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2025.01.16

溶接工に向いている人の特徴5つ|仕事内容やおすすめの資格も紹介!

「溶接工に向いている人の特徴5つ|仕事内容やおすすめの資格も紹介!」のイメージ画像‐溶接作業に使用する顔の保護具

日常生活を支える金属製品の加工に携わる溶接工は、ものづくりの現場において非常に重要な存在です。当記事では、溶接工の仕事内容から溶接工に向いている人の特徴、さらに溶接工への転職に役立つ資格まで徹底解説しています。

幅広い知識と高いスキルを駆使して金属加工に携わる溶接工は、ものづくりの現場になくてはならない存在の1つです。しかし、溶接工の仕事内容を知らない人から「何となく危険そう」「体力的にきつい仕事では?」などといったイメージをもたれることも少なくありません。

溶接工の仕事に興味があるものの漠然とした不安があり第一歩を踏み出せない場合は、まず溶接工について詳しく知ることが大切です。当記事では溶接工の仕事内容や溶接工に向いている人の特徴、そして溶接工として働くメリット・デメリットなどについて解説します。

溶接工とは?

「溶接工とは?」のイメージ画像‐可燃ガスを使用して溶接作業している様子

溶接工とは、溶接技術を用いて溶接業務に携わる職人です。

そもそも溶接とは、熱や圧力などで金属を加工して複数の金属をつなぎ合わせる作業を指し、溶接工は製造業、建築業、そして造船業などのさまざまな分野で活躍しています。また、溶接するものの材質や大きさも多岐にわたります。

溶接の種類

溶接は、次の3種類に大きく分かれます。

融接
融接とは、熱を加えて溶かした母材(溶接される材料)同士を接合する方法です。「アーク」と呼ばれる放電現象やレーザー、そして可燃ガスなどをエネルギーとして用います。
 
また、母材と融点が近い溶加材を溶かして接着剤のようにくっつける方法もあります。溶接と聞いて多くの人が連想する「溶接マスクをつけて火花を散らしながら溶接する」というイメージは、ほとんどがアーク溶接によるものです。
 
母材の形状を問わず加工しやすく、強度を確保しやすいことが融接のメリットです。また、気密性を確保したい部分の接合にも適しています。
圧接
圧接とは、母材を重ねて電気やガスなどで加熱しながら、あるいは母材同士をこすり合わせて摩擦熱を起こしながら圧力をかけて接合する方法です。
 
機械で圧力を微調整できる圧接は品質を一定に保ちやすく、大量生産ラインに適しています。また、溶加材を用いないためコストを抑えやすいことも圧接の特徴です。
ろう接
ろう接とは、母材より融点が低い溶加材を接合部に流し込んで接合する方法です。銀・銅・アルミなどを主成分とするろう材で接合する「ろう付け」と、鉛や錫を主成分とするはんだで接合する「はんだ付け」に分かれます。
 
ろう接は母材自体に直接熱や圧力を加えないため母材を傷つけにくく、精密部品の加工に適しています。また、異なる母材同士を溶接できることもろう接のメリットです。

溶接工の仕事内容

「溶接工の仕事内容」のイメージ画像‐鉄のパイプを溶接して繋ぎ合わせている

溶接工の仕事内容は、「準備」「溶接」「検査・修正」の3つの工程に大きく分けられます。溶接する素材や現場のマニュアルなどによって若干差があるものの、溶接工のおおまかな仕事の流れは次の通りです。

準備作業

どのような現場でも、溶接作業は図面や仕様書をじっくり読み込むことから始まります。一連の作業をスムーズに進めるため、図面の読み方や溶接記号の意味を事前に習得しておくことが大切です。

図面や仕様書の読み取りが済んだら、指定通りに段取りを行います。材料や機械・工具類を準備し、必要があれば治具も準備します。治具とは、加工中に材料を固定したり作業位置をガイドしたりするための補助工具です。

電動のこぎりやカッターなどの切断工具を使って母材を切断し、形を整えます。母材の形状や寸法が図面の指定通りになっているか、母材に錆や汚れがないかなどをチェックしたのち、素材や用途に合った方法で溶接作業を行います。

溶接作業

溶接作業を行う際は、安全確保のために必ず専用の防護服やマスクなどを身につけます。

本項では、アーク溶接の一種である半自動溶接を例として解説します。半自動溶接とは、棒状やワイヤー状の溶加材を自動供給しながら手作業で溶接する方法です。

溶接作業の準備が整ったら溶接トーチに溶加材を接続し、溶接電流や電圧を調整します。母材に当てた溶加材をアークで溶かし、接合したい部分に沿ってトーチを動かしながら溶加材を行き渡らせます。

溶接作業が終わった後はすぐにその場を離れず、少なくとも数十分はそのまま様子を見ることが欠かせません。高温になった母材や溶接作業中に散った火花の燃え残りなどをそのままにしておくと、火災や事故につながりかねないためです。

