【工場必見】危険度MAX！工場の熱中症対策5選！おすすめ暑さ対策グッズも

年々暑さが厳しくなり、もはや命に危険が及ぶようになってきた熱中症。

近年は異常気象の影響もあり、梅雨時期から猛暑日が続いたり、熱帯夜が頻発したりと例年にない暑さが続いています。

本来、梅雨は高温多湿な環境によって汗をかきやすくし、体温調節機能を徐々に高めていく、いわば「暑熱馴化（しょねつじゅんか）」の期間でした。しかし、近年のような異常気象では、身体が十分に暑さに慣れる前に、熱中症のリスクが非常に高まってしまっている状況です。

2024年6月の熱中症情報

2024年6月は、全国的に平年より高い気温で、特に東日本、西日本、沖縄・奄美では蒸し暑い日が多くなりました。

2024年6月10日～16日の熱中症による救急搬送者数は前週より2,000人ほど増加し、昨年同時期の2倍以上に達しました。

地域別の状況

• 東海から沖縄: 7月は「厳重警戒」ランクになる見込みです。
• 東北南部、北陸、関東: 日によっては「厳重警戒」ランクなる可能性があります。
• 東北南部から沖縄: 8月は「厳重警戒」、内陸部では「危険」ランクの所も。
• 北海道: 6月は全域で「ほぼ安全」ですが、7月から8月は日本海側と太平洋側で「注意」ランクになる見込みです。

その他熱中症情報

　●: 熱中症国内死者数　36人 　（2024年7月21日現在）

総務省消防庁　熱中症情報　救急搬送状況

　●サウジアラビア: メッカ巡礼期間中、酷暑により550人以上が死亡したとみられています。

＜ご参考＞

熱中症ゼロへ　https://www.netsuzero.jp/weather

気象庁３ヶ月予報 https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?term=P6M

注意！！梅雨型熱中症とは？？

熱中症は夏によく起こりますが、梅雨型熱中症についてはあまり知られていません。

梅雨型熱中症は、湿度が高くなる梅雨時期に外での活動時に発症することがあります。暑さと湿気が重なることで体の熱が逃げにくくなり、熱中症と似た症状が現れます。

高温多湿な環境である工場は、熱中症のリスクが非常に高い場所です。経営者や管理者は、従業員の安全を守るために、また、従業員自身も自らの安全を守るため総合的な熱中症対策を講じることが重要です。

以下では、工場における熱中症対策のポイントをご紹介します。
 ぜひ、ご参考になさってください。

工場で熱中症対策が必須な理由

工場は、熱中症リスクが非常に高く、重症化するリスクも高い環境と言えます。

熱中症が起きやすい環境

• 気温が高い: 工場は、天井が高く、空間が広い場合が多く、空調設備が十分に効いていないことが多いため、室温が上昇しやすいです。また、製造工程によっては、熱源となる機械が多く設置されているため、さらに暑くなります。
  
  
  
• 湿度が高い: 工場では、製造工程によっては、湿度が高くなる場合があります。特に、食品工場や繊維工場では、湿度が高くなりがちです。
  
  
  
• 風が弱い: 工場は、天井が高く、空間が広い場合が多いため、風が通りにくく、体感温度が高くなりやすいです。また、周囲を建物に囲まれている場合も多く、風が遮断されてさらに暑くなります。

重症化のリスクが高い

• 作業員が厚手の作業着を着用している: 工場では、安全のために厚手の作業着を着用することが義務付けられている場合があります。厚手の作業着は、熱がこもりやすく、脱水症状になりやすいです。
  
  
  
• 激しい運動をしている: 工場作業の中には、体を酷使する作業が多くあります。激しい運動をしていると、体温が上がり、汗をかきやすくなります。

•   機械からの熱:高温で稼働する機械や密閉された空間で稼働する機械は熱がこもりやすくなります。 周囲の温度を著しく上昇させるので、 これらの機械の近くで作業する場合は、特に注意が必要です。

•   工場は熟練の作業員が多い: 熟練の作業員は、長年工場で働いているため、暑さに慣れていると思い込んでしまい、熱中症対策を怠る場合があります。

また、高齢の方も多く持病により、熱中症の重症化リスクを高めます。

工場の熱中症対策で心がけたいポイント

ここでは、工場の熱中症対策で従業員が心がけたいポイントを解説します。

熱中症は、適切な対策を怠ると命に関わる危険性もあります。**「予防」と「対策」**の両面から、しっかりと取り組むことが重要になります。

予防

熱中症の予防としては、体調管理と情報収集が重要になります。

体調

• 睡眠を十分に取る
  〇睡眠不足は体温調節機能を低下させ、熱中症のリスクを高めます。毎日7～8時間の睡眠を心がけましょう。
  
• バランスの良い食事をとる
  〇塩分やミネラルをしっかりと補給しましょう。
  〇夏野菜や果物など、水分補給に役立つ食品も積極的に摂取しましょう。
• 体調が悪いときは無理をしない
  〇体調が悪いときは、発汗機能が低下して熱中症になりやすくなります。無理な外出や運動は控えて十分な休息をとるようにしましょう。
  〇体調が悪い時は、上司に報告するなどの対応や。会社を休むことも考える必要があります。

