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2026.04.07

3Dプリンターとは?原理・できることから主な造形方式まで紹介!

「3Dプリンターとは?原理・できることから主な造形方式まで紹介!」のイメージ画像‐3Dプリンターのノズルから白い樹脂が排出され「3D」の文字を造形する様子

3Dプリンターは、3D-CADや3D-CGなどの3次元ソフトで作成したデータをもとに、立体物を造形できる装置です。当記事では、3Dプリンターの概要や原理・仕組みから、主な6つの造形方式まで徹底解説しています。

3Dプリンターは、デジタルデータをもとに立体物を造形できる製造技術として、近年さまざまな分野で活用が広がっています。従来は加工や成形に時間やコストがかかっていた部品や試作品も、短期間で形にできるようになり、ものづくりの現場に大きな変化をもたらしています。

製造業に関わる人材にとって、3Dプリンターの仕組みやできること、造形方式は重要な知識と言えるでしょう。用途や目的に応じて適切な方式を選ぶことで、品質や効率の向上にもつながります。

そこで今回は、3Dプリンターの原理や仕組み、できることをはじめ、主な造形方式の特徴まで分かりやすく紹介します。3Dプリンターの導入を検討している人はもちろん、ものづくりに興味があり、3Dプリンターの基礎知識を知りたい人も、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修

ウイルタス編集部

ウイルタスでは、製造業・ものづくり業界に特化した人材サービスを展開しています。
当メディアでは、求職者の方に役立つキャリア形成のノウハウから、現場で活かせるスキルや業界トレンドまで、幅広い情報をお届けしています。

3Dプリンターとは?

「3Dプリンターとは?」のイメージ画像‐3Dプリンターで緑色の花瓶を造形中の様子。プラスチック素材を積層して立体物を制作し、手前には試作品のオレンジ色キューブと歯車パーツが置かれている。

3Dプリンターとは、3D-CADや3D-CGなどの3次元ソフトで作成したデータをもとに、立体物を造形できる装置のことです。一般的なプリンターが紙などの平面に文字や画像を印刷するのに対し、3Dプリンターは材料を積み重ねて形状を作り上げる点が大きな特徴です。

近年では、製造業をはじめとした幅広い分野で活用が進んでおり、試作品の作成や部品製造など、ものづくりの工程に欠かせない技術の1つとなっています。

3Dプリンターは、設計データをもとに複雑な形状の立体物を比較的短期間で造形できるため、従来の加工方法では難しかった設計の自由度向上にも貢献しています。また、樹脂や金属、石膏など多様な材料に対応していることから、用途に応じた柔軟な製造が可能です。

このように、3Dプリンターは製造業における生産効率の向上や新しい価値創出を支える技術として注目されています。

3Dプリンターの原理と仕組み

3Dプリンターは、「積層原理」と呼ばれる仕組みによって立体物を造形します。

積層原理は、3次元ソフトで作成したデータを薄い断面ごとに分割し、その断形状を一層ずつ積み重ねていくことで立体物を完成させる方法です。材料には樹脂や金属粉末などが用いられ、熱で溶かして固めたり、光やレーザーを照射して硬化・焼結させたりすることで形状を作ります。

従来の製造方法には、材料の塊を削る切削加工や、型に材料を流し込む成形加工などがありますが、3Dプリンターは材料を必要な部分にのみ積み上げていく点が大きな違いです。

3Dプリンターでの一般的な製造工程は、まず3D-CADなどで設計したデータを作成し、そのデータをスライスソフトによって層状の情報に変換します。その後、3Dプリンターにデータを送信し、設定に従って材料を積層しながら造形を行い、必要に応じて表面加工などの後処理を施して完成となります。

かつて製造業といえば「重厚長大」なイメージでしたが、今は3Dプリンターやデジタル技術の普及で、誰もがクリエイターになれる時代です。「自分で何かを作るのが好き」な人はこちらのコラムもご参考ください

