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リベット接合とは?接合方法・メリット・デメリット・活用事例も
リベット接合は、リベットと呼ばれる金属製の部品を用いて母材同士を固定する接合方法です。今回は、リベット接合の概要・仕組みから、基本的な接合方法、メリット・デメリット、主な活用事例、リベット接合を扱う職種まで徹底解説しています。
製造業や建築分野では、金属などの部材同士をつなぎ合わせるために、さまざまな接合技術が用いられています。接合方法によって施工のしやすさや接合部の強度、適した材料などが異なるため、用途に応じた方法を選ぶことが重要です。
リベット接合は、リベットと呼ばれる金属製の部品を用いて母材同士を固定する接合方法です。航空機や鉄道車両、自動車、建築物など幅広い分野で活用されており、溶接とは接合の仕組みや特徴が異なります。
今回は、リベット接合の仕組みや溶接との違い、具体的な接合方法をはじめ、メリット・デメリットや主な活用事例、リベット接合を扱う職種まで詳しく紹介します。
ウイルタス編集部
ウイルタスでは、製造業・ものづくり業界に特化した人材サービスを展開しています。
当メディアでは、求職者の方に役立つキャリア形成のノウハウから、現場で活かせるスキルや業界トレンドまで、幅広い情報をお届けしています。
リベット接合とは?

リベット接合とは、「リベット」と呼ばれる釘や鋲(びょう)のような部品を用いて、2枚以上の母材を機械的に固定する接合方法です。主に金属同士の接合に用いられ、航空機や鉄道車両、自動車、建築物など幅広い分野で活用されています。
リベット接合の基本的な仕組みは、重ね合わせた母材の同じ位置に穴を開け、そこへリベットを差し込み、反対側に突き出た先端を工具などでつぶして固定するというものです。
この先端をつぶして固定する作業は、「カシメ(加締め)」と呼びます。リベットの両端で母材を挟み込むことで、部材同士を強固に接合できます。
リベットの素材には、ステンレスやアルミニウム、鉄、銅などがあります。それぞれ強度や加工のしやすさ、耐食性などが異なるため、接合する母材や用途、使用環境などに合わせて適切な種類を選ぶことが大切です。
リベット接合と溶接の違い
リベット接合と溶接では、母材を接合する仕組みが大きく異なります。
リベット接合は、母材にリベットを通して物理的に固定する「機械的接合」の一種である一方で、溶接は熱や圧力などを加えて母材そのものを接合する方法です。溶接は高い接合強度を確保しやすい一方、加熱によって母材に変形やひずみが生じることがあります。
リベット接合では基本的に母材を溶かす必要がないため、熱による影響を抑えやすい点が特徴です。また、溶接が難しい異なる種類の材料を接合する際にも、リベット接合が選択肢となる場合があります。
どちらが優れていると一概に言えるものではなく、必要な強度や母材の種類、形状、作業環境などに応じて適切な接合方法を選ぶことが重要です。
リベット接合の接合方法

リベット接合は、基本的に「母材への穴開け」「リベットの挿入」「先端部分のカシメ」という3つのステップで接合します。正しく接合するには、穴の位置や大きさ、母材同士の密着状態などにも注意が必要です。
ここからは、リベット接合の基本的な手順を順番に紹介します。
(1)接合する母材を重ねて穴を開ける
まずは、接合する2枚以上の母材を重ね合わせ、リベットを通すための穴を開けます。このとき、母材の接合面にゴミや汚れ、金属くずなどが付着していると、部材同士が十分に密着しない可能性があるため、あらかじめ取り除いておきましょう。
穴を開ける際は、使用するリベットの直径に合わせて適切な大きさに加工します。穴が小さすぎるとリベットを挿入できず、反対に大きすぎると十分に固定できない可能性があります。
また、それぞれの母材で穴の位置がずれるとリベットを正しく挿入できないため、位置を正確に合わせることも重要です。
(2)リベットを穴に挿入する
母材に穴を開けたら、穴開けによって発生した金属くずなどを取り除き、リベットを挿入します。リベットの頭部が母材の表面に接し、反対側から先端部分が突き出るようにセットするのが基本です。
このとき、母材同士の間に浮きや隙間が生じていないか確認しましょう。隙間がある状態でリベットを固定すると、母材が十分に締結されなかったり、接合部の強度にばらつきが生じたりする可能性があります。
使用するリベットについても、母材の厚さや材質、用途などに適したサイズ・素材を選ぶことが大切です。
(3)挿入したリベットの先端を工具でつぶす
最後に、母材から突き出たリベットの先端をハンマーやリベッター、プレス機などでつぶして変形させます。変形した先端と反対側の頭部で母材を挟み込むことによって、部材同士が固定されます。
施工後は、リベットが適切に変形し、母材がしっかりと密着しているか確認することも重要です。
また、リベットの施工方法には、大きく「熱間リベット接合」と「冷間リベット接合」があります。熱間リベット接合は、リベットを加熱して軟らかくした状態で挿入し、ハンマーなどで先端を成形する方法です。大型の鋼構造物などで用いられてきました。
一方の冷間リベット接合は、リベットを加熱せず、常温のまま圧力を加えて変形させる方法です。油圧・空圧式のプレス機などを使用できるため、工場の生産ラインをはじめ、効率的な施工が求められる場面でも活用されています。
リベット接合のメリット4つ

