工場用語辞典
覚書 【よみ】 おぼえがき 【英語】 Memorandum
覚書とは、ある事柄について、内容を簡潔に記録したり、将来の参考のために書き留めておく文書のことを指します。契約書のように法的拘束力を持つものではなく、あくまで当事者間の合意や約束事項を記録するためのものです。
覚書の目的
覚書を作成する目的は様々ですが、主に以下の点が挙げられます。
- 記録: 会議の内容、決定事項、今後の予定などを記録し、後から確認できるようにする。
- 確認: 当事者間で内容を確認し、誤解を防ぐ。
- 合意: 当事者間の合意事項を明確にし、将来のトラブルを防止する。
- 証拠: 何かしらのトラブルが発生した場合に、証拠として提出できる。
覚書の種類
覚書は、その内容や形式によって様々な種類に分けられます。
- 会議の議事録: 会議で話し合われた内容を記録した文書。
- 契約書の前段階の覚書: 正式な契約書を締結する前に、大まかな内容をまとめた文書。
- 共同研究に関する覚書: 研究内容、分担事項、成果の扱いなどを定めた文書。
- 業務委託に関する覚書: 業務内容、報酬、期間などを定めた文書。
覚書の特徴
- 非公式な文書: 契約書のように厳格な形式は必要ない。
- 柔軟性が高い: 内容は自由に記述できる。
- 法的拘束力: 一般的に法的拘束力はないが、内容によっては法的効力を持つ場合もある。
覚書を作成する際の注意点
覚書を作成する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 明確な目的: 覚書を作成する目的を明確にする。
- 具体的な内容: 記述内容はできるだけ具体的にする。
- 両者の合意: 当事者双方で内容を確認し、合意を得る。
- 日付と署名: 作成日と作成者の署名を必ず記載する。
- 保管: 紛失しないよう、大切に保管する。
覚書と契約書の違い
覚書と契約書は、似ているようで異なる概念です。
項目 | 覚書 | 契約書 |
法的拘束力 | 一般的にない | 法的拘束力がある |
形式 | 自由 | 厳格な形式が必要 |
目的 | 合意事項の記録、確認 | 権利義務の明確化 |
覚書の作成例
例えば、共同でプロジェクトを進める場合の覚書であれば、以下の項目を含めることができます。
- プロジェクト名
- プロジェクトの目的
- プロジェクト期間
- 各々の役割分担
- 成果物の共有方法
- 費用負担
- トラブル発生時の対応
覚書は、ビジネスシーンだけでなく、日常生活においても様々な場面で活用できる便利なツールです。契約書のように厳格なものではないため、気軽に作成することができます。しかし、内容によっては法的効力を持つ場合もあるため、内容をしっかりと確認し、必要に応じて弁護士に相談することも検討しましょう。