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製造業・工場のお仕事
2026.01.20

保守・保全・メンテナンスの違い|設備保全の種類や役立つ資格も

「保守・保全・メンテナンスの違い|設備保全の種類や役立つ資格も」のイメージ画像‐サーバールームでネットワーク機器を点検するITエンジニアの男女|ノートパソコンを使ったシステム管理とインフラ保守の作業風景

当記事では、「保守」「保全」「メンテナンス」のそれぞれの言葉の違いや設備保全の種類、さらに設備保全や保守・メンテナンス業務に向いている人の特徴やおすすめの資格について徹底解説しています。

製造工場やプラント、ビル管理などの現場では、設備や機械を安定的に稼働させるためのさまざまな取り組みが欠かせません。

その中でも「保守」「保全」「メンテナンス」といった言葉は頻繁に用いられるものの、それぞれの意味や役割を正しく理解できていないという人も多くいるのではないでしょうか。

そこで今回は、保守・保全・メンテナンスの違いや設備保全の種類、さらにこれらの業務に向いている人の特徴やおすすめの資格まで詳しく説明します。工場やプラント、ビルの保守・保全・メンテナンス業務に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修

ウイルタス編集部

ウイルタスでは、製造業・ものづくり業界に特化した人材サービスを展開しています。
当メディアでは、求職者の方に役立つキャリア形成のノウハウから、現場で活かせるスキルや業界トレンドまで、幅広い情報をお届けしています。

保守・保全・メンテナンスの意味と違い

「保守・保全・メンテナンスの意味と違い」のイメージ画像‐製造業とオフィスワークを担当する男女社員が自信に満ちた表情で並ぶビジネスイメージ|異業種連携や働き方改革を象徴する人物写真

製造業の求人情報では、「保守・保全スタッフ」「メンテナンススタッフ」という言葉が頻出します。いずれも工場やプラント、ビルの設備・機械を安全に、かつ安定した稼働させるために欠かせない役割であることは多くの人が理解しているでしょう。

しかし、それぞれの言葉が実際にどのような意味をもつのか、きちんと区別して説明できる人は意外と少ないのが実情です。似たような意味として捉えられがちですが、実はそれぞれの言葉には異なる役割・目的があります。

保守【定義】
保ち守ること/正常な状態を維持すること
 
【具体例】
故障箇所の修理・動作不良が発生した場合の修繕対応など、設備や機械を正常な状態で維持するために行う作業全般
保全【定義】
保護して安全であるようにすること
 
【具体例】
定期点検・予防措置など、設備や機械の劣化・故障を防ぐために行う事前対策
メンテナンス【定義】
(建物・機械などの)維持/管理/保守
 
【具体例】
設備や機械を正常な状態に保つための作業全般

上記を見て分かる通り、メンテナンスという言葉には保守の意味も含まれており、保守もメンテナンス業務の一部と言えるでしょう。

かつて製造業界では、設備が壊れる前に行う予防的な作業(点検・交換・清掃など)を「保全」、壊れた後に行う修繕や復旧作業を「保守・メンテナンス」として区別するのが一般的でした。

しかし、近年ではこれらの言葉が明確に区別されず、ほぼ同義として扱われるケースも増えています。こうした背景には、「“保守も保全も含めた一連の業務が設備の安定稼働に不可欠であり、密接に結び付いている”という考え方の浸透」が挙げられます。

【注意点】実際の意味や使い方は企業によって異なる

近年では保守・保全・メンテナンスがいずれも同義として扱われるケースも増えているとは言え、実際には企業によって言葉の使われ方が大きく異なることに注意が必要です。

そのため、気になる求人票にて「保守・メンテナンス業務」や「保全業務」という言葉を目にした場合、それが具体的にどのような業務を指しているのか確認しておきましょう。

設備保全の主な種類

「設備保全の主な種類」のイメージ画像‐建設現場でトランシーバーを使用して連絡を取る作業服姿の男性作業員|安全管理・現場監督・インフラ工事のコミュニケーション風景

「保全」という言葉は、「保守・メンテナンス」と比較してやや複雑な意味合いをもっています。その理由の1つが、保全の業務範囲の広さにあります。

保全の中には、設備が壊れる前に行う予防作業だけでなく、壊れた後に行う修理(事後対応)まで含まれています。こうした点が、保守・保全・メンテナンスそれぞれの言葉の使い分けを曖昧にし、同義語として扱われ始めた一因とも言えるでしょう。

