:
  • レーザーカッティング: 高出力のレーザー光線で材料を切断。精密な切断が可能で、様々な材料に対応できます。
  • ウォータージェットカッティング: 高圧の水流で材料を切断。熱による変形が少ないため、熱に弱い材料や複雑な形状の切断に適しています。
  • プラズマカッティング: プラズマを発生させて材料を切断。主に金属の切断に使用されます。
  • CNCカッティング: コンピューター制御により、複雑な形状を自動で切断。
• 手作業によるカッティング:
  • ハサミ: 紙や布など、比較的柔らかい材料を切断。
  • カッター: 紙やフィルムなどを直線に切断。
  • 彫刻刀: 木材などを彫刻しながら切断。
• その他のカッティング:
  • ダイカッティング: 金型を用いて、シート状の材料を一度に多数切断。
  • 溶断: 高温の火炎で材料を溶かしながら切断。

カッティングに用いられる材料

カッティングの対象となる材料は、金属、プラスチック、木材、ゴム、紙など、多岐にわたります。材料の特性によって、最適な切断方法が異なります。

カッティングの工程における注意点

カッティング工程では、以下の点に注意する必要があります。

• 寸法精度: 製品図面通りの寸法で切断することが重要です。
• 表面品質: 切断面が滑らかで、バリなどが発生しないようにする必要があります。
• 安全性: 切断工具の取り扱いには十分注意し、安全対策を徹底する必要があります。
• 環境への配慮: 切断作業で発生する粉塵や切削屑の処理を適切に行う必要があります。

カッティングとその他の加工との関係

カッティングは、他の加工工程と密接な関係にあります。例えば、溶接や曲げ加工の前に、材料をカッティングで形状を整えることが一般的です。また、3Dプリンティングなど、積層法による造形においても、切断工程は重要な役割を果たします。

カッティングは、製品製造において欠かせない加工工程の一つです。その種類や方法は多岐にわたっており、材料や製品の特性に応じて最適な方法を選択する必要があります。近年では、CNC加工やレーザー加工などの高度な技術の導入により、より精密で効率的なカッティングが可能となっています。