また、求人サイト「WILL+(ウイルタス)」では、工業製品を支える「ものづくり」の現場で新しい仲間を募集しています。求人情報はこちらからどうぞ。

3Dプリンターでできること

「3Dプリンターでできること」のイメージ画像‐白い3Dプリント作品のサンプル集。動物フィギュアや星形、塔型オブジェなど多様な立体モデルを高精度3Dプリンターで造形した例。

3Dプリンターでできることは多岐にわたり、製品開発から製造工程までさまざまな場面で活用されています。3D-CADや3D-CGなどで作成した設計データをもとに立体物を造形できるため、試作や部品製造、工程改善など幅広い用途に対応できる点が特徴です。

従来の加工方法では時間やコストがかかりやすかった工程も効率化できることから、製造業における開発スピードの向上や品質改善にもつながっています。

そこで次に、3Dプリンターの代表的な活用例を具体的に紹介します。

試作品(モックアップ)の製作

3Dプリンターは、製品開発の初期段階で使用する試作品(モックアップ)の製作に広く活用されています。

設計した製品を立体物として出力することで、形状やサイズ感、外観のバランスなどを実物に近い形で確認・共有できる点が大きなメリットです。図面や画面上のデータだけでは把握しにくい細部も、実際に手に取って確認できるため、設計の精度向上にもつながります。

従来の切削加工や成形加工では、試作品を作るために金型や専用工具を準備する必要があり、時間や費用がかかることが一般的でした。

一方で、3Dプリンターは設計データから直接造形できるため、短期間かつ比較的低コストで試作が可能です。複数パターンの試作品を作成しやすく、設計の改善を繰り返しながら開発を進められる点も大きな特徴です。

金型の造形

3Dプリンターは、製品を大量生産する際に使用される金型の製作にも活用されています。

従来の金型製作では金属加工による工程が多く、完成までに時間を要するケースも少なくありません。しかし、3Dプリンターを利用することで、複雑な形状の金型でも効率的に造形しやすくなります。

また、試作用の簡易金型を短期間で製作できるため、量産前の検証をスムーズに進めやすくなります。結果として、製品形状の調整や不具合の改善を早期にうことができ、製造工程全体の効率化にもつながるでしょう。

なお、近年では冷却構造を内部に組み込んだ金型など、従来の加工では難しかった構造にも対応できる3Dプリンターも注目されています。

機構確認(動作確認)

3Dプリンターは、製品内部の構造や可動部分の機構確認(動作確認)にも役立ちます。

複数の部品が組み合わさる構造の場合、設計通りに動作するかの事前確認が欠かせません。従来の方法では、試作のために型や専用工具を準備する必要があり、設計変更が発生した場合にコストや時間のロスが生じることもありました。

しかし、3Dプリンターを活用すれば、比較的低コストな材料で実製品に近いモデルを作成し、可動パーツや部品同士の動作を検証できます。検証プロセスの効率化は、開発期間の短縮や品質向上にもつながるでしょう。

治工具の製作

製造現場で使用される治具や工具(治工具)の製作にも、3Dプリンターが活用されています。

治工具とは、部品の固定や位置決め、作業効率の向上などを目的として使用される補助器具のことです。製品ごとに形状が異なる場合でも、3Dプリンターを使えば必要に応じて専用の治工具を設計・製作できます。

従来は金属加工によって製作することが多く、完成までに時間がかかることもありましたが、3Dプリンターを利用すれば比較的短期間で製作できます。現場の課題に応じて柔軟に設計変更ができるため、作業効率の改善や品質の安定化にも役立つでしょう。

3Dプリンターのメリット・デメリット

「3Dプリンターのメリット・デメリット」のイメージ画像‐「MERIT」と「DEMERIT」の文字ブロックを並べたイメージ。メリット・デメリットの比較や利点・欠点の分析、ビジネスや意思決定の概念を表現した写真。