情報収集

• 熱中症警戒アラートを確認する
  〇自治体のホームページなどで、熱中症警戒アラートの情報をこまめに確認しましょう。
  〇アラートが発令されている場合は、外出を控え、涼しい場所で過ごしましょう。
• WBGT指数をチェックする
  〇WBGT指数は、気温、湿度、風速などを総合的に考慮した指標です。環境省のホームページなどで、WBGT指数の情報をチェックし、暑さ対策の参考にしてください。

＜ご参考＞環境省熱中症予防サイト　暑さ対策：WBGT指数

対策

熱中症の対策としては、水分補給と冷却が大切です。

水分補給

• 喉が渇く前にこまめに行う
  ○喉が渇いてからでは遅いので、こまめに水分補給を心がけましょう。３０分から60分に１度は水分補給を意識しましょう。
  ○水や麦茶、スポーツドリンクなど、塩分やミネラルを含む飲料がおすすめです。
• 1日に1.5～2リットル程度を目安にする
  ○汗をかいていない場合でも、意識的に水分補給を行いましょう。
• 冷たいものばかり飲むのは避ける
  ○冷たいものを飲みすぎると、内臓が冷えて体調を崩してしまうことがあります。常温のものや温かいものも取り入れて、体温調節を行いましょう。

＜熱中症対策におすすめの飲み物＞

  熱中症対策には、こまめな水分補給と塩分の補給が重要です。 汗をかくと、水分だけでなくナトリウムやカリウムなどのミネラルも失われます。そのため、水分だけでなく、塩分やミネラルも補給できる飲み物がおすすめです。

1. 経口補水液

経口補水液は、水、糖分、電解質（ナトリウム、カリウムなど）をバランスよく含んだ飲み物です。脱水症状になったときや、大量に汗をかいたときに飲むと効果的です。ドラッグストアやコンビニエンスストアで購入できます。

2. スポーツドリンク

スポーツドリンクも、水分、糖分、電解質を含んだ飲み物です。経口補水液よりも糖分が多いので、エネルギー補給にも効果的です。ただし、飲みすぎると糖分の過剰摂取につながるため、注意が必要です。

3　. 麦茶

麦茶は、ノンカフェインでミネラルを含んだ飲み物です。水分補給だけでなく、ミネラルの補給にも効果的です。ただし、麦茶には塩分が含まれていないので、塩分補給も忘れずに。

4. 冷たい味噌汁

冷たい味噌汁は、水分、塩分、ミネラルを補給できる飲み物です。
 具材を入れると、さらに栄養価が高くなります。

5. 水

水は、最も基本的な熱中症対策の飲み物です。ただし、水だけだと失われた塩分やミネラルが補給できないので、塩飴などを一緒に摂取することをおすすめします。

冷却

• 首元を冷やす
  ○首筋や脇の下などの太い血管が通っている部分を冷やすことで、
  　効率的に体温を下げることができます。
  ○保冷剤、冷却シート、ネッククーラーなどを活用しましょう。
  ○濡らしたタオルを首に巻くのも効果的です。
• 衣服で冷やす
  ○冷感素材の衣服を着ることで、体温の上昇を抑制することができます。
  ○速乾性の衣服は、汗をかいてもすぐに乾き、体温が奪われるのを防ぎます。

これらのポイントを参考に、自分に合った方法で熱中症対策を実践しましょう。熱中症対策は、従業員と工場の双方の取り組みが必要不可欠です。工場の熱中症対策は工場側が十分な対策を行うと同時に、従業員各自も対策を心がけなければなりません。

ここからは暑さ対策グッズをいくつかご紹介したいと思います。

暑さ対策グッズを活用！個人の熱中症対策6選

空調服や冷却タオルなどのグッズを活用することがおすすめです。対策グッズはスーパーやドラッグストアなどでも入手でき、手軽に活用できます。従業員が各自の体調に合わせて自由に調整できるのも便利です。

1.空調服・クールベスト

工場の暑さ対策に便利なのが、空調服です。バッテリーで可動する小型ファンを内蔵した作業着で、小型ファンが外気を取り込み、汗を蒸発させて身体を冷やします。毎日使用するには、バッテリーの充電やリチウムイオン電池の取り替えなどが必要です。
 ベストの内部に保冷剤を入れ、体を冷やせるクールベストもおすすめです。空調服に比べて持続時間は短めで、冷却剤の交換が必要になります。