検査・修正作業

目視あるいは検査器具・機械を使って接合部を検査し、必要に応じて修正や表面仕上げを行います。検査や修正が終わったら、機材や工具を片付けて現場をきれいに清掃します。

事故やケガを防いで次の作業をスムーズに始められるよう、整理整頓や清掃も抜かりなく行うことが大切です。

溶接工に向いている人の特徴6つ

溶接工に向いている人の特徴6つのイメージ画像‐全身に保護具を纏った溶接工の男性が立って作業をしている。

溶接工に向いている人にはいくつかの特徴がありますが、これらの特徴がないからと言って溶接工になることを諦める必要はありません。

実際に未経験から溶接工になれるチャンスは意外と多く、経験を積みながらスキルや強みを伸ばすことも十分に可能です。

次に、溶接工に向いている人の特徴6つについて解説します。

体力がある人

溶接工は長時間立ったままあるいは屈んだりしゃがんだりした状態での作業が多く、さらに重いものを持ち運ぶ、固い金属を加工するなどの力仕事を要する場面が多々あります。

溶接作業中は材料や工具が熱くなるため長時間高温環境下にさらされ、業種によっては屋外や冷暖房設備が不十分な現場での作業も少なくありません。

したがって、溶接工の仕事は体力に自信があり肉体労働が苦にならない人や暑さ・寒さに強い人などに適しています。

集中力を維持できる人

溶接は細かい作業が多く、注意力散漫な状態で作業して失敗すると修正のために余計な時間がかかるなどのトラブルにつながります。

製造・建築現場においては溶接以外にもさまざまな工程があり、細かくスケジュールが組まれます。溶接作業が遅れると、後の工程にも遅れが生じてチームメンバーや客先に迷惑をかけかねません。

また、だらだらと作業して必要以上に時間外労働を増やすと、その分体力を消費してしまいます。スケジュールを守りつつ体力を温存してパフォーマンスを上げるためにも、勤務時間内に集中して作業することが大切です。

ものづくりに興味がある人

溶接はものづくりに欠かせない技術であり、自動車をはじめとする大型の機械や建築物だけでなく日用品、アクセサリー、そして医療器具などの製造にも用いられます。そのため、さまざまな分野の製造現場で溶接工へのニーズが高まっていると言えます。

また、溶接工として経験を積みつつ製品開発や生産管理などについてアイデアを出したり、マネジメントに携わったりする人も少なくありません。溶接工を目指すことは、さまざまな形でものづくりに関わるための第一歩とも言えるでしょう。

丁寧かつ慎重に作業を進められる人

電気やガスなどの危険物や重いものを日常的に扱う溶接工には、慎重さが求められます。見栄えよく安全な製品を作るためにも、1つひとつの作業を丁寧に行うことは欠かせません。

溶接作業中に発生する煙や粉塵、そして「ヒューム」と呼ばれる金属の微粒子を大量に吸い込むと、さまざまな健康被害を引き起こす恐れがあります。

また、裸眼で作業をすると強い光や鉄片などによって視力が低下したり角膜が傷ついたりするリスクもあります。ケガや健康被害を防ぐため、現場に慣れた後も決して油断せず防護服や保護マスク・メガネなどを正しく使うことが大切です。

手先が器用な人

溶接工としてさまざまな危険物や工具を取り扱いつつ細かい作業を正確にこなすため、手先の器用さも重要なポイントです。

とは言え、手先の器用さに自信がないからと言って溶接工になることを諦める必要はありません。溶接工として活躍したいというモチベーションさえあれば、根気よく経験を積むことで少しずつ細かい作業に慣れて成果を上げられるようになるでしょう。

専門性を高めたい人

近年多くの工場で溶接の自動化が進んでいるものの、人の手で緻密な溶接作業を行う現場は決して少なくありません。

溶接には幅広い知識とスキルが必要であり、溶接工として経験を積むうちにおのずと高い専門性を身につけやすくなります。専門性を高めることで仕事の幅が広がり、キャリアアップのチャンスをつかみやすくなるでしょう。

また、独立してフリーの溶接工として活躍することも1つの方法です。

溶接工として働くメリット・デメリット

「溶接工として働くメリット・デメリット」のイメージ画像‐黒字でMeritと書いてある白い板と白字でDemeritと書いてある黒い板がメモ帳の開いたページに並んでいる・虫メガネが横向きに立っており、メモ帳の横に並んでいる。

どの職業でもそうであるように、溶接工として働くことにはよい面と悪い面が存在し、溶接工に向いている要素を多くもつ人とて例外ではありません。

溶接工として働くメリットとデメリットは、次の通りです。

メリット

溶接工として働くおもなメリットは、次の通りです。

●   技術の向上に伴う大幅な昇給が期待できる
●   社会に貢献しているというやりがいを感じられる
●   将来的には独立も目指せる
●   比較的残業が少なく休みを取りやすい現場も多い

溶接工は手に職をつけやすく、経験を積むことで長く活躍でき収入アップにもつながります。日常生活やインフラに直結する仕事が多く、社会貢献しているという実感ややりがいを感じやすいことは、溶接工の大きなメリットと言えるでしょう。

