工場の寮生活はどんな感じ？寮の種類から選ぶポイントまで解説！

転職・就職先を考える際、生活環境も重要な要素です。寮付きの工場求人は、住む場所と働く場所をセットで確保でき、通勤時間や引越し費用も節約できる魅力的な選択肢と言えるでしょう。

近年は、食事付きや家族向け、女性向けなど企業が用意する寮のタイプも増え、寮費の負担具合や設備面にも違いが見られるようになりました。

当記事では、工場が提供する寮の種類や特徴、メリット・デメリットに加え、寮選びのポイントについても解説します。快適で便利な寮生活に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

近年では「寮付き工場求人」が増えている！

近年、製造業の中でも特に工場の求人において、「寮付き」の募集が増加しています。業界全体で人手不足気味となる中、企業が1人でも多くの求職者に対応しやすいよう、住居を提供する求人を増やしているのが実情です。遠方から働きに来る方や、「仕事はもちろん、住む場所も確保したい」という方にとって、寮完備の求人は魅力的と言えるでしょう。

「寮」と聞くと、複数人で大部屋を共有するようなイメージをもつ方もいますが、現在では1人1部屋が提供されるケースも増えてきました。プライバシーを確保しながら働ける職場も多く、安心して新しい生活をスタートすることが可能です。

工場が用意する寮の主な種類2つ

工場が用意する寮には大きく分けて、自社寮と借り上げ寮の2つのタイプがあります。それぞれ寮の特徴が異なるため、ライフスタイルやこだわりに合わせて探すとよいでしょう。

自社寮

自社寮とは、工場や企業が自社で用意した寮のことです。集合寮とも呼ばれ、寮の住人全員が同じ企業で働く人たちで占められます。トイレやお風呂、食堂などの設備は共用となるケースが大半です。食堂が併設された寮も少なくありません。

ただし、共有部分が多いと、ほかの居住者と顔を合わせる機会が多くなる点に注意が必要です。また、相部屋になる可能性もあることから、完全なプライベート空間を求める方には向かない場合もあります。それでも、最低限必要な家具・家電が備え付けられており、初期費用を大幅に抑えられるのは大きな魅力です。

借り上げ寮

借り上げ寮は、企業が従業員のために一般の賃貸マンションやアパートを借りて用意する寮です。1K・1R・1DKなどの部屋が用意されており、通常の一人暮らしと同様の環境で生活できます。借り上げ寮には食堂をはじめとしたほかの居住者との共有部分がなく、自炊も必要となるものの、プライベートな空間を保てるのが特徴です。

企業によっては家族で住める2～3LDKタイプの部屋（家族寮）を用意していることもあります。自社寮と同様に借り上げ寮でも、最低限必要な家具や家電がそろっていることが多く、引越し後すぐに生活をスタートできるのも魅力です。

工場の寮費の特徴

工場の寮費は、企業が全額を負担するケースと、寮費補助として一部のみ負担するケースの2種類です。それぞれの特徴を理解しておくと、自分に合った寮を選びやすくなります。

全額負担

工場の寮費が全額負担される場合、入寮する従業員は家賃を一切支払う必要がありません。このような「寮費無料」の条件が付いた求人は、費用面で特に魅力的です。

ただし、企業によっては全額負担が一定期間のみであったり、条件付きで提供されたりすることもあります。たとえば、最初の勤務日から数か月のみ寮費無料といったケースもあるため、事前に条件をしっかりと確認することが重要です。

家賃補助

家賃補助の場合、企業が家賃の一部を負担してくれます。企業によっても補助してくれる金額は異なりますが、家賃の2割～5割の負担となるケースが一般的です。

たとえば、家賃が5万円の部屋で企業が2割を負担する場合、従業員は4万円を支払うことになります。全額負担と比べれば費用はかかるものの、通常の賃貸マンションやアパートに住むよりも、かなり安い家賃で生活できるのは非常に魅力的です。

また、一部の工場では、あらかじめ家賃を固定している自社寮を提供するケースも少なくありません。この場合も月々の寮費が1万円程度と、周囲の家賃相場に比べて非常に安く設定されていることがあり、求職者にとっては大きな負担軽減となるでしょう。

近年増加している「条件付きの寮」とは？

近年では、より多くの従業員を集めるために、従業員の理想や目的に応じた「条件付きの寮」を完備する企業・メーカーが増加しています。複数タイプの寮を整備している企業であれば、求職者がそれぞれのニーズに応じて選ぶことが可能です。