リベット接合には、施工のしやすさや接合部の安定性、母材への影響の少なさなど、さまざまなメリットがあります。溶接やボルト接合とは仕組みが異なるため、用途や使用環境によってはリベット接合のほうが適しているケースもあります。
ここからは、リベット接合の代表的なメリットを4つ紹介します。
作業が比較的簡単で施工しやすい
リベット接合は、母材に穴を開け、リベットを挿入して先端をかしめるという比較的シンプルな工程で施工できます。溶接のように高温を発生させる設備や高度な溶接技術を必要としないため、作業を習得しやすい点がメリットです。
また、ポップリベットのように母材の片側から施工できる種類もあり、裏側に手や工具を入れにくい場所でも作業しやすい場合があります。
接合部が緩みにくく高い強度を維持しやすい
リベット接合は、リベットの先端を変形させて母材を挟み込むため、一度適切にかしめると接合部が緩みにくい点が特徴です。ボルトやナットによる接合では、振動や衝撃が繰り返し加わることで緩みが生じる場合があります。
一方、リベット接合にはねじ構造がないため、振動による緩みが起こりにくく、締結状態を維持しやすいメリットがあります。そのため、航空機や自動車など、振動が発生しやすい製品にも活用されています。
母材への影響を抑えやすい
リベット接合は、溶接のように母材そのものを高温で溶かす必要がないため、熱による変形やひずみ、材質への影響を抑えやすい点もメリットです。
特に薄い金属板や熱の影響を受けやすい材料では、溶接による変形が問題になる場合があります。リベット接合であれば、必要な穴加工を除けば母材への加工を比較的少なく抑えられます。
また、表面処理された材料や、溶接しにくい異なる種類の材料を接合する際に採用されるケースもあります。
必要に応じて取り外し(分解)や交換ができる
リベット接合は、一度固定すると自然には外れにくい一方、リベット自体を破壊すれば接合部を取り外せます。一般的には、ドリルでリベットの頭部を削ったり、専用工具を使用したりして取り外します。母材そのものを一体化させる溶接と比べると、補修や部品交換などの際に分解しやすいことがメリットです。ただし、取り外したリベットは基本的に再使用できないため、再度接合する場合は新しいリベットへ交換する必要があります。
リベット接合のデメリット4つ

リベット接合にはさまざまなメリットがある一方で、製品の重量や外観に影響したり、母材の種類・形状によっては施工が難しかったりするなど、いくつか注意点と言えるデメリットも存在します。
リベット接合を採用する際は、メリットだけでなくデメリットも把握し、製品の用途や求められる性能などを踏まえて適切な接合方法を選びましょう。
ここからは、リベット接合のデメリットを4つ紹介します。
製品の重量が増加しやすい
リベット接合では、母材とは別に金属製のリベットを取り付けるため、その分だけ製品全体の重量が増加します。接合箇所が多くなれば、使用するリベットの数も増え、重量への影響も大きくなります。
特に、航空機や自動車など軽量化が性能や燃費などに関わる製品では、重量増加を考慮した設計が必要です。必要な接合強度とのバランスを考えながら、リベットの材質やサイズ、使用箇所などを検討することが重要です。
母材の種類や形状によっては適用できない
リベット接合は、基本的に母材へ穴を開け、リベットを挿入してかしめる必要があります。そのため、穴開けが難しい極端に硬い材料や、加工時に破損しやすいガラス・セラミックなどには適さない場合があります。
また、母材同士を重ねて固定する必要があるため、湾曲していたり凹凸が多かったりする複雑な形状では、穴開けやリベットの挿入、かしめ作業が難しくなることもあります。採用前に母材の材質や厚さ、形状を確認することが大切です。
接合部が目立ちやすい
リベット接合では、施工後も母材の表面にリベットの頭部が残るため、接合部分に凹凸が生じます。溶接のように接合部を平滑に仕上げる方法と比べると、リベットの存在が外観上目立ちやすい点がデメリットです。
そのため、見た目や表面の滑らかさが重視される製品では、リベットを配置する位置や種類などを工夫する必要があります。一方で、製品によってはリベットをあえて見せ、デザインの一部として活用することも可能です。
作業時に音や振動が発生する
リベット接合では、ハンマーやリベッターなどを使用してリベットをかしめる際に、音や振動が発生する場合があります。特に硬い金属を扱う場合や、多数のリベットを連続して施工する場合には、作業環境への影響にも注意が必要です。
大きな音や振動が問題となる作業環境では、防音・防振対策を講じたり、適切な工具や設備を選定したりすることが求められます。また、長時間にわたって作業する場合は、作業者への負担にも配慮する必要があります。
リベット接合の主な活用事例4つ

