工場用語辞典

オイルシール 【よみ】 おいるしーる 【英語】 Oil seal

オイルシールの役割

オイルシールは、その名の通り、**オイル(油)をシール(封じる)**するための部品です。主に、機械部品の回転軸とケースの間を密閉し、オイル漏れを防ぐ役割を持っています。

機械内部では、潤滑油(オイル)が様々な部品の摩擦を減らし、スムーズな動作を可能にします。この潤滑油が外部に漏れてしまうと、潤滑不足による部品の磨耗、オイルの消耗、さらには環境汚染などの問題を引き起こす可能性があります。オイルシールは、このような問題を防ぎ、機械の性能を維持するために不可欠な部品なのです。

オイルシールの構造

オイルシールは、一般的に金属とゴムを組み合わせた環状の形状をしています。

  • リップ: ゴム製のリップが回転軸に密着し、オイルの漏れを防ぎます。
  • スプリング: リップに一定の圧力をかけることで、密閉性を高めます。
  • 金属ケース: リップを保護し、オイルシールをハウジングに固定します。

オイルシールの種類

オイルシールの種類は、使用される場所や条件によって様々です。

  • 材質: NBR、FKM、シリコンなど、耐油性、耐熱性、耐薬品性などが異なる様々なゴム材料が使用されます。
  • 形状: リップの形状やスプリングの種類、金属ケースの構造などが異なります。
  • サイズ: 軸径やハウジングの穴径など、様々なサイズが用意されています。

オイルシールの働き

オイルシールは、主に以下の2つの働きをしています。

  1. オイルの漏れ防止: リップが回転軸に密着することで、オイルが外部に漏れるのを防ぎます。
  2. 外部からの異物の侵入防止: リップがバリアとなり、外部からの塵埃や水などの侵入を防ぎます。

オイルシールの重要性

オイルシールは、自動車だけでなく、産業機械、家電製品など、様々な機械に広く使用されています。オイルシールが破損すると、以下の様な問題が発生する可能性があります。

  • オイル漏れ: 潤滑油が不足し、部品の磨耗が加速します。
  • 性能低下: 潤滑不足により、機械の性能が低下します。
  • 故障: 重大な場合は、機械の故障に繋がる可能性があります。
  • 環境汚染: オイルが漏れることで、環境汚染の原因となる可能性があります

オイルシールは、一見すると小さな部品ですが、機械の性能を維持するために非常に重要な役割を担っています。オイルシールが正常に機能することで、機械は長寿命で安定した動作が可能になります。