3Dプリンターを活用して試作品や実用品を造形することには、多くのメリットがある一方で、用途によっては注意すべき点もあります。

ここからは、3Dプリンターの主なメリットとデメリットをそれぞれ詳しく紹介します。

メリット

3Dプリンターのメリットは、下記の通りです。

●製品開発のスピードを向上できる

3Dプリンターは、設計データから直接立体物を造形できるため、試作品の製作にかかる時間を短縮できます。従来のように金型や専用工具を準備する必要がない場合も多く、設計変更が生じた際も迅速に再試作が可能です。

試作と検証を繰り返しやすくなることで、開発全体のリードタイム短縮にもつながります。

●複雑な形状の造形が可能となる

積層して造形する仕組みにより、内部が入り組んだ構造や中空形状など、従来の切削加工や成形加工では難しかった形状にも対応できます。工具の制約を受けにくいため、設計の自由度が高く、軽量化や機能性向上を目的とした構造の実現にも役立ちます。

複数の部品を一体化した形状を造形できるケースもあり、部品点数の削減につながる可能性もあります。

●属人的な技能に依存しにくい

3Dプリンターは、3D-CADなどで作成したデータをもとに自動で造形を行うため、熟練した職人の経験や勘に依存しにくい点もメリットです。同じデータを使用すれば、基本的には同一の形状を再現できるため、品質のばらつきを抑えやすくなります。

作業手順の標準化を進めやすく、製造工程の安定化にも寄与します。

デメリット

3Dプリンターの主なデメリットは、下記の通りです。

●使用可能な材料に制限がある

3Dプリンターで使用できる材料は、造形方式によって異なります。樹脂や金属など対応できる素材の種類は増えているものの、すべての材料に対応しているわけではありません。

また、材料によっては強度や耐熱性、耐候性に制約がある場合もあり、用途によっては期待する性能を満たせない可能性があります。

製品の使用環境や必要な特性を踏まえて材料を選ぶことが重要です。

●高い精度が求められる製品や大量生産には不向きとなる

3Dプリンターは開発段階での試作には適していますが、製品を1つずつ造形する仕組みのため、大量生産には時間がかかる場合があります。

また、非常に高い寸法精度が求められる部品では、追加の加工が必要になるケースもあります。用途によっては切削加工や成形加工と組み合わせるなど、適切な製造方法を選択することが重要です。

3Dプリンターの主な造形方式6選

「3Dプリンターの主な造形方式6選」のイメージ画像‐熱溶解積層法(FDM方式)の3Dプリンターで精密な部品を印刷中の造形工程

3Dプリンターは、造形方式によって得意分野や用途が大きく異なります。素材や造形精度、後加工のしやすさなども方式ごとに特徴があるため、使用目的に合わせて選ぶことが重要です。

ここからは、3Dプリンターの代表的な6つの造形方式についてそれぞれ詳しく紹介します。

熱溶解積層方式(FDM)

熱溶解積層方式(FDM:Fused Deposition Modeling)は、ABS樹脂やPLAなどの熱可塑性樹脂を融解し、ノズルから押し出して一層ずつ積層する方です。コンシューマー向け3Dプリンターとして最も主流な方式で、低価格帯のモデルにも多く採用されています。

●メリット

熱可塑性樹脂を使用するため比較的安全に利用でき、材料の種類も豊富です。PLAをベースに、エラストマー系やカーボン系など特殊なフィラメントも利用可能で、工業用のポリカーボネートなどにも対応しています。

●デメリット

一筆書きで造形するため、同じ物を複数作成する場合は時間を要する点がデメリットです。また、積層痕が目立つ場合があるため、表面仕上げや精密な見た目を求める用途には後加工が必要となります。

熱溶解積層方式の3Dプリンターは、試作(モックアップ)や一品モノの治具・最終製品の製作に向いています。特に、実機での機能テストや耐久テストにも使える物性を備えており、初期導入用としてもおすすめです。

光造形方式(SLA)

