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育休制度とは?育児休業をはじめとした9つの制度を分かりやすく解説
「育休制度=育児休業」と考える人もいますが、厳密には誤りです。当記事では、正式な育休制度の概要と、育休制度を構成する主な9つの支援制度について徹底解説しています。育児と仕事を両立しながら働きたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
出産や育児と仕事を両立するためには、働く側だけでなく企業側にもさまざまな配慮や制度が求められます。共働き世帯の増加や男性の育児参加が進んでいる近年では、すべての労働者が育児を理由に働き方を調整することが特別ではなくなりつつあります。
こうした背景のもとで重要となるのが「育休制度」です。育休制度は育児休業だけを指すわけではなく、実際には特別休暇や労働時間の制限、柔軟な働き方を支援する仕組みなど、複数の制度によって成り立っています。
そこで今回は、育休制度の基本的な考え方を押さえた上で、育児休業をはじめとした9つの育児両立支援制度について、それぞれの概要や詳細を分かりやすく解説します。
目次
ウイルタス編集部
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育休制度(育児休業制度)とは?
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育休制度とは、労働者が子育てと仕事を両立できるよう支援し、育児に伴う身体的・精神的な負担を軽減することを目的に国が整備している制度です。
育児・介護休業法に基づき定められた「育児に関する複数の休業制度全体」を総称した包括的な枠組みで、正式名称は「育児休業制度」と言います。
一般的には「育児休業」が「育休」と略称されることから、「育休制度=育児休業」と認識されがちですが、厳密には違います。育児休業は、あくまで育休制度(育児に関する複数の休業制度全体)の中に含まれる代表的な制度に過ぎないことを覚えておきましょう。
育休制度を構成する主な9つの育児両立支援制度を分かりやすく紹介!

前述の通り、育休制度とは「育児に関する複数の休業制度全体」を総称した包括的な枠組みです。
多くの人が「育休制度」と聞いて思い浮かべる育児休業は、制度全体の中でも特に中心的な制度と言えますが、実際には育児休業以外にも子育て期のさまざまな場面に対応した制度が整備されています。
| 育休制度を構成する主な9つの育児両立支援制度 |
| (1)育児休業 (2)産後パパ育休 (3)パパ・ママ育休プラス (4)子の看護等休暇 (5)短時間勤務等の措置 (6)所定外労働の制限 (7)時間外労働の制限 (8)深夜業の制限 (9)柔軟な働き方を実現するための措置 |
上記の多様な育休制度を状況に応じて組み合わせて活用することで、出産直後から子どもの成長段階に応じた、より柔軟な働き方と仕事の両立が可能になるでしょう。
ここからは、育休制度を構成する主な9つの育児両立支援制度について、それぞれ概要や要件とともに分かりやすく紹介します。
育児休業
育児休業(育休)とは、原則として1歳に満たない子どもを養育する労働者が取得できる公的な休業制度です。育児・介護休業法第2条に基づき従業員の権利として定められており、就業規則に明記されていない場合でも、一定の要件を満たせば男女を問わず取得できます。
| 対象者 | 1歳に満たない子どもを養育する男女の労働者 |
| 対象期間 | 子どもが1歳になるまでの連続した期間(最長2歳まで延長可能) |
| 給付金 | あり(育児休業給付金・出生後休業支援給付金) |
有期雇用労働者(パート・アルバイトなど)の場合でも、申出時点で「子どもが1歳6か月に達する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでない」などの要件を満たせば取得できます。
取得期間は子どもが1歳になるまでの連続した期間ですが、保育所に入所できないなどの事情がある場合は、最長2歳まで延長が可能です。取得回数は子ども1人につき原則2回までとされています。
また、育児休業中は雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。支給額は、育休開始から180日目までは休業開始時賃金の67%、181日目以降は50%です。
さらに2025年4月からは、新たに「出生後休業支援給付金」が創設されました。両親ともに14日以上の育休を取得した場合に育児休業給付金と併せて受給できる制度であり、支給額は「休業開始時賃金日額×休業日数(上限28日)×13%」で計算されます。
育児休業給付金と出生後休業支援給付金を組み合わせることで、最大で賃金の約80%相当の給付を受けられ、育休中の経済的負担を大きく軽減できます。