そこで次に、保全(設備保全)に焦点を当てて、代表的な3つの種類(予防保全・事後保全・予知保全)について詳しく解説します。

予防保全

予防保全とは、設備や機械が故障する前に不具合を未然に防ぐために行う保全活動です。定期的な点検や部品交換などを通じて、突発的なトラブルや故障を未然に防ぎ、安定した稼働を維持することを目的としています。

また、予防保全はさらに「時間計画保全(時間基準保全)」と「状態監視保全(状態基準保全)」の2つに分類されます。

●時間計画保全(時間基準保全)

時間計画保全は、あらかじめ決められた期間や使用時間の経過を基準に、点検や部品交換を行う方法です。例えば、「年に1回必ず交換する」「1,000時間使用したら点検する」といったルールに基づいて作業を実施します。時間が基準となることから、「TMB(Time Based Maintenance)」とも呼ばれます。

時間計画保全のメリットは、トラブルの発生を事前に防ぎやすく、保全計画も立てやすい点です。しかし一方で、実際にはまだ使える部品を早期に交換してしまう可能性もあり、コストや作業工数がやや無駄になりやすいというデメリットもあります。

●状態監視保全(状態基準保全)

状態監視保全は、設備や機械の稼働状況をリアルタイムで監視し、劣化や異常の兆候が見られたタイミングで点検や修理を行う方法です。センサーを用いた振動解析・温度測定・異音検知などの技術が活用されます。設備の状態(コンディション)が基準となることから、「CBM(Condition Based Maintenance)」とも呼ばれます。

必要なタイミングでのみ保全を行えるため、効率的かつ無駄が少ないことが特徴です。ただし、異常検知には専門的な知識や設備が必要な場合も多く、導入コストが高くなりやすい点に注意が必要となります。

事後保全

事後保全は、設備や機械が実際に故障したり、目に見えてパフォーマンスが低下したりしたタイミングで修理・復旧を行う保全活動です。「計画事後保全」とも呼ばれます。

事後保全は、予防保全のような故障を未然に防ぐ考え方とは異なり、発生した不具合に対して都度修理や交換を行う点が特徴です。設備が正常に稼働している間は特に手を加えず、あくまで何らかの問題が発生した段階で必要な対応を行います。

事後保全が行われるタイミングとしては、大きく「機能停止型故障が起きた際」と「機能低下型故障」が起きた際の2つが挙げられます。

●機能停止型故障

機能停止型故障とは、設備や機械が突発的に停止し、本来の機能を果たせなくなる故障を指します。例えば「モーターが突然止まった」「機械内部の部品が破損して動かなくなった」などの不具合が該当します。こうしたトラブルは予兆がないケースも多く、事前の点検や監視では見抜けにくい傾向です。

設備の停止は、生産ライン全体に大きな影響を及ぼしかねません。場合によっては安全面でもリスクが生じるため、迅速かつ確実な復旧作業が求められます。

●機能低下型故障

機能低下型故障とは、設備や機械が稼働してはいるものの、本来の能力を十分に発揮できなくなる状態を指します。劣化による発生が多いことから「劣化故障」とも呼ばれます。事前点検や監視によって兆候を捉えやすい点が特徴です。

機能低下型故障を放置すると、生産速度の低下や製品品質の悪化だけでなく、設備の完全停止といったさらなる不具合や重大事故につながるリスクもあるため、機能停止型故障と同様に早めの対処が必要とされます。

