工場用語辞典
インバータ 【よみ】 いんばーた 【英語】 inverter
インバータとは、直流電流を交流電流に変換する装置、あるいはその回路のことです。より正確には、電圧と周波数を自在に変えることができる交流電源装置と言えます。
インバータの役割
家庭に供給される電力は、一定の電圧と周波数の交流電流です。しかし、インバータを使えば、この電圧や周波数を自由に調整することができます。そのため、モーターの回転速度を細かく制御したり、様々な種類の負荷に合わせた電源供給が可能になります。
インバータの仕組み
インバータの主な働きは、以下の3つに分けられます。
- 直流電流への変換: まず、交流電流を直流電流に変換します。
- パルス幅変調(PWM): 半導体スイッチを高速でオンオフすることで、パルス状の直流電流を作り出します。このパルス幅を調整することで、出力電圧を制御します。
- 交流電流への変換: パルス状の直流電流を、コイルやコンデンサーなどを用いて交流電流に変換します。この際、パルス幅を調整することで、出力周波数を制御します。
インバータのメリット
- 高効率: モーターの回転速度を負荷に合わせて制御できるため、エネルギーロスを少なくし、省エネに貢献します。
- 高精度な制御: 電圧や周波数を細かく調整できるため、モーターの回転速度を精密に制御できます。
- 小型・軽量化: 半導体素子の性能向上により、小型・軽量化が進んでいます。
- 様々な機器への応用: エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品から、産業用機器、電気自動車まで、幅広い分野で利用されています。
インバータの応用例
- 家電製品: エアコン、冷蔵庫、洗濯機など、モーターを使用する家電製品の多くに搭載されており、省エネ化に貢献しています。
- 産業用機器: 工作機械、ロボット、エレベーターなど、精密な動作が要求される機器に利用されています。
- 再生可能エネルギー: 太陽光発電や風力発電などで発電された直流電力を、家庭用交流電圧に変換して利用する際に使用されます。
- 電気自動車: バッテリーから得られる直流電力を、モーターを駆動するための交流電流に変換します。