産後パパ育休
産後パパ育休とは、子どもの出生後8週間以内に、父親が取得できる特別な育児休業制度です。正式名称は「出生時育児休業」と言い、出産直後の母親の心身の回復や育児への参画を目的として設けられています。
| 対象者 | 子どもが生まれた男性労働者 |
| 対象期間 | 出生後8週間以内に最大4週間(分割して2回まで取得可能) |
| 給付金/休業中の給与支給 | あり(育児休業給付金・出生後休業支援給付金) |
産後パパ育休の特徴は、2回に分けて取得できる点にあります。例えば、出産直後と少し時間が経ってから分割取得することも可能です。また、労使協定を締結していれば、一定の条件下で休業中に就業することも認められています。
短期間でも集中的に育児に関われる制度として、男性の育休取得促進を目的に活用が進んでいます。
パパ・ママ育休プラス
パパ・ママ育休プラスとは、両親ともに育児休業を取得する場合に、育休の取得可能期間を延長できる制度です。
| 対象者 | 配偶者も育児休業を取得する労働者 |
| 対象期間 | 子どもが1歳2か月を迎えるまで |
| 給付金/休業中の給与支給 | あり(育児休業給付金) |
通常、育児休業の対象期間は原則として「子どもが1歳を迎えるまで」ですが、パパ・ママ育休プラスを利用すれば、子どもが1歳2か月を迎えるまで両親のいずれかが育休を取得(延長)できます。
夫婦で役割分担しながら、育児と仕事を両立したい場合に有効な制度と言えるでしょう。
子の看護等休暇
子の看護等休暇とは、子どもの病気やけが、予防接種や健康診断の付き添い、学級閉鎖による子どものお世話、さらに入園(入学)式・卒園(卒業)式の参列など、子育て期におけるさまざまな場面で取得できる休暇制度です。
| 対象者 | 小学生3年生修了前の子どもを養育する労働者 |
| 対象期間 | 子ども1人につき年5日(2人以上は年10日) |
| 給付金/休業中の給与支給 | 企業によって異なる |
子の看護等休暇は、育児・介護休業法において賃金支払いの義務がありません。休暇中に給与を支給するかどうかは企業の判断によって異なりますが、無給とする企業が多数となっています。
短時間勤務等の措置
短時間勤務等の措置とは、3歳に満たない子どもを養育する労働者が仕事と育児を両立しやすくなるよう、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮するという支援措置です。
| 対象者 | 3歳に満たない子どもを養育しており、かつ次の要件を満たす労働者 ● 日々雇用される労働者でない ● 1日の所定労働時間が6時間以下でない ● 短時間勤務の適用期間に育児休業を取得していない |
| 給付金/休業中の給与支給 | あり(育児時短就業給付金) |
業務の性質上、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮することが困難と認められる場合、事業主は代替措置を講じる必要があります。育児休業に関する制度に準ずる措置のほか、フレックスタイム制や時差出勤制度、テレワークの導入、保育施設の設置・運営などの中から、いずれか1つ以上の制度を整備しなければなりません。
なお、短時間勤務中の経済的支援として、「育児時短就業給付院」が利用できます。育児時短就業給付金では、2歳未満の子どもを養育する雇用保険の被保険者のみ、短時間勤務中の賃金の10%相当額が支給されます。
所定外労働の制限
所定外労働の制限とは、一定の要件を満たした育児中の労働者の残業を免除する制度です。
| 対象者 | 小学校就学の始期を迎えるまでの子どもを育てる労働者(日々雇用されている労働者を除く) |
| 利用期間・回数 | 1回の請求につき「1か月以上1年以内」(請求回数の制限なし) |
所定外労働の制限は、子どもが小学校就学の始期を迎えるまでの期間、労働者が会社に対して請求することで利用できます。1回の請求につき1か月以上1年以内の範囲で残業の免除を受けることができ、請求回数に制限はありません。
ただし、請求に応じることが「事業の正常な運営を著しく妨げる」と認められる場合には、例外的に会社が請求を拒むことも認められています。実際の運用にあたっては、業務内容や職場の状況を踏まえた調整が行われることも覚えておきましょう。
時間外労働の制限
時間外労働の制限とは、一定の要件を満たした育児中の労働者について、時間外労働(法定労働時間を超える残業)に上限を設ける制度です。所定外労働の制限のように残業そのものを免除する制度ではなく、長時間労働を防ぐことを目的とした制度となっています。
| 対象者 | 小学校就学の始期に達するまでの子どもを養育しており、次の要件を満たす労働者 ● 日々雇用される労働者でない ● 勤続年数が1年以上である ●1週間の所定労働日数が3日以上である |