また、長時間の労働中に水分補給が容易にできるように設計されたベストが登場しています。これらのベストには、組み込みの飲料水供給システムが搭載されており、作業者が必要な時に容易に水分を摂取できます。このようなシステムは、作業中の水分補給が難しい環境での熱中症予防に非常に有効です。

2. 涼感効果を持つ帽子やヘルメット

工場の暑さ対策に便利なのが、空調服です。バッテリーで可動する小型ファンを内蔵した作業着で、小型ファンが外気を取り込み、汗を蒸発させて身体を冷やします。毎日使用するには、バッテリーの充電やリチウムイオン電池の取り替えなどが必要です。
 ベストの内部に保冷剤を入れ、体を冷やせるクールベストもおすすめです。空調服に比べて持続時間は短めで、冷却剤の交換が必要になります。

また、長時間の労働中に水分補給が容易にできるように設計されたベストが登場しています。これらのベストには、組み込みの飲料水供給システムが搭載されており、作業者が必要な時に容易に水分を摂取できます。このようなシステムは、作業中の水分補給が難しい環境での熱中症予防に非常に有効です。

3. 涼感効果を持つ帽子やヘルメット

頭部を涼しく保つことができる帽子やヘルメットが続々と開発されています。これらの製品は、ジェル内包素材や保冷剤などを組み込むことで、頭部を直接冷却し、ひんやりとした快適な着用感を実現します。また、小型ファンを内蔵することで、頭部に風を送風し、涼しさを保ちます。

4.冷却タオル・冷却マフラー

冷却タオル・冷却マフラーは、接触冷感作用のある糸を使用し、触れるだけで冷たく感じられるアイテムです。表面に触れたり首に巻いたりするだけで、体の温度を下げられます。 水で濡らすか冷蔵庫で冷やすことによって冷感効果が高まり、保冷剤を入れるタイプであれば、さらに効果がアップします。 低価格で取り入れやすく、手軽な暑さ対策として人気です。

5.接触冷感機能素材のインナーウェア

冷却タオルと同じ接触冷感機能がある素材を使ったインナーもあります。着用するだけで、体感温度を下げられます。 接触冷感機能は、熱を吸収する繊維の性質によるものです。素材として使われるのはレーヨン・キュプラといった繊維で、これらには水分が含まれていて、繊維中の水分が人の熱を吸収するため冷たく感じられるのです。

接触冷感機能素材を使ったインナーには、吸湿速乾性を備えているものもあります。吸湿速乾性は汗を吸い取り、素早く蒸発させる機能です。さらっとした触感があり、冷却作用をさらに高めるでしょう。

6.冷却スプレー・ボディシート

洋服や靴下に吹き付けて冷感を得られるスプレーもあります。気化熱の原理を利用しており、スプレー内の液化ガスなどを吹き付けることで、それらが気化する際に冷感効果を得られます。

捻挫や筋肉痛などで熱を持つ部位を冷やすために用いられますが、暑さ対策としても有効です。冷却スプレーは、ガスタイプとミストタイプがあります。ガスタイプは液化ガスを放出させるもので噴射力が高く、広範囲にスプレーできるのが特徴です。冷却効果も高く、素早く冷やしたいときに適しています。

工場による熱中症対策5選

工場側で熱中症対策を心がける時のポイントや設備には、主に以下のようなものがあります。

・スポットクーラー

・大型扇風機・シーリングファン

・屋根用スプリンクラー

・遮熱シート・遮熱塗料

・ビニールカーテン

転職先の工場を探す際は、これらの設備が備わっているかも大切なポイントです。それぞれ、詳しくみていきましょう。

1.スポットクーラー

工場全体を空調設備で冷やすのはコストやスペースの面で難しいことがあります。スポットクーラーは必要な場所だけを冷やすことができ、固定する必要もないので設置工事が不要で、すぐに使用できます。どこにでも設置や移動ができる点がメリットです。

また、レンタルも可能なので、夏場だけレンタルすれば、保管場所やメンテナンスの必要もありません。

2.大型扇風機・シーリングファン

エアコンよりも設置費用や光熱費を抑えたい場合、大型扇風機やシーリングファンがおすすめです。大型扇風機は、家庭用扇風機の大型版で、風量が大きく、広い工場内でも風を行き届かせられます。

風が直接あたることで気化熱が体温を下げ、熱中症予防ができます。ただし、風を直接あててはならない機械がある場合は注意が必要です。

シーリングファンは天井に取り付ける扇風機で、ファンを回転させて工場内の空気を循環させ、温度を一定に保ちます。エアコンと併用することで冷気を効率的に循環させられるため、光熱費を抑える効果も期待できます。

