工場用語辞典

受入 【よみ】 うけいれ 【英語】 acceptance

工場における「受入」は、原材料や部品などの外部からの入庫、あるいは工程間での製品の移動を、数量や品質などを確認しながら受け入れる行為を指します。より広義には、受け入れたものをシステムに登録したり、次の工程へ渡したりする一連の作業も含みます。

受入のプロセス

受入のプロセスは、大きく分けて以下のステップで構成されます。

  1. 入庫受付: 納品書や伝票の確認、運送会社の立会のもと、数量や外見上の異常がないかを確認します。
  2. 検収: 品質基準に照らし合わせ、数量、品質、納期などが注文書の内容と合致しているか厳密に検査します。
  3. 入庫: 検収合格品を倉庫や保管場所に移動し、適切に保管します。
  4. システムへの登録: 受入データをシステムに入力し、在庫管理システムと連携させます。
  5. 次の工程への引き渡し: 生産計画に基づき、次の工程へ製品を引き渡します。

受入の重要性

受入は、製品の品質を確保し、生産計画の円滑な遂行に不可欠な工程です。

  • 品質管理: 不良品や規格外の製品が混入するのを防ぎ、製品の品質を維持します。
  • 在庫管理: 正確な在庫情報を把握することで、過剰在庫や不足による生産の遅延を防ぎます。
  • 生産計画の精度向上: 実績データに基づいて生産計画を立てることができ、生産効率の向上に繋がります。
  • コスト削減: 不良品発生による損失や、在庫過多による保管費の削減に貢献します。

受入における課題と対策

受入プロセスには、以下のような課題が考えられます。

  • 人手不足: 検収作業は、人手がかかり、作業者の負担が大きい場合があります。
  • 誤入力: システムへのデータ入力ミスによる在庫管理の誤りが発生する可能性があります。
  • 納期遅延: 外部からの納品遅延により、生産計画が遅延する可能性があります。

これらの課題に対して、以下の対策が考えられます。

  • 自動化: バーコードリーダーやRFIDなどの自動認識技術を活用することで、検収作業の効率化と誤入力の防止を図ることができます。
  • システムの活用: ERPシステムなど、統合的なシステムを導入することで、受入から生産、販売までの情報を一元管理し、情報の正確性とタイムリーな共有を実現できます。
  • サプライヤーとの連携: サプライヤーとの連携を強化し、納期厳守や品質管理に関する協力を得ることで、納期遅延のリスクを軽減できます。

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受入検査