| 対象期間 | 1回の請求につき「1か月以上1年以内」(請求回数の制限なし) |
時間外労働の制限を請求した場合、労働者の時間外労働は原則として「1か月24時間以内、1年150時間以内」に制限されます。子どもが小学校就学の始期を迎えるまでの期間であれば、必要に応じて繰り返し請求することが可能です。
なお、所定外労働の制限と同様に、請求に応じることが事業の正常な運営を著しく妨げると認められる場合には、例外的に請求が認められないケースもあります。
深夜業の制限
深夜業の制限とは、一定の要件を満たした育児中の労働者について、深夜業(午後10時から午前5時までの就業)を制限する制度です。夜間の育児負担を考慮し、生活リズムの確保を目的としています。
| 対象者 | 小学校就学の始期に達するまでの子どもを養育しており、次の要件を満たす労働者 ● 日々雇用される労働者でないこと ● 勤続年数が1年以上であること ● 1週間の所定労働日数が3日以上であること ● 所定労働時間のすべてが深夜帯に設定されていないこと ● 深夜時間帯に子どもの保育を行える同居の家族がいないこと |
| 対象期間 | 1回の請求につき「1か月以上1年以内」(請求回数の制限なし) |
労働者が会社に深夜業の制限を請求することで、原則として一定期間中の深夜帯の就業が免除されます。子どもが小学校就学の始期を迎えるまでの間、家庭の状況に応じて柔軟に活用できます。
柔軟な働き方を実現するための措置
柔軟な働き方を実現するための措置とは、育児期の労働者が仕事と家庭を両立しやすい環境を整えるため、事業主に対して複数の働き方を用意することを求める制度です。事業主は、一定の要件を満たした労働者に対し、国が示す5つの措置の中から2つ以上を選択して講じなければなりません。
| 対象者 | 3歳から小学校就学前までの子どもを養育する労働者(日々雇用されている労働者を除く) |
| 選択して講ずべき措置 | (1)始業・終業時刻の変更 (2)テレワーク等の導入 (3)保育施設の設置・運営など (4)養育両立支援休暇の付与(年間10日以上) (5)短時間勤務制度の導入 |
企業は選択して講ずべき措置から少なくとも2つ以上を選択し、対象となる労働者が利用できる体制を整える必要があります。育児の状況や業務内容に応じて、より現実的な働き方を選べる点が、柔軟な働き方を実現するための措置の特徴です。
育休制度と混同されやすい出産・育児にまつわる制度2つ

育休制度は厳密には「育児に関する複数の休業制度」の総称ですが、広義の育休制度は法定休暇である「育児休業」も含まれます。
さらに、育児に関する休業・休暇制度には、法律で定められた育休制度だけでなく、企業が独自に設けている制度も存在しています。しかし、企業独自の制度は育休制度の枠組みには含まれないため、育休制度と混同しないよう注意しておきましょう。
最後に、育休制度と混同されやすい出産・育児にまつわる制度を2つ紹介します。
●育児休暇(育児目的休暇)
育児休暇(育児目的休暇)とは、育児を目的として取得する休暇です。法律上で定められた「育児休業制度」とは異なり、企業ごとの就業規則で設けられる任意の休暇制度にあたります。
子どもの学校行事や保育園の送迎など、育児に伴うさまざまな場面で利用できるよう、企業が独自に付与しています。そのため、制度の有無や付与日数、取得条件は企業ごとに大きく異なります。また、育児休暇中の給与支給や休暇取得のルールも会社ごとに定められており、法的な給付金制度はありません。
●産前・産後休暇
産前・産後休暇は、出産をした母親が出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から出産後8週間までの間に取得できる法定休暇制度です。母体の負担を考慮して就業を制限するものであり、男女を問わず取得できる育児休業とは目的や適用範囲が異なります。
産前・産後休暇中は、健康保険から「出産手当金」が支給される場合があります。手続きにおいては医師の診断書など一定の要件が求められる場合があるため、会社の人事担当者や社会保険窓口で事前に確認しておくことをおすすめします。
こちらのコラムでも詳しくご紹介しておりますので、ぜひご参考ください!
まとめ
育休制度は、育児と仕事を両立するために設けられた重要な制度であり、育児休業をはじめ、短時間勤務制度や時間外労働の制限など、さまざまな支援制度で構成されています。一方で、育児休暇(育児目的休暇)や産前・産後休暇など、育休制度と混同されやすい制度も存在するため、それぞれの目的や位置づけを正しく理解しておくことが大切です。
また、各種制度の内容は企業や働く環境によって異なります。製造業で育児と仕事の両立を目指す場合は、制度が整った職場を選ぶことが重要なポイントとなるでしょう。
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