予知保全

予知保全は、設備や機械に取り付けたセンサーなどから得られる稼働データを監視・解析しながら将来の劣化や故障を予測し、適切なタイミングで対策を行う保全手法です。

従来のように決められた期間で行う予防保全や、故障発生後に修理する事後保全とは異なり、予知保全は「今後、故障が起こりそうだ」という判断をもとに、先回りして対応するのが特徴です。

近年では、IoTやAIなどの活用が進み、設備から収集した膨大なデータをもとに劣化の兆候や異常を予測する仕組みが一般的になりつつあります。これにより、まだ十分に使える部品を無駄に交換するといった過剰保全を避けつつ、突発的な停止を未然に防ぐことが可能になります。 ただし、予知保全を導入するには、設備に対応したデータ取得システムや高精度な分析モデルの構築が欠かせません。導入費用はかかるものの、運用がうまくいけば不要な保全作業を減らし、設備の稼働率向上やトータルコスト削減につながります。そのため、生産効率の最大化を目指す多くの企業で注目されている手法となっています。

設備保全の重要性

「設備保全の重要性」のイメージ画像‐建設現場で書類を確認する女性作業員|ヘルメットと作業服を着用し、屋外で安全管理や現場チェックを行うインフラ業界の女性技術者

設備保全を行って施設内の設備や機械を安定させることは、安全性や生産性の向上、コスト削減といったさまざまな効果をもたらします。反対に、保全を怠ると事故やトラブルが発生しやすくなり、企業活動全体に大きな影響を及ぼしかねません。

ここからは、設備保全が具体的にどのような面で重要なのか、4つの視点から解説します。

安全性の確保

設備保全が重要とされる理由の1つに、安全性の確保があります。

設備や機械が正常に稼働し続けることで、突発的な故障やトラブルによる事故を未然に防ぐことが可能です。特に製造現場では、大型設備や高温・高圧の装置などが使用されることも多く、不具合が起これば従業員がケガを負うリスクも少なくありません。

定期的な設備保全を行うことで、安全性を高い水準で維持し、労働災害を防ぐ環境づくりにつながります。

製品品質の安定化

設備保全を行うことは、製品の品質を安定させるうえでも欠かせません。

万が一設備や機械の不具合が発生した場合、生産ラインが停止したり製品に不良が生じたりと、品質に大きな影響を与えるおそれがあります。日頃から定期的に点検やメンテナンスを実施し、設備の状態を良好に保つことで、不良品の発生や生産計画の遅延といったトラブルを防げます。

結果として、製品の品質が向上するだけでなく、コスト削減やリコールなどによる損失リスクの回避にもつながります。

稼働能率・生産活動の維持

設備保全を適切に行うことで、生産ラインの稼働効率を高い水準で維持できます。

設備が正常に稼働していれば、安定した生産スケジュールが保たれ、突発的な故障による停止・遅延を防ぐことが可能です。また、トラブルが減ることで復旧対応や修理と言った作業に追われる機会も減り、運用・保守にかかわる人的コストの削減を図れるでしょう。

結果的に、生産性向上とコスト削減の両方につながります。

設備・機械の耐用年数の長期化

設備保全を継続的に実施することで、設備や機械そのものの寿命を延ばすことも可能です。

定期的な点検によって劣化や不具合の兆候を早期に発見できれば、故障をはじめとした重大トラブルに発展する前に必要な対処を行えるようになります。

ボルトやナットの締め付けの確認や潤滑油の補充、さらに周辺部品・付帯設備の管理といった地道な作業の積み重ねは、設備や機械の長期的な安定稼働のほか、設備投資の抑制にも大きく寄与します。

設備保全や保守・メンテナンス業務に向いている人の特徴

「設備保全や保守・メンテナンス業務に向いている人の特徴」のイメージ画像‐作業服を着た男性技術者がノートパソコンで業務を行う様子|製造業や建設業におけるIT活用・現場のデジタル化を象徴するビジネスシーン