ここからは、条件付きの寮に見られる主な条件・待遇について紹介します。

寮費無料

家賃が全額企業負担となる寮費無料の寮は、「とにかく貯金をしたい」「余計な出費を避けたい」という方に特におすすめの選択肢です。

寮費という大きな固定費を気にせずに済むのは、生活費を抑えたい人には非常に魅力的と言えるでしょう。ただし、無料となるのは寮費（賃料）のみであり、引越し費用や日用品、水道光熱費、食費などは通常通り自己負担です。

1人1部屋が与えられる寮が多く、最低限のプライバシーは保ちながら生活できます。一方で、共有スペースではほかの入居者と顔を合わせることもあるため、人付き合いが苦手な方には注意が必要です。同僚の存在がさほど気に障らないのであれば、理想的な選択肢となります。

食事付き寮

食事付き寮は、食堂で朝食と夕食を用意してもらえるタイプの寮です。

基本的に自社寮（集合寮）で提供されるシステムで、食事の準備や後片付けの手間が省けることで、自由な時間が増え、仕事やプライベートに集中しやすくなります。食堂でほかの寮生と顔を合わせることが増え、自然と交流が生まれるのも食事付き寮の特徴です。

1食あたりの費用相場は300円程度と、外食やコンビニに比べて安価です。食事の有無を事前に申請する形が一般的で、寮によっては昼食も提供されます。手間をかけずに栄養バランスの取れた健康的な食事を取れるため、料理が苦手な方や仕事で忙しい方に特に向いています。

家族寮

家族寮は、家族で一緒に住むことができるファミリータイプの寮です。2LDKや3LDKの部屋が用意され、広々とした空間で快適に生活できる寮が一般的です。家族寮なら、両親や配偶者、子どもと一緒に住むことができ、安心して家庭生活を送ることができます。

通常の寮では友人や恋人を部屋に招くのは禁止されている場合も多いですが、家族寮であればそのような制約はありません。また、企業によってはカップルでの居住やペットの飼育が許可されている物件もあります。家庭を大切にしたい方や、家族と一緒に新しい土地での生活を楽しみたい方には最適な寮です。

女性向け寮

女性向け寮は、女性が安心して快適に暮らせるよう配慮された寮です。企業によっては女性専用の物件の一部を借り上げ、寮として提供している場合もあります。たとえば、オートロックがある建物なら、セキュリティの面で安心して暮らすことができるでしょう。

また、女性専用物件ではなくとも、オートロックや防犯カメラ、バス・トイレ別など、女性が安心して快適に過ごせる寮を用意する企業は珍しくありません。女性向け寮のある求人は、特に安全面を重視する女性におすすめの選択肢です。

工場の寮を利用するメリット5選

工場の寮を利用すると、金銭面や時間、メンタルにおいてもさまざまなメリットがあります。以下で紹介するのは、寮住まいで得られる代表的な5つのメリットです。

引越しにかかる初期費用を大幅に抑えられる

工場の寮は基本的に敷金・礼金が不要で、さらにほとんどの寮に生活で必要な最低限の家具・家電がそろっています。通常、自分で賃貸マンションやアパートを借りる際には、敷金や礼金、仲介手数料などで数十万円の初期費用が必要です。

しかし工場の寮を利用する場合、これらの費用は一切かかりません。用意するのは、引越し業者への依頼代のみです。引越し業者に依頼する必要がないほど荷物が少なければ、さらに費用を抑えられるでしょう。これにより、転職や新生活スタート時の負担を大幅に軽減できます。

貯金をしやすくなる

工場の寮では家賃が全額負担されるケースや、格安で利用できるケースが大半です。そのため、生活費を大幅に節約でき、収入の大部分を貯金に回しやすくなります。食費や光熱費の負担が抑えられることもあり、経済的に非常に有利です。また、トラブルが発生した際も、対応はほとんど企業に任せられます。

特に、将来の目標に向けて貯金をしたい方にとって、工場の寮は理想的な環境と言えるでしょう。無駄な出費を減らしやすく、着実に貯金を増やせるのは、寮生活を選ぶ大きなメリットです。

通勤にかかる手間と時間を削減できる

工場の寮は勤務先となる工場の近くに設置されていることが多いため、通勤にかかる時間を大幅に短縮できます。通勤ラッシュや渋滞に悩まされることなく、徒歩や自転車で短時間で職場に到着できるのは大きなメリットです。寮と職場に距離がある場合、送迎してくれる企業も少なくありません。

これにより、通勤に使う時間や労力を節約でき、自分の自由時間も増やせます。短い通勤時間のおかげで、よりリフレッシュした状態で仕事に臨めれば、仕事のパフォーマンス向上にもつながるでしょう。