光造形方式(SLA:Stereo Lithography Apparatus)は、液体状の光硬化樹脂に紫外線を照射し、一層ずつ硬化させて立体物を造形する方式です。レーザー方式は一点ずつ照射、DLP方式は一括面露光で造形します。高精細な造形が可能で、コンシューマー向けや産業向けともに幅広く活用されています。

●メリット

高精細かつ大型の造形が得意で、材料収縮や熱変形が少ない点が特徴です。造形後の加工も容易で、染色・塗装・メッキなどの後処理がしやすく、透明素材で可視化モデルを作ることも可能です。

●デメリット

産業用モデルは高額でコストがかかることが多く、紫外線による劣化や後処理の手間も考慮が必要です。耐久性や強度が求められる最終製品向けとしては制約があります。

光造形方式の3Dプリンターは、自動車部品の試作や大型モックアップ、映画やアート作品の小道具制作など、精細さやサイズを重視する用途に向いています。

粉末焼結積層造形方式(SLS)

粉末焼結積層造形方式(SLS:Selective Laser Sintering)は、ナイロンや金属の粉末材料にレーザーを照射して焼結させる方式です。サポート材なしで複雑な形状を造形できるため、工業用の試作や部品製造に適しています。

●メリット

複雑なモデルをサポートなしで造形可能で、ナイロン粉末の場合は大きなワークサイズや高い材料強度も実現できます。金属粉末では、従来の切削や型では作れなかった形状を造形でき、実製品の部品としても活用可能です。

●デメリット

粉末材料を使用するため、粉塵対策や空調設備など特別な環境が必要で、取り扱いには注意が求められます。

SLS方式の3Dプリンターは、試作だけでなく、医療用インプラントやジェットエンジン部品など、実製品の部品製造にも向いています。

インクジェット方式

インクジェット方式は、液体状の光硬化性樹脂をインクジェットノズルから噴射し、紫外線で硬化させながら積層する方式です。微細な液滴をコントロールできるため、高精細な造形が可能で、複数材料の混合利用にも対応しています。

●メリット

高精度・高解像度で超微細な造形が可能です。ゴムライク素材やエラストマー系など複数材料の利用も可能で、光造形よりも設置環境が容易です。

●デメリット

サポート材の除去には専用機材や溶剤が必要で、使用できる素材は粘度が低い液状樹脂に限られます。

インクジェット方式の3Dプリンターは、医療用モデルやゴムライク素材のモックアップ、射出成型用の原型製作など、精細さを重視した用途に向いています。

バインダージェット方式

バインダージェット方式は、粉末材料の層にバインダー(結合剤)を噴射して固め、層を積み重ねて立体物を造形する方式です。完成後は脱脂・焼結などの後処理が必要です。

●メリット

サポート材が不要で、多数の造形物を効率よく作成できます。着色もしやすく、造形速度も速い点が特徴です。

●デメリット

表面精度が粗く、粉末の飛散や後処理の手間がかかります。強度も限定的で、強度を求める用途には向きません。

バインダージェット方式の3Dプリンターは、デザイン確認用モデルやフィギュアなど、強度を求めない造形物に適しています。

BMD方式

BMD方式(Bound Metal Deposition)は、金属粉末とバインダーでできた棒状材料を熱で溶かして押し出し、一層ずつ積層する方式です。造形後に脱脂・焼結を行い、金属部品として完成させます。

●メリット

従来の金属3Dプリンターより導入が容易で、複雑な形状の金属部品も精度高く造形できます。低コストでの金属造形や多品種少量生産に適しています。

●デメリット

焼結時にガスを使用するためランニングコストがかかります。また、有機溶剤を扱うため局所排気装置が必要です。

BMD方式の3Dプリンターは、金属製品の開発スピードを向上させたい場合や、プロトタイプ・少量生産に最適です。

まとめ

3Dプリンターには用途や材料に応じた多様な造形方式があり、熱溶解積層方式(FDM)や光造形方式(SLA)、粉末焼結積層方式(SLS)など、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。小型モデルの試作から金属部品の少量生産まで、目的に応じて最適な方式を選ぶことが重要です。

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