設備保全や保守・メンテナンス業務に向いている人には、ある程度共通した特徴があります。ここからは、向いている人に共通した特徴を3つ紹介します。

なお、共通した特徴にすべて当てはまる人でなければ向いていないというわけではありません。適性は設備保全や保守・メンテナンス業務に実際に携わる中で自然と身についていくものでもあるため、過度に心配せず一度チャレンジしてみるのがおすすめです。

機械に触れるのが好きな人

設備保全やメンテナンス業務では、日常的に設備や機械に触れる機会が多いため、機械そのものに興味をもつ人や機械の仕組み・構造に関心がある人は楽しみながら働けるだけでなく、多くのやりがいも感じやすくなるでしょう。

また、機械に対する「好き」という気持ちは、観察力を高める原動力となります。日頃から機械をよく観察・監視する習慣が身につけば、わずかな変化にもいち早く気付けるようになり、結果として故障の兆候を早期に発見できるようになります。

臨機応変な対応ができる人

修理や復旧作業には、優先順位を見極める力も必要となります。設備のトラブルは予測が難しく、突発的に発生するケースも決して珍しくありません。そのため、今起きている状況を冷静に判断し、臨機応変に対応できる柔軟性が不可欠です。

また、トラブル対応は勤務時間外に及ぶ場合もあるため、必要に応じて対応できる柔軟な姿勢も求められます。状況に応じた適切な判断と行動が取れる人は、設備保全や保守・メンテナンス業務に向いていると言えるでしょう。

注意力・洞察力に優れている人

設備保全では、ほんのわずかな変化や異常を見逃さず、的確に対応する力が求められます。日々の点検やメンテナンスでは、部品の劣化や不具合の兆候をいち早く察知する必要があります。そのため、細部にまで気を配り、慎重に確認する姿勢が大切です。

また、些細な異常を軽視せず、必要に応じて深掘りして確認できる人は、トラブルの未然防止という点でも活躍できるでしょう。

設備保全や保守・メンテナンス業務に役立つ資格

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設備保全や保守・メンテナンス業務に携わる上で、必ず取得しなければならない資格はありません。

しかし、専門的な知識や技能が求められるからこそ、関連資格の取得には「転職活動が有利になる」「キャリアアップしやすくなる」といったさまざまなメリットが生じます。

最後に、設備保全や保守・メンテナンス業務に役立つ代表的な資格を2つ紹介します。

機械保全技能士

機械保全技能士は、製造業の設備保全に関わる技能者の能力を認定する国家資格です。機械の点検・調整・修理・保守など幅広い保全作業に対応できる技術力が求められます。

機械保全技能士の資格は1級から3級まであり、受験には実務経験が必要です。取得することで専門知識の証明となり、現場での即戦力として評価されるため、転職や昇進の際に有利に働きます。

電気工事士(1種・2種)

電気工事士は、電気設備の工事・保守を行うための国家資格です。第一種と第二種があり、第一種電気工事士資格では一般住宅や小規模な設備の工事、そして第二種電気工事士資格ではさらに広範囲の電気設備の工事に対応できるようになります。いずれの種別も、資格を取得するためには筆記試験と実技試験をクリアする必要があります。

設備保全やメンテナンスの分野では、電気に関する専門知識も求められます。電気工事士の資格を取得すれば、設備保全の現場での専門性が高まり、転職時に評価されやすくなります。また、携われる保守作業の幅が大幅に広がるほか、より高度な業務を任されることも多く、キャリアアップの強力な武器となるでしょう。

こちらのコラムも是非ご一読ください。

まとめ

設備保全や保守・メンテナンス業務は、製造業工場やプラント、ビル内の設備・機械の安定した稼働を支える重要な業務です。予防的な点検から故障後の修理まで幅広い作業が含まれ、機械に対する興味や注意深さが成果につながります。

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