3.屋根用スプリンクラー

屋根用スプリンクラーは、屋根に水を散水するシステムです。水が蒸発する際に熱を奪うことで、屋根の温度を下げる機能があり、工場内の気温上昇を防ぎます。古くからある、庭や道に水をまく打ち水と同じ効果があります。

さらに、火災発生時に自動的に水を噴射することで、火災の拡大を迅速に抑制します。火災時の煙による健康被害を減らし、健康リスクを低減することができます。

ただし、冷却効果が高い一方、屋根を塗装やシートで遮熱する方法と比較すると工事費と水道代がかかる点はデメリットです。

4.遮熱シート・遮熱塗料

工場において、遮熱シートや遮熱塗料は、熱を遮断する機能を持つ塗料・シートのことです。屋根に施工することで、熱による工場内の気温上昇を防げます。また、直射日光から屋根を守ることで、耐久性を上げる効果も期待できます。 ただし、屋根用スプリンクラーと比較すると温度を下げる効果は低く、面積の広い屋根の場合は設置工事費が高額になります。また、定期的なメンテナンスも必要であり、ランニングコストがかかる点はデメリットです。

5.ビニールカーテン

ビニールカーテンを設置することで、特定のエリアを仕切り、冷暖房の効きを高めることができます。特に、夏場は冷房冷気を逃がさずに室温を一定に保ち、冬場は暖房熱を逃がさずに室温を上げることができます。これにより、労働者は快適な温度で作業することができ、熱中症や低体温症などのリスクを軽減できます。

簡単に設置でき、不要になればすぐに撤去できます。コストがかからず、短時間で設置できるのも利点です。

また、熱中症対策だけでなく、外部からの防塵や防虫、情報保護などの用途で使えるのもメリットといえるでしょう。

IoTを活用した熱中症対策事例

従来の対策に加え、近年注目を集めているのが、IoT技術を活用した熱中症対策です。IoT技術を用いることで、より効率的かつ効果的な熱中症対策が可能になります。

工場によってはウェアラブルデバイスによる作業員の体調監視をしているところもあります。

以下、具体的なIoT熱中症対策事例をご紹介します。

建設現場や工場などの作業員は、熱中症のリスクが特に高いと言われています。そこで、ウェアラブルデバイスを着用し、体温、心拍数、皮膚温などをリアルタイムに計測することで、作業員の体調を監視することができます。これらのデータを分析することで、熱中症の兆候を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。

例：

• 工場でヘルメット型のウェアラブルデバイスを着用し、作業員の額の温度を測定する。
• 工場で腕時計型のウェアラブルデバイスを着用し、作業員の心拍数と皮膚温を測定する。

1. 個人の水分補給量を通知

ウェアラブルデバイスで体重、心拍数、皮膚温などを計測し、個人の発汗量を推定することで、必要な水分補給量を通知することができます。これにより、脱水症状による熱中症リスクを低減することができます。

例：

• 工場でヘルメット型のウェアラブルデバイスを着用し、作業員の汗量を推定し、水分補給のタイミングと量を通知する。

2. 水分補給スポットの見える化

構内や屋外に設置されたウォーターサーバーや自動販売機の情報を地図上に表示することで、水分補給スポットを簡単に確認することができます。また、利用状況を把握することで、必要な場所にウォーターサーバーを追加設置したり、補充頻度を調整したりすることができます。

例：

• 工場構内に設置されたウォーターサーバーの場所を地図上に表示し、作業員が簡単に水分補給できるようにする。

3. 水分補給の忘れ込み防止

ウェアラブルデバイスやスマートフォンアプリで水分補給のタイミングを通知することで、水分補給を忘れにくくすることができます。また、過去の水分補給履歴を記録することで、自分の水分補給習慣を把握することができます。

例：

• 1時間に1回水分補給するよう、スマートフォンアプリで通知する。
• 水分補給のたびに記録し、1日の水分補給量をグラフで表示する。

IoT熱中症対策は、企業にとって様々なメリットをもたらすことができます。まだ導入していない企業は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

熱中症は、命に関わる危険な病気です。しかしながら適切な対策を講じることで、リスクを大幅に減らすことができます。家の中にいても熱中症になる事例もあり、完璧な対策で熱中症を完全に防ぐことは難しいですが、十分な熱中症対策がとられている工場は多くあります。

これから工場への転職を考えている場合、十分な熱中症対策がとられている工場を選ぶことも大切です。屋根や外壁に遮熱の対策がとられているか、工場内にはエアコンをはじめとする空調設備が完備され、機械の周りにも暑さ対策が行われているかなどをチェックしましょう。

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