近年は多くの溶接現場で自動化が進んでいるものの、完全に無人で稼働しているわけではありません。特殊な材料を加工したり新しい図面を考案したりするためには、経験を積んだ溶接工の力が必要です。なお、中小企業の工場などでは溶接工の高齢化が進んでおり、特に若手人材へのニーズが高まっています。

現場によって異なるものの、溶接工は1日の勤務時間や休憩時間がきっちり決まっている場合が少なくありません。工場勤務の溶接工であれば、工場の稼働が止まるお盆や年末年始などは長期休暇をとりやすいでしょう。

デメリット

溶接工として働くおもなデメリットは、次の通りです。

●   肉体労働が多い
●   健康・安全面でのリスクが大きい
●   知識・スキルの習得に時間がかかる
●   現場によっては人間関係が難しい

溶接工は肉体労働が多く、作業中のケガや健康被害などのリスクも高い仕事です。

しかし、日頃の生活習慣を整えつつオンとオフのメリハリをはっきりさせることで体力を温存しやすくなり、作業パフォーマンスの向上につながります。また、作業中の安全対策を徹底することで健康・安全面のリスクを軽減できます。

溶接現場には職人気質の人が多い傾向にあり、ベテラン溶接工のなかには「技術は見て盗め」というスタンスの人も少なくありません。そのため、新人溶接工の中には仕事を丁寧に教えてもらえないことなどの理由で戸惑ってしまう人もいます。

しかし、根気よく経験を積むことで次第に周囲から認めてもらえるようになるでしょう。

溶接工への転職に役立つ資格3選

「溶接工への転職に役立つ資格3選」のイメージ画像‐白い紙が風車のように5枚重なっており、その真ん中にQUALIFIVATIONの文字が見えている

溶接工として活躍するためには、幅広い知識やスキルが必要です。とは言え未経験から溶接工を目指すことも十分可能であり、実際に経験・学歴不問を謳う溶接工求人もたくさんあります。

効率よくスキルアップや収入アップを図りたい場合は、溶接工と関連の深い資格を取ることもよい方法です。溶接工への転職やスキルアップに役立つおもな国家資格は、次の通りです。

ガス溶接技能者

ガス溶接技能とは、可燃ガスや酸素を用いて金属の溶接、溶断、加熱作業を行う技能です。ガス溶接技能者資格はガス溶接技能を証明する国家資格であり、溶接関連資格の中では初級者向けの資格とされています。

ガス溶接技能講習(学科9時間、実技5時間)を受講し、かつ修了試験で6割以上正答することで、ガス溶接技能者資格を取得できます。

ガス溶接技能講習は各都道府県が定める機関で受講でき、原則として18歳以上であれば誰でも受講可能です。一部の受講先では17歳未満でも受講できますが、年少者労働基準規則の定めにより満18歳の誕生日以降に修了証が交付されます。

アーク溶接作業者

アーク溶接技能とは、アーク溶接機を用いて金属の溶接、溶断を行う技能です。アーク溶接技能者資格はアーク溶接技能を証明する国家資格であり、ガス溶接技能者資格とともに初級者向けの資格とされています。

アーク溶接特別教育(学科11時間、技能10時間)を修了することで、アーク溶接作業者資格を取得できます。

アーク溶接特別教育は各都道府県が定める機関で受講でき、ガス溶接技能者講習と同じく18歳以上であれば誰でも受講可能です。なお、アーク溶接特別教育に修了試験はありません。

ボイラー溶接士

ボイラー溶接士とは、水蒸気や温水を作る機械「ボイラー」や第1種圧力容器などの製造、修理に必要な溶接技能を証明する国家資格です。

ボイラー溶接士の資格は普通ボイラー溶接士と特別ボイラー溶接士の2種類があり、ガス溶接技能者やアーク溶接技能者と比べて資格取得の難易度が上がります。ボイラー溶接士試験の受験資格は、それぞれ次の通りです。

普通ボイラー溶接士特別ボイラー溶接士
●   溶接工として1年以上の実務経験を積む(ガス溶接、自動溶接を除く)
●  普通ボイラー溶接士免許試験(学科、実技)に合格する
●   普通資格取得後、1年以上ボイラーまたは第一種圧力容器の溶接作業の実務経験を積む(ガス溶接、自動溶接を除く)
●   特別ボイラー溶接士免許試験(学科、実技)に合格する

いずれのボイラー溶接士資格も、「1年以内に実施された学科試験に合格している」「免許の有効期間満了後2年以内」などの条件を満たすと試験科目の一部が免除されます。

まとめ

熱や圧力を用いて金属を加工する溶接工は、製造業や建築業をはじめとするさまざまな分野で活躍しています。溶接工は業務の特性上さまざまな危険物を取り扱い、さらに長時間の立ち仕事や力仕事を要する一方で、高い専門性を身につけて大きなやりがいを感じられる仕事です。

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