仕事場の人たちとの交流機会が増える

寮生活を送ると、同じ工場で働く人たちとの交流が自然に生まれやすくなります。特に自社寮では、食堂や共有スペースでの会話を通じて仕事上の相談を気軽にできたり、プライベートな交流が深まったりするケースが少なくありません。借り上げ寮でも比較的近所に住むことになるため、顔を合わせる機会は多めです。

これにより、職場でのコミュニケーションが円滑になり、チームワークの向上にもつながります。また、同僚との交流が増えると孤独感を感じにくくなり、より充実した生活を送りやすくなるのもメリットです。

見知らぬ土地での生活を楽しめる

工場の寮に住む場合、基本的に自分が知らない土地に移り住むケースが大半です。この新しい環境での生活は、新鮮な気持ちで日々を過ごすきっかけとなるでしょう。休日には近隣の観光スポットを巡るなど、まるで長期旅行をしているかのような気分を味わうことも可能です。新しい土地での生活を積極的に楽しみ、これまでにない体験や発見ができれば、自分自身の成長にもつながります。見知らぬ場所での生活を送りながら、新しい友人や経験を増やすチャンスを得られるのは、工場の寮に住む大きなメリットの1つです。

工場の寮を利用するデメリット3選

工場の寮には多くのメリットがありますが、当然ながらデメリットも存在します。以下では、工場の寮に入る際に留意しておきたい主なデメリットを3つ紹介します。

仕事とプライベートの切り替えが困難となりやすい

工場が用意する寮では、仕事とプライベートの線引きが曖昧になりやすいのはデメリットの1つです。

特に自社寮の場合、共有部分で仕事場の人に会う機会が多く、完全にプライベートな空間とは言えないと感じる人もいます。また、会社の敷地内にある寮に帰ることで、常に仕事の延長にいるような感覚になる方もいるでしょう。

ただし、こうした状況に不安を感じるのは最初のうちだけで、慣れてくると気にならなくなるケースが一般的です。寮生活が向いているかどうかは、個人の性格や環境への適応力によるところが大きいと言えます。

住む地域を自由に選べない

工場の寮は工場に近い場所に設置されていることが多く、住む地域を自由に選ぶことができない点はデメリットの1つです。多くの工場は郊外や工業団地に位置しており、周囲が閑散としている傾向にあります。そのため、買い物や娯楽を楽しむ場所が限られてしまうエリアも少なくありません。

特に、なるべく都会での生活を望む人や住む場所にこだわりがある人にとっては、この点は大きなネックとなる可能性があります。ただ、寮の立地や環境は工場によっても異なるため、事前に寮の周辺環境を確認することが大切です。

雇用期間の終了後は退去しなければならない

工場の寮に住む際の最大のデメリットは、雇用期間が終了した際に寮を退去しなければならない点です。通常、「退職後は何日までに出なければならない」といったルールが定められているため、契約終了後に住み続けることはできません。

ただし、こうした状況に対処する方法もいくつかあります。たとえば、次の仕事が見つかるまで寮に住み続けられるよう工場側と交渉したり、公的な貸付・給付制度を活用して新たな住居を確保したりする方法です。退去後の生活が不安な場合は、事前に自分が利用できる制度を把握しておき、必要に応じて早めに手続きを行うとよいでしょう。

工場の寮の利用を検討する際におさえておくべきポイント

工場の寮に入居を検討する際は、以下3つのポイントをおさえておくと安心です。

●   周辺環境 ●   セキュリティ対策 ●   ルール

周辺環境については、寮の近くに生活で必要なスーパーやコンビニ、病院、銀行などがあるか確認しておくとよいでしょう。郊外には周辺施設が少ない場合があるため、入居前の下見をおすすめします。

また、寮のセキュリティ対策も必ず確認しておきましょう。特に夜間の防犯対策や出入りの管理状況が整っているかどうかが重要です。交代勤務の場合、日中不在となる時間帯の防犯面もチェックしましょう。

寮には門限や異性の立ち入り制限、共用部分の利用ルールが設けられているところが大半です。ルールに従わないと、最悪の場合退去を命じられることもあるため、入居前にしっかりと確認しておくことが大切です。

まとめ

工場の寮には、自社寮と借り上げ寮の2種類があります。また近年は、寮費無料や食事付き寮、家族寮、女性向け寮といった条件付き寮のバリエーションも増えてきました。

寮生活には、プライベートの確保が難しい点や住む地域を選べないデメリットがある一方、金銭面や通勤の利便性などで大きなメリットを得られます。

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