リベット接合は、振動や衝撃が加わっても緩みにくく、安定した締結状態を維持しやすいことから、航空機や車両をはじめ幅広い分野で活用されています。
また、かつて建築・インフラ分野で主要な接合方法として用いられていたほか、近年では身近な日用品などでもリベット接合が施された製品を目にすることができます。
最後に、リベット接合の代表的な活用事例を4つ紹介します。
航空機・鉄道車両
航空機や鉄道車両は、運航・走行時に振動や衝撃が繰り返し加わるため、接合部には高い強度や耐久性が求められます。リベット接合は振動による緩みが生じにくく、母材への熱の影響も抑えやすいことから、機体や車体を構成する部材の接合に広く用いられてきました。
ただし、近年では高性能なボルトや溶接技術などが発達し、鉄道車両を中心にリベット接合が使われる場面は減少しています。一方、航空機では現在でも機体外板などの接合にリベットが活用されています。
自動車・バイク
自動車やバイクでも、車体を構成する部材や補強部材、内装部品などの接合にリベットが使用されています。
自動車やバイクは走行中に継続的な振動や衝撃を受けますが、リベット接合はねじのように振動によって緩みにくいため、締結状態を維持しやすいことが特徴です。
また、溶接とは異なり母材を溶かさずに接合できるため、材質の異なる部材を組み合わせる際などにも、用途に応じてリベット接合が採用されています。
構造物(建築・橋梁など)
かつては、鉄骨建築や橋梁などの大型構造物でもリベット接合が広く用いられていました。加熱したリベットを部材の穴に挿入してかしめる「熱間リベット接合」によって、鋼材同士を強固に接合していたためです。代表的な建造物としては、東京タワーなどが挙げられます。
現在の建築・土木分野では高力ボルトや溶接による接合が主流ですが、歴史的建造物や文化財の補修・修復、当時の外観やレトロな意匠を再現する場合などには、リベット接合が採用されるケースもあります。
その他身近な製品
リベット接合は大型の乗り物や構造物だけでなく、日常生活で使用する身近な製品にも活用されています。代表的なものには、ランドセルやバッグ、ジーンズ、工具などが挙げられます。
例えば、ランドセルやバッグではベルトの付け根など負荷がかかりやすい部分の固定・補強に、ジーンズではポケットの端など力が集中しやすい部分の補強にリベットが使われています。
このように、繰り返し力が加わる部分の耐久性を高める目的でも、リベット接合が役立っています。
リベット接合を扱う職種

前述の通り、リベット接合は航空機や自動車、産業機械など、さまざまな製品の製造・整備に活用されています。そのため、ものづくりに携わる職種の中には、業務の一環としてリベット接合を扱うものがあります。
●航空整備士・航空機製造スタッフ
航空機の製造や整備に携わる職種です。機体の組み立てや外板・部品の取り付け、整備時の部品交換などにおいて、リベット接合を扱う場合があります。
●自動車製造スタッフ
自動車の車体や各種部品を製造・組み立てる職種です。車体の組立工程や部品の取り付けなどで、用途に応じてリベット接合を行うことがあります。
●機械組立スタッフ
産業機械や建設機械などを組み立てる職種です。設計図や作業手順に従って各種部品を組み付ける中で、部品同士を固定するためにリベット接合を扱う場合があります。
なお、実際にリベット接合を扱う場面や頻度は、勤務先や担当する製品、工程によって異なることも覚えておきましょう。
まとめ
リベット接合は、リベットを母材に挿入し、先端をかしめることで部材同士を固定する接合方法です。施工しやすく、接合部が緩みにくいほか、母材への熱の影響を抑えやすいなどのメリットがあり、航空機や自動車、産業機械など幅広い分野で活用されています。
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